894 学校での倉津君帰還の反応
眞子ちゃんの活躍してた話にウンザリした後、ビールを飲んで爆睡。
それで目覚めた後は、山中君をコンパチで起こした事が原因で復讐されながらも、アルコールの匂いを消し、学校に向かうアホ2人組であった。
***
……んで、学校に到着してみたら、校内がなんだか妙に慌しい。
そこには、約1年前に俺が通っていた時の様な、いつもの平穏な学校の風景など無く。
何故か、何所や彼処に土方の兄ちゃんや、職人のオッサンが大量に出入りしている状態に成っていた。
うん?なんじゃこりゃ?
・・・・・・
あぁ……って、焦ってみたものの。
なんだぁ、一瞬『学校の改修工事でもしてるのか』とでも思ったんだが、なんの事はねぇ。
こりゃあ、業界人や業者が出入りする、ウチの中学校恒例の『大人の欲望に塗れた文化祭』の準備だぁな。
……けど、去年と比べて、今年は、ちょっと規模が小さいみたいだな。
一応、校庭にライブステージとかはあるみたいだけど、前年に比べて、ちょっとショボイ感じが否めない。
当然、それに伴って、街道でも出店の準備なんかをしてる様だが……こちらも、去年の半分位で、かなり少ねぇみたいだしな。
この様子からして、今年は、この学校に仕切りを入れる奴が居なかったって事か。
マジ情けねぇなぁ。
誰か率先してやれつぅの!!
……つぅかよぉ。
あの万能戦士眞子とか言う奇妙奇天烈な女が、この場を全部仕切れば良かったんじゃねぇのか?
……ったくよぉ、意外と使えねぇ女だな。
その眞子ちゃんとやらもよ。
ケケケッ……
(↑久しぶりに調子に乗る俺)
***
……まぁそんな感じでだ。
校庭をタラタラと文句を言い持って、3時間目の休憩時間ぐらいには教室に到着するんだが、流石は、お祭り好きが集まってる3-B。
教室内が、明日の文化祭に向かって、結構慌しく動いてる。
まぁ……やってる事が、去年と、あまり代わり映えのしない『現役アイドル衣装喫茶』っていうのは少々ガッカリだが、クラスが一丸となって、何かの目標に向う姿は、矢張り、実に悪くない。
クラス自体が、そんな慌ただしい状態なんで。
どうせ、俺が入って行っても、大して騒ぎに成らないと思い。
教室に入った瞬間も、あまり目立たない様に「うぃ~~~っす」とだけさり気なく声を掛けてみた。
なんせ俺はアメリカから帰ってきたままなので、私服での登校だからな。
……まぁそうは言っても。
土方のニィチャンや、職人のオッサンが沢山学校に居てくれたお陰で、あんまり目立たなかったけどな。
「うぃ~~~っす」
「おぉ、みんな!!マコの御帰還やで!!盛大な拍手で迎えたってやぁ!!」
あっ!!この馬鹿!!
余計な事を言って、俺を無駄に目立たすんじゃねぇよ!!
俺はなぁ、誰にも気付かれずに、さり気なく、この場に居ようとしてたのによぉ!!
ホント……この馬鹿だけは、余計な事をしてくれやがるもんだ。
「えっ?まこ……真琴君!!まこっ、真琴く~~~~ん!!」
「ちょ!!ちょっと、待て待て、素直!!落ち着……ぐぇ!!」
はい、もぉお解りですね。
素直のアホタンが、俺に気付いた瞬間。
目に一杯の涙を溜めながら、作業していた手を直ぐに止めて。
コチラをジッと見ながら、フラ~~~っと不意に立ち上がったと思ったのも束の間。
その次の瞬間には、俺、目掛けて猛然とダッシュ!!
その上、最後には、ある程度の距離になったら、飛びついて来やがったよ!!
「真琴君!!真琴君!!」
「ぐぉ……あど、ずなおざん……ぐびが、じまってるんでずげど……」
「うわ~~~ん!!うわ~~~~ん!!真琴く~~~ん!!何所行ってたんですか!!心配してたんですよ!!真琴く~~ん!!真琴く~~ん!!」
「いや、あど、マジでじぬ。……ぐびがじまって、がるぐ、じぬっでばよ」
抱き付くのは良いが、俺の首がモロに絞まってるっての……
そのオマエの細い腕を、俺のクビに絡めるなつぅの!!
このままじゃあ、久しぶりの再会なのに、永遠のさよならの挨拶になっちまうぞ!!
殺す気か!!
……でも、あれですな。
相変わらず、オッパイデケェなオマエさんは。
つぅか、前より、またデカク成ったんじゃねぇか?
ポニョポニョじゃんかよ。
(↑こんな状態でも下衆は健在)
「うわ~~~ん!!うわ~~~ん!!……ひゃ!!」
「ハァハァ……落ち着け、頼むから落ち着いてくれ素直!!ハァハァ……俺を殺す気かぁ!!」
オッパイに抱かれて死ぬのは、男としては本懐・本望なんだろうが。
基本的に死ぬのは、まだ嫌なので強引に引き剥がした。
でも……ポニョポニョおっぱいゴチ。
(↑矢張り、下衆王子健在)
「オマエなぁ……」
「あぁ、ごめんなさい!!僕ったら、余りにも嬉しくて……大丈夫でしたか、真琴君!!」
「いや、まぁ、俺は大丈夫ではあるんだがな。オマエ、周りがドン引きだぞ」
「あっ……はうぅぅ~~」
あぁ……恥ずかしさから顔を真っ赤にして、その場にしゃがみ込んで、ちじこまっちまったな。
コイツも相変わらずだな。
感情が前に出たら、暴走特急も良い所だな。
……とか、如何にも冷静な事を言ってるが、勿論、素直の大きくも柔らかいおっぱいに反応してチンコはビンビンだ。
もぅ少しで、例の波動砲がエネルギー充電120%で打ち出される寸前だったからな。
はははっ……一年も溜め込んでりゃ、そんなもんだ。
そんなアホな事を思ってたら……
「お久しゅうございます、真琴様。琴美を憶えておられますか?」
今度は木根が話し掛けて来たんだが。
オイ……木根。
イキナリで悪いんだがな。
『なにキャラだよ、それ?』
何所でキャラクター性を間違えたら、そんな訳の解らん酷いキャラクターに成るんだ?
前までは、まだ、語尾に『~なの』が付いてるだけの軽傷だったのに、今は謎の京都弁を話す訳の解らないキャラに成ってんじゃねぇか!!
オマエ……この1年間で、一体なにが有った?
「オイ、木根。一応聞くがな、なにキャラだよ、それ?」
「琴美の事を憶えておいででしたかぁ。琴美は嬉しゅうございますなぁ」
「いや、聞けな。……人の話を、ホント聞けな」
オイオイ、またまた、木根のポンコツ化が進んでるじゃねぇかよぉ。
これは一見しただけでも、絶対ダメだって解るキャラクター性なんだからよぉ。
クラスメイトなら、誰か1人ぐらい木根を注意してやれよな。
これは放置したら不味いレベルだぞ。
「それはそうと、真琴様は、どちらにおいでになられてたのでありんすか?」
「何処に行ってた?なぁ……まぁ、言うなれば。あの世と、この世の境だな」
「それは、大変なご苦労でありんしたね。良くぞ、お帰り下さいました」
「オイ、木根……もぅ一回言うけどな。それ、多分、外れキャラだぞ」
「なんの事でありんすか?琴美には、よく解らないでありんすぅ~~」
もぉ……ポンコツ過ぎるぞ、オマエ。
誰かに手を繋いで貰って、オートバックスに連れて行って貰え。
そんで、そこで細部まで事細かにシッカリとメンテナンスして貰って来い。
修理費は、一応、俺が全額負担してやるから……
キャラの勘違いは哀れ過ぎんぞ。
……っとか言ってる間に、クラスの全員が、ぞろぞろと俺の周りに集まって来てくれる。
しかもな。
予想外にも、みんなが口々に『お帰り』って言ってくれんだよな。
オイオイ、マジかよ。
「琴ミンは、後で、オートバックに行こうね。……ってか、お帰り、倉津君」
「おぉ、由佳か。久しぶりだな」
「いや、久しぶりも、なにも、倉津君が、一方的に行方不明になってただけだから」
「まぁ、そう言うなよ。俺にだって、少しぐらいなら事情ってもんが有るんだからよぉ」
「事情って、なに?さっき生死が、どうのこうの言ってたけど。それが関係してる?」
おっ、伊藤も来たな。
「まぁな。……なんて言ったってよぉ。一年間の記憶が丸々ねぇ上に、その間、病院のベットの上で昏睡してたらしいからな。またどこぞで余計な事をして、生死でも彷徨ってたんじゃねぇの」
「ブッ!!また、なんでそんな事に?」
「知らん。解らん。全く持って、俺自身が意味不だ」
まぁ、俺の予想としてはだな。
ニューヨーク辺りで、また不良相手にイラン事をして、普通は遭わない様な馬鹿なトラブルにでも巻き込まれたんじゃないかなぁって思っとるわけだ。
若しくは、マサチュ-セッツに住む、あの奇怪な生き物に人体実験でもされたんじゃねぇかなって感じだな。
多分、理由としては、その辺りが順当なラインだと思うぞ。
「うわ~~~っ、相変わらず無茶苦茶だね。でもさぁ、こうやって帰って来てくれたんだから、一安心と言えば、一安心だよね」
「本当だよ。クラス全員が倉津君の事を心配してたんだからね」
「伊藤まで、マジかよ……」
うおぉ~~~っ!!もぉ、みんな、マジで、なんて良い奴達なんだよ!!
俺みたいな、世の中に害しか成さない糞人間を心配してくれてたなんて、神かオマエ等は!!
……おぉそうだ、そうだ。
そう言えば、オマエ等、文化祭の準備の途中だったよな。
疲れてるんなら、なんか差し入れでも買ってこようか?
なんか飲むか?
幾らでも、神へのお供え物をさせて貰うぞ。
「ホントホント。2年の最後の学期に『倉津君が行方不明になった』って聞いた時なんて。素直チンなんか、仕事をキャンセルしてまで探しに行こうとしてたんだよ」
「えぇ~~~っ、マジでか!!う~~~わっ、知らず知らずとは言え、なんか悪い事したな」
「そうですよ。いっぱい心配したんですから……」
下で小さく丸まってる素直が、ボソッと、そんな事を言って来た。
まだ恥ずかしいのか、立ち上がる様子は一向に無いけど、素直の熱い気持ちだけは伝わってくる。
けど、俺……こんなに、みんなに想って貰えてるなんて幸せすぎるな。
「悪ぃな。けどよぉ、この一連の失踪。なにも悪気があった訳じゃねぇんだぞ。俺だって、訳がわかんねぇんだからよぉ」
俺がそう言い放つと、素直は漸く立ち上がって、泣いて目を真っ赤にしながら。
こう言ってきた。
「あぁ、はい。行方不明の理由も朧気ながら解りましたし。真琴君が帰って来てくれたんで、もぉ良いです。僕は凄く満足です」
「よぉよぉ、愛されてるねぇ、クラッさん」
「まったくだ」
「おぉ、カジ!!グチ!!なんか、色々迷惑掛けたみたいだなぁ」
あぁっと。
コイツ等とは、バンドの件があるから、さっさと謝らねぇとな。
一番迷惑を掛けたと言えば、実際は、コイツ等が一番迷惑を被ってるだろうからな。
「はぁ?ざけんなよ、クラッさん。なにを今更、調子の良い事を言ってんだよ。散々、人をバンドに誘って置いて。行き先も言わずに何所かに行って『記憶喪失』だと?なんだよ、それ?ざけてんのか?」
あぁ……そりゃあ、こんな訳の解った様な解らない様な事実じゃ、誰だって怒るわな。
自分から『バンドをやろうぜ』って誘って置いて、結成一ヶ月ちょっとで、何所へ行ったとも解らねぇ様な行方不明じゃ、理由としても話にならねぇもんな。
他のみんなが気持ち良く受け入れてくれてたからって、ちょっと調子に乗りすぎてたな。
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
みんな心配してくれてたのかして、倉津君の帰還には歓迎ムードでしたが。
矢張り、バンドの件があるだけに、カジグチ君達は、歓迎するよりも先に何か言いたい事があるみたいですね。
まぁ、此処はそうなって当然でしょう。
さてさて、そんな訳でして。
次回は、そのカジグチ君の言い分を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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