919 そんな崇秀の為ならば……

 崇秀を疑う様な質問をぶつけてしまったにも拘らず、その回答をシッカリしてくれ、自分が如何に大事にされているかを、再確認させられる事に成った眞子。


そして更に『死ぬまで一緒にぶっ飛んで行こうぜ!!』っと言われた眞子は……


***


「うんうん、良いよぉ。私は元が良いから、そんなの簡単に出来ちゃうもんね」

「そいつは良いな。……んじゃま、軽く2人で世間を驚かせてみるか」

「ふふっ……だよね。やっちゃおっか♪」


これなんだよね、これ!!

崇秀と居て一番楽しいのは、これなんだよね♪

これに乗れば、多分これからも何回も死ぬ様な思いをする羽目には成るとは思うんだけど、それでも、この暴走特急に乗った方が、必至になって真面目に生きれる上に、人が味わえない様な人生を数倍楽しく送れる。


これこそが、私が崇秀の拘る最大の理由。

他の男なんかじゃ、崇秀の様な真似は、絶対に出来無いからね。


だったら四の五の言わず、これに乗らないで、どうするんだって話ですよ。



「よっしゃ、よっしゃ。んじゃま、まずは地獄の果てまで突き進んでみますか」


うわっ、うわっ!!こんなにテンションの高い崇秀を始めて見た。

この様子だと、これを切欠に、また本気で何かを始める気だ。

元から妥協を知らない崇秀が、今回はリミッターカットをするみたいだから、そんな彼の姿を傍で最後まで見届けたい。


それは私にのみ許された特権なのだから。



「ねぇねぇ崇秀。その様子だったら、2人で世界征服とかも出来ちゃうのかな?」

「あぁ、それをオマエが望むなら、世界なんぞ幾つでもくれてやるよ。けどオマエ、そんなもんが欲しいのか?」

「うぅん。実際は、世界なんて微塵も欲しくないよ。……崇秀が一緒なら、それだけで十分♪もぉなにもイラナイ。世界なんて、所詮、2人のオマケでしかないんだからさ」

「そっか。なら、俺なんぞ、オマエに全部くれてやる。だから最後まで付き合えよ。途中下車は無しだ」

「勿論だよ。私はズッと崇秀に付いて行きたいから。それだけが最大の望みだから」

「なら、死ぬ気で付いて来な」

「うん!!なんでもドンと来いだよ♪眞子にお任せってね」


うわ~~~い♪

もぉこれで、崇秀は、私だけのものだも~~~ん♪

世界中に散らばってる女性の方々、誰も、私だけの崇秀には触っちゃダメだよ。


もぉ奈緒ネェですらダメ~~~!!


……嘘。

奈緒ネェだけは、崇秀の親友だからヤッパリOK。

奈緒ネェとだけは、ズッと仲良くやりたいからね。


姉妹喧嘩は、もぉ懲り懲りです。



「ハハッ……さて、テンションも上がった事だし。今からおっぱじめるか」

「あぁっとねぇ。ちょっとだけ待って欲しいな」

「んあ?なんでだ?」

「あっ、あのね。今日だけは止め様よ。出来ればなんだけど、今日と、明日だけは、崇秀と2人で、ゆっくりしたいです」


今日と明日、この2日間だけはオマケ日にして欲しいなぁ。

私個人としましては、少しだけで良いんで、この時間をもう少し満喫したい訳なんですよ。


それにですね。

今さっきまで真琴ちゃんの件でゴチャゴチャしてたから、スッカリと忘れていたんですがね。


崇秀……確か、お久しぶりですよね。


私の記憶が正しければ、あの病院以来の様な気がするんですが……


……ってか。

あまりにもフランクに話していたんで、感動の再開をするのさえ忘れていました。


……っと言う、様々な理由もございまして。


あの……今日と、明日だけは、私と遊んで下さい。


ダメですかね?



あぁ……それと、もぉ1つ、言わなきゃイケナイ事もあるし。



「ハハッ、なんだよそれ?人のテンションをガンガンに上げといて、それかよ」

「ごめんね。でもさぁ、本当の事を言うと、今日と明日だけじゃなく、今年一杯は、どうしても、やらなきゃいけない事があるから……」

「あぁ、それなら知ってる」

「へっ?」

「クラスメイト及び、向井さんから頼まれた倉津の受験の件だろ。それに付け加えて、高校に入ってからも、神楽、王家さんとのバスケの約束の件もあるみたいだしな。心配しなくても、それぐらいは全部把握してるぞ」


全部知ってたんだ。


やっぱり、私に対する愛情が強い人は違いますね。

何も言わなくても、全部、理解してくれてるんだもんね♪


LOVE・LOVEだね♪


うんうん、崇秀は、やっぱり世界一素敵な男性だよ♪



「ごめんね。調子の良い事を行った割に、これじゃあ、なんの役に立たないよね」


けど、悪い事しちゃったなぁ。

崇秀が、こうやって理解してくれてるとは言え、今となって思えば、なんで、あんな約束を安易にしちゃったんだろ?


まぁ奈緒ネェとの約束である真琴ちゃんの受験の件は、身内だからOKだとしても。

バスケの件は……今更ながらだけど、出来ればパスしたい気分だね。


……でも、崇秀って、そう言う約束をキッチリ1つづこなさないと怒るんだよね。

この程度の約束が守れない様じゃ『話にならない』ってね。



「バカタレ。オマエは、まだまだ世間での認知度が薄いんだから、これからの高校3年間は、丁度、自分の知名度を上げるチャンスになるだろうが。だから、今は余計な事を考えず、そこだけに集中しろ。俺は、その間に、オマエ専用のプランって奴を考えて置いてやるからよ。高校生活をタップリ満喫しろ。まずは、そこからのスタートで良い」

「でも、それじゃあ……」

「あぁ……但し、全てに置いて妥協は許さねぇぞ。テストは常に学年5位以内。1年からインターハイ出場。年間ライブ数100以上を最低限に置いた条件付き。これをクリアー出来無い様じゃ、オマエは、俺と、まだ一緒に居るべきじゃないからな。出来るか?」


厳しいなぁ。


テストの学年5位と、ライブの数に関しては難なくクリアー出来るだろうけど。

1年からバスケのインハイ出場だけは、運動部特有の上下関係が有るだけに、かなり厳しいかなぁ。


……けど、崇秀は、もっと高い位置で、これからもバリバリと戦うつもりなんだから、この程度の事で泣き言を言ってる場合じゃないよね。

いや寧ろ『この程度の事が出来なくて、どうするの?』ってぐらいの覚悟が持って臨むべきだよね。


なら……



「うん。当然だね。その程度の箔を付けなきゃ、崇秀の彼女として面目が立たないもんね。良いよ。やってみせる」

「そっかよ。んじゃあ、オマエの願い通り、今日と明日は休みな。……っと、その前にだ。土産だ眞子。休み明けの明後日にでも、目を通しておけ」


そう言って崇秀は3枚のCDを、コタツの上に出してくる。


なんだろうこれ?

なんか嫌な予感が沸々と沸いて来るんですけど……



「なっ、なにかな、これは?」

「なぁにな。今の俺が出来る、オマエへのフォローだ。ありがたく頂戴しろ」

「そうなの?……っで、結局なに、これ?」

「一枚目は、蓮田高校に入ってから3年間の勉強マニュアル。今のオマエなら、1年の夏休みまでに全部クリアー出来る筈だ。なんなら、中学3年の間に終わらせちまっても良いしな」

「あっ、あい」

「んで、もう一枚は、高校バスケの有力選手&中学の注目選手リスト。来年以降の中学の注目選手は更新が必要だから、それは自分でやれ」

「あっ……あい」

「そんで最後が、オマエの来年分のライブ予定表とメンバーの一覧。一応、学校行事と、クラブ活動には支障が出ない様にはしてあるが、急遽の場合は自分で何とかしろ。……以上。これで渡すものは、全て渡したから、今日明日は休憩だ」

「早くも鬼ですか?……」


……って、全然、鬼なんかじゃないよね。

これは、寧ろ、感謝すべき、神の恩恵ですよ。

だってさぁ、これって、高校入学してからの1年間の予定だもんね。

本来なら私が自分で考えて、企画する時間を削減してくれてるって事だもんね。


……にしても、相も変らず、用意周到なんだね。



「知らね。俺は、もぉ休憩に入ったから、なにも知らね」

「ぷぅ!!……」


なんて膨れてみました。


だから、無視してよそ見するのは辞め様ね。


相手して、相手。


折角の休みなんだから、もっと構って、構って♪

眞子と遊ぼ、眞子と遊ぼ♪


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

 最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


こりゃあもぉ眞子は、どうやっても崇秀と言うメビウスリングから抜けられそうにないですね(笑)

まぁ実際、男女問わず、これだけ自分の事を理解してくれる人間が居たら、そりゃあ離れられなくもなるってもんですがね。


……にしても眞子、崇秀が相手だとデレデレですね(笑)


さてさて、そんな順風満帆な恋愛を送る眞子なのですが。

今回のお話の最後で、なにやら2人は休日を満喫する事に成ったみたいなのですが……大丈夫なのでしょうか?


人物が人物なだけに、なにかありそうな気がしてならないです。


そんな訳で次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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