929 眞子の心境

 本当の意味で、漸くカップル(バカップル)が成立した崇秀と眞子。

そんな2人は、風呂場から部屋に戻って、休日を恋人として満喫しているのだが。


そんな幸せな雰囲気の中、眞子は何を思うのか?


***


 ……ってな訳でございましてですね。

この後は部屋に戻って、恒例のコタツに入る訳なんですが。

今現在私はですね。

座ってる崇秀を背中にして、自分は、崇秀の前に座ると言う体勢をとっておりまして、厚かましくも、全身を彼に預けちゃってる状態な訳ですね。


……っで、そのままの幸せ一杯な彼氏彼女な体制の中、クダラナイTVを見ながら、時折、後ろを向いて喋ってみたりしているんですが。


彼に全身を預ける事は、安心感がハンパじゃないですね。


だって、こうして背中でぬくもりを感じるだけで、崇秀が、自分の全てを守ってくれてる様な気分になりますからね。


早い話、幸せ過ぎて、このまま死んでも良い位ですよ。


まぁ、そう思えるのも、何所までも私の事を考えてくれていた崇秀にですね。

結局、以前よりも、もっとも~~~~っとベタ惚れしてしまったのが理由なんですけども、これってさぁ、女の子だったら当然こうなりますよね?


そりゃあさぁ、元のままの私が、こんな事をしたら気持ち悪いだろうけど、私……もぉ誰もが認めてくれてる女だもん。

だったら此処で、女性である私が幸せを感じないでどうするのよ?って話ですよ。

……ってかさぁ、このなんとも言えない様な多幸感に包まれる気持ちだけは、女になってみないと解んない感覚だと思うよ。


だってさぁ、この状況を翌々考えてもみてみ。

例え、幾ら私が元真琴ちゃんだったとしてもだよ。

今は、こんなにもさぁ、崇秀に、向井眞子と愛して貰った上に必要としまでて貰えてるなら、もぉ前の事なんてなにも気にせず、堂々と女の向井眞子として崇秀に接する方が正しいじゃん。


だったらさぁ、なにを今更、恥ずかしがって迷う事が有るって言うんですか?


ないでしょ。


大体して世間の人は、そんな私のTS事情なんて、誰も知らない事なんだし。

知ってる奈緒ネェや崇秀が、こうやって私の存在を認めてくれてるんだったら、堂々と女である事を前面に押し出せば良いじゃん。


その上でね、これからの余生も女として生きていく訳なんだから、早い内から私にとっての異性は、男(崇秀限定だけど)に成るべきだだったと思うしね。


そりゃあさぁ、この件に関して、最初は結構きつかったよ。

最初から、女の子の、そう言う気持ちを受け入れられた訳じゃないから、私の中でも想像を絶する様な凄い葛藤はあった。


でもさぁ、最終的な段階で考えてみ。

最初の段階から男に戻れない事も想定しなきゃならなかった私にとっては、矢張り、早い段階から此処の対処は必要だったんじゃないかな?


なら、普通の女性の思考で考えたら、奈緒ネェとレズビアンに走る必要なくない?


この辺は、奈緒ネェが、私が女になった当初言った『私が男に成ったら、君となんか別れて、男として生きる事を望むわ』って意見が正しかったって、今と成っては思える。


奈緒ネェは、いつも先を見越す事が出来ていて凄いのです!!


まぁ勿論、此処に至るまでには色々な試行錯誤はしてたけど、結局の所、こうなってしまった以上『徹底的に普通の女の子の感性を持つべきだ』と思い込める様にも成った。


これは、私自身の順応性の高さだと思う。


けど……もしそれがね。

気持ち悪いと思うなら、気持ち悪いと思って貰っても結構。

人それぞれに感性がある以上、そこはどうやっても否めない話なんだから、それを否定しようとは思わない。

それになにより、1年近くも女で過ごした者にしか、こんな、おかしな感覚は解らないと思うからね。


でも、此処だけはハッキリ言っておくけど。

どんなに元が男らしい人でも、この男女による性差の壁は厚いと思うよ。

これも1つの『性同一性障害』に成りえる形だったと思うからね。


けど、私の場合は、そうならなかっただけの話。


何故なら……『女の子に成る事を望んでた』訳では無いけど『他人に成りたい』と思う願望は元々強く持っていたからね。

それに縋り付いた結果、この眞子と言う存在を世間にアピールしたかったし、誰にでも受け入れられる、この眞子と言う存在が自分自身でも好きに成っていた。


だから、倉津真琴と言う存在を全て捨てて、女である自分に徹底出来たんだと思う。


……ってかさぁ、もっと最終的な話で言えばね。

真琴ちゃんが復活した時点で、私にはもぉ倉津真琴に戻るって言う選択肢がなくなった訳だから、正真正銘、眞子と言う存在でしか居られない訳なんですよ。


そこに崇秀が、私の事を『好きだ』って言ってくれたら……女なら、誰だって行くでしょ。


それにね。

此処までハッキリと眞子と言う存在になっていたら、行かない人が居るなら、逆に見てみたいもんですよ。


……っと、まぁそんな訳でして。

長々と何度も支離滅裂に同じ様な話ばかりをして、なんか言い訳がましい事を言ってみましたが、結局、もぉ私は向井眞子でしかないんです。


だから崇秀の甘えてても気持ち悪くないんです。


解る?解ってくれた?


解んない……あっそ。



……なんて、自身が女性なんだなぁ、ってしみじみ感じていると。

またしても、さっきの風呂場での出来事を思い出してしまい、崇秀に凭れながら、こんな事を、つい口走っちゃったんですよ。



「あっ、あのさぁ、崇秀」

「んあ?なんだよ?」

「急に変な事を言っちゃうんだけど。またさぁ、さっきの風呂場でしたみたいな事しても良いよ。あれ、凄く恥ずかしかったんだけどね。崇秀になら、またやって欲しいなぁとか……」


いや……って言うのもね。

どうせ女なんだったら、女の快楽も、ちゃんと知って置きたいじゃん。

真琴ちゃんが帰って来た以上、もぉ女である事に遠慮する必要なんてないんだしさ。


それにさぁ。

あれって……凄く気持ち良くて、頭が真っ白になるんだよ。

『もぉ、崇秀になら何されても良いやぁ~~~』って気分に成るぐらい気持ち良いの。


だから、やりたい時は、毎日でもやって良いですよ。


勿論、私の肌に触れて良いのは、崇秀限定だけどね。



「んあ?……あぁ、あれな。まぁその時が来たらな」


……って!!

折角、思い切った事を告白をしたって言うのに、この男だけは、こんな意地の悪い事を平然と言うんですよ。


俗に言う『蛇の生殺しって奴ですね……』



うわ~~~ん!!彼氏なんだったら、ちゃんとやってよぉ!!


鬼だよ、この人。


鬼畜生ですよ!!



……どこまでも優しい、私だけの彼氏ですけどね♪


***


【次回予告】


オッス!!オラ、真琴!!


オイラの下半身の元気玉は、みんなに元気を分けて貰わなくてもバッチリとチャージ完了状態だ!!

だから家に帰ったら……

(↑予告の一発目から、シモネタをぶっ放して、しくじる俺)


……いやいや、それにしても驚きだよな驚き!!

眞子と、馬鹿秀の雰囲気の良いバカップルを奈緒さんの家に残して、ただただオナニーする為だけに、実家に帰ってみたらよぉ。

説得力の全く無い親父から数時間に渡る大説教大会が催されると思ってたのに、そんな雰囲気は微塵も無かったんだよな。


その分だ!!俺の予想の範疇を超えた、とんでもない事になってやがったんだよ。


さて……そんな訳で次回は。


『Happening』

「ハプニング」


……を、俺メインでお送りするぜぇ!!


まぁ、どうせ俺にとっちゃあ、ロクなもんじゃねぇ事ばっかり起こるんだろうけどな。


そりゃあしゃあねぇよ。


これも運命だ。


復活した以上、それも甘んじて受けてやらぁ!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>

これにて第一章・第五十二話【Mako`s heart(眞子の心境)】はお仕舞なのですが如何でしたでしょうか?


眞子の現状はご理解頂けましたでしょうか?


ですが、これはブッチャケ、奇跡的な状況だとは思っています。

眞子が少しでも悩んでいたら、それに直ぐに勘づき。

こうやって崇秀が、全ての精神的なフォローをしてくれているからこそ、眞子は幸せな生活が送れてるのかもしれませんからね。


此処までキッチリとしたフォローが出来る人間なんて、早々にはいないと思いますしね(笑)


要は、眞子は恵まれているのですよ♪


さてさて、そんな眞子を尻目に。

家に帰ってオナニーをしようとしている悲しい倉津君が、次話での主人公に成る訳なのですが。


果たして、コチラでは、どんなハプニングが起こるのか?


そこを少しでも気にして頂けたら、次回もまた遊びに来て下さいねぇ~~~♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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