第一章・第五十二話 Mako`s heart(眞子の心情)
914 凹みながらも強欲になってしまう私
第一章・第五十二話【Mako`s heart(眞子の心情)】が始まるよぉ~~~♪
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
前回の倉津君と崇秀のやり取りを見て、眞子は今、何を思うのか?(笑)
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052【Mako`s heart】
『いやはやいやはや、真琴ちゃんも、崇秀も凄いよね。前回は、凄く感心させられちゃったよ』
……ホント、まいちゃうよね。
【2人の見えない絆】って言うか。
あの2人の完璧なまでに構築された信頼関係には、もぉホント目玉が飛び出す位ビックリしちゃったよ。
例え長年の付き合いであったとしても、あれだけお互いを信用し合える関係って早々築けないっと思う。
元真琴ちゃんであった私から見ても、この関係は凄く羨ましく思える。
何故、こんな風に私が感じるのか?って言うとね。
女の身に成ってしまった私じゃあ、必要以上に沢山の打算が働いてしまい。
さっきも、あの2人の会話の中には、全然入って行けなかったからなのよ。
まるで、さっきは『私だけが、別世界にでも飛ばされてた』様な気分になっていた。
……まぁでもね。
そんな中にあっても崇秀は、現実に有った事や、全く無かった事を無理矢理脳内で組み上げて見事なまでに新しい設定を作り上げ。
真琴ちゃんに対して沢山の嘘八百を並べてはいたけど、それは何処まで行っても、真琴ちゃんの今後の私生活を想っての事。
私が横で話を聞いていても、これは自体は、決して、崇秀が悪い事をしているとは思えなかった。
あぁ言う、真琴ちゃんにとって都合の良い記憶を植え付けてしまえば。
今までの記憶が無い事や、残留していた記憶なんて物は遥か彼方に吹っ飛んで、今後は順風満帆な私生活を送れるであろうからね。
だって現実的に見ても、私の立場がクローンで、真琴ちゃんが本体っと言う事はだよ。
本来あるべき状態とは『真逆の立場』にはなってしまったんだけど。
今までの経過を全て受け入れてきた私と違い、今の真琴ちゃんは1年間の記憶が無く、精神的にも凄く不安定な状態。
そこに『オマエはクローン人間だ』なんて言われたら、間違いなく綺麗に精神が崩壊しちゃって、タダでさえポンコツな真琴ちゃんの頭が余計おかしくなっちゃうからね。
これは、世間的にも迷惑な話だから、それを阻止したあの嘘は、誰にとっても有用な物だったと考えるのが順当だと思う。
しかも、あの崇秀の吐いた嘘は、恐らく、その全てが真実に変わって行く筈。
何故なら、この私の女性化問題に関わってくれた人間さえ、この話に全員が納得して受け入れてくれれば、これはもぉ嘘でもなんでもなく、ただの真実でしかないからね。
【こうやって真実は、嘘によって塗り替えられる】なんて事は、よくある話。
実際、真琴ちゃん自身も、なにもかもを100%の納得出来た訳ではないだろうけど70~80%ぐらいの納得は出来ていた様子だったしね。
勿論、例の女の記憶が残留していた為に、最初は色々と疑いはしたものの。
結果的には、崇秀の言葉の大半を信じて、ある程度納得して、私の存在すらも認めてくれてた。
これは勿論、崇秀の今までの実績や知識の高さが、そうさせたものなんだけど。
それでも普通は、こんな奇妙奇天烈な話を、中々此処までは受け入れられないと思う。
だけど真琴ちゃんは、崇秀の言葉を信じた。
コチラでも真琴ちゃんと、崇秀の間には、そう言う関係が上手く成立しているからこそ成し得た事なんだろうね。
ホント、呆れる位お互いの信頼度が高い。
あぁ……序に言えばね。
この一連の崇秀の見事な嘘はですね。
私事、向井眞子にとっても有用な物で、あの話を聞いた真琴ちゃんは、良い意味での哀れみを感じて貰えたと思う。
此処は、私と、真琴ちゃんの今後の関係を、崇秀が早期に構築してくれたと考えるのが順当なライン。
立場自体は逆転したけど、このお互いにとって、より良い関係を構築してくれた嘘には、もぉ感謝の念しかもう浮かんでこない。
……でもね、これだけ良い事づくめは筈なのに、私の心は少し悲しんでいた。
さっきも言ったけど、私が元倉津真琴であった筈なのに、私には、もぉこの辺の真琴ちゃんと崇秀の感覚がイマイチ解らなくなってしまっているから……
女性として過ごしてしまった日々が、あまりにも長すぎて、男同士の友情が、一体、どういうものだったのか?すらも、もぉ殆どと言って良いほど解らなくなってきている……
恋愛対照として崇秀を見始めてからと言うもの、真琴ちゃん同様、崇秀に対する『絶対的な信頼』は、なにも変わらないんだけど。
それは……真琴ちゃんの様に真正面から崇秀を見ているものではなく。
何処まで行っても崇秀を、女としての感覚だけで捉えた物であって『この人に尽くして上げたいから信用する』とか『一緒に居たいから、必死になってる』とか言う女性の独占的な感覚の方が占めてしまっている。
友情ではなく、愛情でしか捉えられない。
そう言う風に打算でしかモノが見れていない様になってしまっている自分に、少しだけ悲しい気持ちになっていた。
そしてそれは同時に、もぉ本当に、自分は1人の女性でしかないのだと思い知らされた。
なんか、そこが喜ばしい事だと思える反面、凄く寂しくもあり、非常に複雑な心境に成ってしまっている。
そぉ……こんな奇妙な心境になると言う事は、恐らく私は、厚かましくも、まだ眞子でありながらも、真琴の立場でもあり続けたいっと言う風に、崇秀に対しての両方の立場を欲しているのだろう。
浅ましい……悲しい程に私は浅ましい。
どうしても私は、崇秀の全てを自分1人だけのものにしたいのだろう。
それにしても……なんで此処まで、元男の私が、崇秀を好きになったんだろうか?
思い当たる節が1つだけ有るんだけどね。
・・・・・・
あぁそうだ、そうだ。
そんな私の浅ましい心境とは別に、どうしても1点だけ報告しなきゃいけない事があったんだ。
さっきまでの真琴ちゃんと、崇秀の会話の件なんだけどね。
崇秀が持ってる長時間話せる特殊な携帯電話を使って、あの会話は、全部、奈緒ネェに筒抜けになってたのね。
こうして置けば奈緒ネェも、今の真琴ちゃんの設定を完全に把握する事が出来るからね。
忘れそうだから、それだけ言って置くね。
……ってな訳で、これで全ての現状報告はお仕舞。
また此処からは私が凹んだ状態に戻ってスタートしてしまいますが……こんな情緒不安定な始まり方で、本当にごめんね。
もぉ、なんでこう精神状態が安定してくれないんだろう……
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子……またしても、中々困った思考に嵌ってしまいましたね(笑)
まぁ普通なら、男性は男性として生き、女性は女性としての性別を全うするものですから、こんな状態にはならないんですが。
眞子の場合、元が男性だった女性なだけに、どうしても愛情と友情っと言う両方の立場を欲してしまっている様ですね。
特に崇秀とは、長い期間友情を育んできましたので。
それを、自分とは言え倉津君に奪われてしまっている様な感覚に陥ってしまっているのかもしれませんしね。
そのせいで、恐らくは、こんな情緒不安定な状態に成ってしまっているのでしょうしね。
まぁけど、これを見る限りでは、眞子自身の考えが女性寄りな考えに成っているので、まぁ良い事と言えば、良い事なのかもしれませんがね。
さてさて、そんな中。
こんな状態の眞子を見た崇秀が、なにも気付かない筈もなく。
次回は、その眞子の心理を、崇秀が考察していく流れに成って行くと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
どうにもややこしい話が続いて、ホントすみませんです<(_ _)>
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