924 私は本当に馬鹿だ
崇秀の愛情を疑ってる訳ではないが、それでも様々な不安が過ってしまう眞子。
そんな眞子の態度に業を煮やした崇秀は、風呂場で愛撫をし、徹底的に眞子が女性だと思い知らせるのだが。
果たして、その真意は?
***
「ほら、鏡を見てみろよ、眞子。これが今現在のオマエの隠し様のない姿だ」
「あぁ……」
ヤダ……なんてダラシナイ顔なんだ。
完全に快楽に溺れて、口からは涎が垂れたままになってるわ。
虚ろで、潤んだ瞳からは、涙がポロポロ流れ落ちてる。
その上、全身が仄かなピンク色に染まり。
体全体が性的な興奮を得て、体温が異常なまでに上がっているのがわかる。
それに……ミットモナク、ピンピンに乳首は立ってるわ。
とどめに……私のアソコは、体以上に真っ赤に充血して。
別の生き物が居るかの様にパックリと開いたまま、異性を受け入れる準備が出来ており、潤滑油である愛液が滴り落ちて、お尻の方へと全て流れ出してきている。
……見るも無惨な姿だ。
「うっ、うっ、酷いよ、崇秀。……自分のこんな姿なんて見たくなかったよ。なんでこんな事するの?私……私、凄く惨めだよ」
「そっかぁ?俺には、そんなオマエが愛おしく思えるけどな。……オマエは、やっぱ、滅茶苦茶可愛いわ」
「えっ?なんでぇ?……嘘だ。そんなの嘘だよぉ」
なんで?
こんな姿のどこが可愛いの?
こんな酷く無様な姿の、何所に愛おしさなんかを感じてくれてるの?
こんなのダラシナイだけじゃない。
「ふぅ。オマエなぁ。男が、女の感じる姿を見てドン引く訳ねぇだろ。そう言う男の感覚だけを変に残してるから、オマエは、いつまで経っても女に成りきれねぇんだよ」
「あぁ……」
「良いか、眞子?オマエはなぁ。そう言う男の感覚を理解しながら、今みたいな女の感覚も同時に養わなきゃならないんだ。それこそが、オマエが世界一良い女になる一番の近道なんじゃなかったっけ?……それとも、もぉそんな事すら忘れたのか?」
「あぁ……うん……そうだったね」
「まぁ要するにだ。オマエは、精神のバランスの取り方が異常なまでに下手糞なんだよ。だから全てが偏った考え方になる。今後は、それじゃあダメな事ぐらい解んだろ」
だから、私が嫌がる様な、こんな無茶をしたんだ。
女性の事を全て理解しないとイケナイと思ってくれてたんだ。
「……だよね」
「まぁまぁ、これだけ可愛く生まれ変わったんなら、もぉ限界の一杯一杯まで自信を持っても良いんじゃねぇのか?オマエを気持ち悪いなんて思う奴なんて、向井さんや、俺を含めても、この世には誰1人として居ねぇよ」
崇秀に、そう言って貰えると……ホントに凄く安心するし、気持ち的にも、この上なく嬉しいんだけどね。
でも、ホントに、そうなのかなぁ?
気持ちの何所かで、私に対する『なにかが』残っていて、嫌々ながら、あんな事をしてくれてたんじゃないのかなぁ?
この崇秀を信じて疑いたくない反面。
自分でも嫌になる位、この疑念だけは、どうしても自分の中で消化出来ずに燻ったまま消えてくれない。
見た目とかの話じゃなくて、これって、内面的な話。
情けないけど。
まだそうやって、崇秀を疑ってる自分が居る。
「うん、ありがとう。心から嬉しいと思ってるよ。……でもね。でも、今度は、怒らないで聞いてね。私……私ね。崇秀にね。気持ち悪いとか思われるてるかも知れないのが、どうしても、まだ怖いの。それにね。責任感で付き合って貰ってるって思うと情けなくなるし。崇秀の負担にばっかり成ってるんじゃないかと思ったら、もぉなにもかもが不安でしょうがないの。見た目が可愛いとか、体が女だからとかじゃなくてね。……こんな私の事を本当に好きなのか?どうかが知りたいだけなの。それ以外は、ホントに、どうだって良いんだよ。他の人の事なんて気にならないけど。崇秀にだけは気持ち悪いって思われたくない……私、本当に、崇秀の事が好きだから……どうしても嫌われたくないから……」
「そっか。なら、そう言う疑いが晴れない間は、もっとゆっくり行こうぜ。俺は、オマエの事を本気で気に入ってるが、どうやらオマエは、まだ俺に対する疑念が残ってるみたいだからな。オマエが、俺の事を信じられるその日まで呑気に行けば良いじゃねぇか?恋愛なんざ慌ててやるもんじゃねぇしな」
この状況下にあっても……そうまで言ってくれるんだ。
崇秀の言葉には、いつも嘘なんて愚かしい物は一切存在しない。
だったら、初めから疑う余地なんてどこにも無かったんだ。
崇秀は、いつもそうだ。
私みたいに人を疑ったり、自分に自信が持て無い様な、まどろっこしくもドン臭い真似は一切しない。
自分が、こうだと決めた事には、なにがあっても一切のブレなんか無かったんだ。
だったら、この人を信用しないで、誰を信用するんだ?って話だよね。
こんなに想って貰ってるのに、何回も疑って……ごめんね。
でも、私は弱いから……最後に、もう1度だけ聞かせて。
「あの……本気で、私の事を気に入ってくれてるの?妥協とか、責任感抜きにしても、そうだって断言してくれる?」
「勿論、言葉に嘘偽りはねぇが、それはオマエの好きに解釈しろ。そこは、俺がどうこう言う問題じゃねぇしな。但し、此処で1つだけ言って置くぞ。俺は、オマエに全部くれてやると言った筈だ。それだけは忘れるな。オマエが、俺に飽きるまでは一生一緒に居てやるよ。俺の存在は、オマエだけのものだ」
「あぁ……」
この崇秀の真っ直ぐな意見には、なにも言葉なんて出ない。
こんなにも真っ直ぐに私なんかを見て、愛してくれてる人を、何度も疑うなんて、どうかしてたよ。
なら私も、もぉクダラナくも馬鹿みたいな疑いなんか、完全に捨て。
彼同様に、私も真っ直ぐに、この人だけを見て生きて行こう。
私は、この人の言葉だけを信じて生きて行けば良いんだ。
崇秀と、私の関係に、余計な疑念なんて持ち必要性すらなかったんだね。
馬鹿だね私って……
本当に馬鹿だよね……
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
女性が感じてくれてる姿を見て、男性が萎えるか?……萎えません、萎える訳がありません(笑)
寧ろ、愛おしく感じる男性の方が大多数だと思います。
勿論、その例に漏れず、眞子の事が大好きな崇秀は、そんな眞子の姿に愛おしさを感じてる様です。
まぁ、崇秀の場合、眞子限定でしかないので、誰にでもそう感じる訳じゃないかも知れませんがね(笑)
……っでまぁ、眞子の方も。
崇秀を本気で好きに成ってしまったが故に『気持ち悪い』っと思われたくない気持ちが前面に出てしまい、こんな事を言ってしまったのでしょうから……その経緯を理解してる崇秀から見れば「早く、この不安を拭ってやりたい」って気持ちから、今回の行為に移った物だと考えられます。
要するに、過去の経緯を全て飲み込んだ上で、相思相愛な訳ですよ、この2人は(笑)
さてさて、今度こそ、崇秀を完全に信用する事が出来た眞子なんですが。
この後、更に崇秀は、これらの過去の経緯を込みにして『とある証明』をしてきます。
その証明とは、一体、なんなのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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