892 眞子は嫌味の詰まった革袋

 本人がどうあれ、世間から見れば常識を超えた活躍をしていた眞子。

それを聞かされた倉津君は、目ん玉を飛び出させながら『なんじゃそりゃあ~~~!!』状態に( Д)゜゜


***


「……のぉマコ。仮に聞くけどな。それで勉強も出来たら腹立つか?」

「あぁ、多分滅茶苦茶腹が立つな。スゲェ殺意を抱いて100%惨殺したくなる様な心境になるだろうな」

「そうか。ほな、早速、その殺意とやらを増やさせてもらおか」

「オイオイ……まさか……その言い方って」

「そう言うこっちゃ。眞子ちゃんはな。実家が在った秋田からウチの学校に転入して来てんけどな。入って直ぐにあったテストでイキナリ学年1位の実力や」

「ブッ!!」

「それにやな。なんや聞く所によっちゃあ。自分の高校受験の勉強になんかは眼中にないらしゅうてな。最近では、クラスメイトの勉強をみてる程の余裕があるらしいで」

「なぁ、山中……ソイツ、早く死ねば良いのにな」


楽器が出来るだけじゃなくて、勉強まで出来るだと……もう既に意味が解らん。

大体にして、世の中に、こんな崇秀みたいな馬鹿は2人もイラネェつぅのな。

頼むから、さっさとどっちか死滅しろ。


世界に蔓延る迷惑な病原菌共め!!



「……のぉマコ。これも序に聞くけど。それでスポーツ出来たら腹立つか?」

「もぉマジで勘弁してくれよぉ。……その話を聞く前から、俺のヒットポイントは、もぉ優に0だぞ」

「ほな、しょあないな。そこはマイナス修正で行ってみよか」

「止めてくれ……」

「諦めて最後まで聞け。眞子ちゃんはな。アメリカのシカゴであった3on3の全米大会で優勝しよったんや。しかも、圧倒的な火力でな」

「なぁ……なんで世の中、こぉ不公平なんだろうな。俺なんか、どうしようもないボンクラで、ポンコツヤクザの息子なのによぉ」

「あぁ、そう言やぁ。その大会には真上ちゃんも一緒に出場しとったらしいで。それやったら真上ちゃんもOUTか?」


あぁ……そうなんか。

真上さんってバスケするんだな。

だったら、そのバスケをする神々しい真上さんのお姿を、是非一度は拝見したいものだな。


スポーツでキラキラと汗を流す真上さん。

うんうん、これ程絵になる光景は、世界中の何処を探しても早々にはないだろうしな。


寧ろ、それが絵画に成るんだったら、ルーブル美術館に飾るべき一品に成ると思うぞ。



「馬鹿言うなよ。あの人がOUTな訳ねぇだろうが。あんな滅茶苦茶良い人、世の中には早々居ねぇんだからよ。寧ろ、世界中の奴等が彼女の生存を希望してる。故に、真上さんには死なれちゃ困る。けど、その眞子って女は、早々に死んでも良いわ。……つぅか、寧ろ、死ね!!クタバレ!!」


くそぉ~~~!!

なんでもかんでも出来る程の才能独り占めしやがって。

なんて羨ましくも、厚かましい女だ。


そんなに沢山の才能を持ってるなら、俺にも、なんか1つぐらい才能くれ。


プリーズ!!


プリーズ!!



「おいおいマコ。流石に『死ね』とか言うたるなや。それで居て眞子ちゃん、メッチャえぇ子やねんぞ」

「オイ、ちょっと待て!!……まさかとは思うが、ソイツ、性格まで良いとか言うんじゃねぇだろうな?」

「まぁ、基本的に厳しい所もあるけどな。本質的な所を言えば、真上ちゃんに似た性格やな。人の面倒も、よぉ見てるし。自分にも厳しい子やで」

「あぁっそ。……けどよぉ、最終的な話で言えば、見た目がスゲェ悪いんじゃねぇの?どうせ、そんな女だから、顔が強烈にブスなんだろ。……いや、もぉ頼むから、せめてそこだけはブスであってくれ」


頼む!!


この際だから、そこだけは俺の願望通り『強烈なブス』であってくれ。

それなら気持ち的にも、半分ぐらいなら納得出来る範囲に早変わりするからよ。


まぁ、女性の見た目の事で、どうとかこうとか言うのは好きじゃねぇんだがな。

此処まで完璧に来られると『なにか欠点があって欲しい』っと言う卑屈な願いをしてしまうのが、一般市民の悲しい思考ってもんなんだよ。


だから再度頼む!!

ルッキズムに狂うフェミニスト集団に責められても良いから、この願い……神に届け!!


信仰してねぇけど。



「残念やなマコ。もぉ見た目も抜群で、無茶可愛い顔してるで。しかも、胸も適度におっきいしな。スタイルも抜群やで」


・・・・・・


やっぱ、このパターンから言っても、そうなるよな。

特に俺は、神さんを信仰してねぇから神に祈ってもダメだったな。


無念!!



「なぁ……山中……もう一回だけ聞くけどな。世の中、あまりにも不公平過ぎやしねぇか?なにそいつ?なんなのソイツ?嫌味にも程があるな。嫌味の詰まった皮袋かなんかなんじゃねぇの?」

「まぁ常識を越えてる奴は、大体そんなもんや。あれは間違いなく、神様がなんかの手違いで才能を詰め込み過ぎたパーフェクト超人やな」

「あぁ~~~もぉ~~~山中~~~~、もっとビール飲もうぜぇ~~……ヤルセね!!ってか、もうやってらんねぇ!!」

「まぁ賛成やな。……そやけどオマエ。どのみち、眞子ちゃんとは縁がある筈やで。諦めて、明日学校ででも逢え」

「嫌だぁ~~~そんなイカレタ奴になんか逢いたくねぇ~~~!!」

「諦めろ。眞子ちゃんは今、奈緒ちゃんの家に今住んどるから、どうやっても100%縁ありや」

「オイオイ、嫌過ぎるな。……マジ逃げれねぇ~~~!!」


俺……多分、ソイツの事が嫌いだ。

本音だけを言えば、絶対に顔も合わせたくねぇ。


死ね!!もぉマジでクタバっちまえ!!


***


「ぷちゅん!!」

「なんや眞子?風邪か?」

「わかんない。……風邪かなぁ?ぷちゅん!!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


まぁ、そう成りますよね(笑)

眞子本人は天然だし、評価の基準が崇秀なので、そこまで自分が活躍していたっと言うの自覚はないのですが、世間から見たら、もぉ滅茶苦茶も良い所ですからね(笑)


ただまぁ倉津君。

それを聞かされたからと言っても、やけに成ってビールの吞み過ぎだけは注意しましょうね。


未成年の飲酒はダメですぞ(笑)


さてさて、そんな感じで眞子の全貌を聞かされた倉津君なのですが。

この後は、そのまま山中君の家で寝てしまった様なので、次回は場面転換と成ります。


さてさて、このアンポンタンは、大人しく家に帰るのか?

それとも……


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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