909 崇秀のアホンダラァの言葉には納得せざるを得ない遠藤さん
偽造戸籍を作ってまで眞子の存在を世に知らしめたのは『倉津組を、自身のGUILDに吸収する為』だったと嘯く崇秀。
だがそれは、眞子が倉津姓から向井姓に変えた事で、全てがお釈迦に成ってしまったとも言う。
それを聞いた倉津君は、少し焦って……
***
「オイオイ、じゃあ眞子は、どうなるんだよ!!まさか用済みだからって使い捨てにする気じゃねぇだろうな!!そんな真似は絶対に許さねぇぞ!!」
「アホか?なんで気に入って付き合ってる自分の彼女を、そんなクッソクダラネェ理由の為なんぞに使い捨てにせにゃ成らんのだ?アホなのかオマエは?死ね!!カス!!ボケ!!ムシケラ!!」
「クダラナイって……」
「いや、遠藤さん、この話は十分クダラナイ話ですよ」
「どっ、どうしてだい?倉津組は何代も続く広域ヤクザだよ。流石にクダラナクはないでしょう」
「そうッスかね?俺の見解じゃあ、倉津組程度の組なら、探せば世界中に幾らでもありますからね。なら、別に倉津組に固執する必要性なんてものは無いんですよ」
「どういう事だい?」
「なぁにね。さっきも言ったけど、俺の才能を欲しがる人間は世界中に五万と居る。特に利潤を重視する昨今のヤクザやマフィア関連の人間なら、それは顕著に表れるでしょうしね。なら、特別、倉津組である必要性なんてもの何処にもないんですよ。俺としちゃあ、自身を守れるなら、別に誰と組んでも問題ない訳ですしね」
かぁ~~~~!!マジで、この野郎だけは……
代々続く倉津組を、これ程までに軽んじる奴は初めて見たぞ。
これでもウチの組は、日本でも十指に入る老舗の広域ヤクザの組なんだぞ!!
それを、そこら辺に転がってるオモチャを使い捨てにするみたいな扱いをしやがって。
なんて野郎だ……
「まぁまぁ、そんな訳なんで、偽造戸籍の件も含めて、眞子を疑う必要は1%も無いッスよ」
「がぁ!!」
あぁ……あんなに眞子を疑ってた康弘の奴も、この馬鹿の発言には呆気にとられちまいやがったな。
しかも、あれ程のデカイ問題だと思われていたものが、コイツのコツコツと積み上げてきた馬鹿げた実績だけで、全てが瞬時に解決しちまいやがったよ。
化け物は、やっぱ一般人の感覚とは掛け離れた所にあるんだな。
マジでコイツだけは有り得ねぇ存在だな……
「……って事だからよぉ、話はこれで終わり。眞子、話が済んで、少々腹が減ったから飯を作ってくれ。レシピの13ペ-ジで頼むわ」
「あっ……あぁ……うっ、うん」
マジで、なんにも感じてやがらねぇし……
これじゃあ、俺は勿論の事、次期ヤクザの組長の康弘や、万能戦士眞子までもが完全に形無しだな。
魔王……恐るべし。
マジでブッ壊れ過ぎだろ……オマエ。
***
……っで、この後だな。
崇秀の注文に従って眞子は、またまた飯綱と呼ばれる子を従えて台所へ行き、崇秀の食事を作り始めた。
俺は既に、今日奈緒さんの家に来てから、3回目の飯だ。
……ぐぇっぷ。
まぁ、その眞子が台所で調理してる間に、康弘は、眞子を疑ってた事が相当グツが悪かったのか?
それとも、崇秀から自分が納得出来る様な満足のいく回答を得たのかは解らないが、
キッチンに行った眞子にキッチリとした謝罪をした後、外に待たせてあった困った真っ黒な外車BMWに乗って、自宅にスゴスゴと帰って行った。
……そんで、モノの30分位で食事も終わらせる。
「ほぉ、少しは料理が上手くなったじゃねぇか」
「そっ、そうかなぁ?」
眞子が満面の笑みで照れてやがる。
これはこれで、なんだかムカツク光景だな。
眞子程の女でも、この糞魔王にはメロメロじゃねぇかよ!!
この糞エロ魔王だけは……全く持って腹が立つ。
「あぁ、上等だ。……さて、腹ごしらえも済んだ事だし。そろそろ本題に移ろうか?」
「えっ?なんの?」
オイオイオイオイ、ちょっと待て、そこのアホンダラァの人!!
また良からぬ事を言い出しそうな雰囲気を醸し出してやがるんだが、オマエさんは、これ以上、一体、なにを言い出す気なんだ?
またおかしな事を言うなら、もぉマジで辞めでぐれ……
「……っと、その前にだ。神楽」
「うん?なんやぁ崇秀?」
「オマエ、悪いけどさぁ。今日、俺が予約したホテルに泊まって来てくれねぇか?この2人には、どうしても言って置かなきゃならない事がまだあってな。……それはGUILDの秘匿事項なんだよ」
「ウチが居ったら……アカンの?」
「いいや。別に構わねぇけどよぉ。出来れば、席を外して欲しい。そんな情報の漏洩云々よりも、オマエには、あまり聞かせたくない話なんでな。……なぁ、遠藤さん」
そう言って崇秀はコタツの裏に仕込んであった『盗聴器』を発見したのかして、それを『ブチッ!!』と潰した。
序に康弘が持って来た蟹の発泡スチロールの箱や、蟹の殻まで、全て、わざわざ外のゴミ箱に捨てに行きやがった。
それにしても康弘の奴……いつの間に、こんなものを……
「なるほどねぇ。……そう言う事情やったらえぇよ。崇秀が困るんは、よぉないからな。ほな、お言葉に甘えさせて貰って、ウチはそのホテルとやらに行かせて貰うわ」
「悪ぃな、神楽」
「気にせんでえぇよ」
そう言って、神楽と及ばれる子は、そのまま素直にホテルに向かって出て行った。
……ッて事はだな。
まさかこの子も、崇秀狙いなのか?
もぉコイツは、ドンだけ女からモテれば気が済むんだよ……
***
……そんで、その姿を見送ったら、即座に崇秀が話を開始し始める。
しかも、その話ってのが……
「さて……倉津」
「なっ、なんだよ?」
「今から、オマエが一年間失踪しなきゃいけなかった真相を全て教えてやるから、その腐った耳をかっ穿ってよく聞きやがれ」
はい?
いやいやちょっと待て、ちょっと待て、今オマエ、なんつったよ?
俺の聞き違えじゃなきゃ、俺が失踪した原因とか言わなかったか?
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
崇秀の付いた嘘。
普通なら罷り通らない様な嘘でも、多大な実績があるイカレタ崇秀が話すと、それが現実の様に錯覚してしまい。
遠藤さん……簡単に説得されてしまいましたね(笑)
これが実績のある人間の説得力。
特に崇秀は、常日頃から一般人には理解不能な行動を沢山取っていますので、これは遠藤さんも納得せざるを得ない場面なんでしょうね。
さてさて、こうやって遠藤さんの眞子に対する疑いが漸く晴れた訳なのですが……これで終わらないのが崇秀。
此処からは倉津君の説得に移って行く訳なのですが。
果たして今度は、どの様に話の構成で倉津君を納得させるのか?
次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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