884 構築すべき2人の関係
眞子自身が、今の倉津君との接し方を模索してきた中。
眞子の出した答えは『なんでも言い合えるステラさんと倉津君の様な関係』
果たして、それは上手く行くのか?
***
「そっか。……じゃあ、早速で悪いんだけど、ちょっと相談させて貰って良い?」
「おっ?なんだよ?なんかあるんか?」
「うん。ってか真琴ちゃんってさぁ、奈緒ネェとは、何所まで行ったの?」
「へっ?」
「Hした?」
「ぶぅぅ~~~!!なんだよそれ?なにを相談して来るのかと思ったら、そんなの全然相談じゃなくて、完全に俺に対する質問じゃねぇか!!しかも、俺には『言えない事情がある』とか抜かして置いて、自分は思いっきり人のプライベートな事に突っ込んでんじゃねぇかよぉ!!」
ぷぷっ……なにこれ?面白い。
男女の粘膜の接触ぐらいで、そんなに激しく動揺しなくても良いのにね。
それに私は、奈緒ネェの妹だよ。
そんな大好きなお姉ちゃんの事情を、私が知らない訳ないでしょ。
まぁ……全面的に、処女の言うセリフじゃないですね。
一生処女確定してるクセに、生意気言って、すみませんでした。
「いやいや、これは正式な相談だよ。奈緒ネェの事が心配で堪らないから、こうやって真琴ちゃんに聞いてるんだもん」
「いや、まぁ、そう言われりゃあ、そうだろうけどもだ」
「まぁ、そうは言ってもね。奈緒ネェの事だからSEXをしてるのは当然だとしても。そこで真琴ちゃんが変な性癖持ってないかが心配なんだよね。SMとか、スカトロとかに嵌ってたら大変じゃない」
精神的なものと、青山さんの一件ね。
私の記憶が正しかったら、あの病院での出来事の際、コソッと青山さんがオシッコを漏らしたパンツをGETしようとしてた気がするから。
今の真琴ちゃんにも、そう言う気質が残ってるんじゃないかなぁって思う訳ですよ。
その辺は大丈夫?
って言うのも。
今の私には、もぉそう言う男の人の感覚が、いまいち解らなく成って来てるからなんだけどね。
この真琴ちゃんは、その辺大丈夫ですか?
「コラコラコラコラ!!何を言うかと思えば、俺は、そこまでのハードプレイヤーじゃねぇつぅの!!普通だ普通!!」
「そうなんだ」
「当たり前だろ!!奈緒さんとは普通のSEXしかしてねぇよ!!俺がヤクザの息子だからって、そう言う偏見に塗れた見解を持ってんじゃねぇよ!!」
「あっ!!……やっぱり、Hはしてたんだ。ふ~~~ん」
「コッ、コイツ、最悪だよ。……言葉巧みに俺を嵌めやがったよ」
「嵌る方が悪い」
「性格悪ッ!!」
いや、性格悪い以前の問題として……普通はね、そんな単純な罠には騙されないと思うんだけどなぁ。
真琴ちゃんって、私が思った以上に、凄い単純な設計で出来てるんだね。
此処でみんなが、真琴ちゃんをからかう気分が、よく解った。
多分、精神構造が『300円のガンプラ』並みの単純設計だよ、この人。
某電気量販店で買えば2割引の上に5%のポイントだから『228円』で買える、お手軽設計って事になるね。
子供でも作れそうな、お手軽な精神設計だね。
「まぁね。でも、性格が悪いって、最初から言ってるじゃない。それに『嵌めた』って言うけど、それにしても単純過ぎない?」
「うるせぇわ!!俺はオマエと違って純粋な人間なの。オマエみたいに性格が悪くないの」
「2回も言う程、そんなに……私の性格って悪い?」
すみません。
気付けば、また調子に乗ってしまいました。
なんで私って、こう直ぐに、自分の分を弁えずに調子に乗ってしまう癖があるんだろうか?
まぁ、こんな事を、元自分に言うのは変なのかもしれないけど、真琴ちゃんと話してると、ついつい楽しくなっちゃって、余計な事まで言っちゃうんだよね。
なんとも情けない話ですよ。
でも、真琴ちゃんに対してなら、こう言う行動もありなんじゃないかな?
多分、私との関係で、堅苦しい関係を望んでいる訳じゃないだろうしね。
まぁ、その辺の確信がない以上、此処は1つ、一応だけでも、凹んだ素振りだけはして置いた方が無難と思い、凹んだふりをしてる訳なのですが。
「いや、嘘嘘。オマエは、全然性格悪くない。俺に飯を食わせてくれる奴に、悪い奴はいない」
返って来た答えが、これですよ!!
私って、凄い判断基準で善悪を見極めてたんだね。
しかしまぁ、どう言う神経をしてたら、こんな原理が成立するんだろう?
「ぷっ!!なに、その判断基準?」
「いや、何って聞かれてもよぉ。俺って、ご存知ヤクザの息子じゃん」
「まぁねぇ」
「そんな堅気じゃない奴に好き好んで飯を食わせてくれる奴なんて、実際の話で言えば、神だよ神。だからオマエの性格悪くないって話だな」
ふむ、そう言う原理かぁ。
確かに、ヤクザの組長の息子である真琴ちゃんならではの独特な見解ではあるんだけど、その調子じゃあ、いつか人に騙されちゃいそうだね。
世の中には、私みたいな性悪の女が、沢山居るんだからさぁ。
そんな単純に、人を信用しちゃ……ダメだよ。
『コンコン』
そんな事を注意しようと思っていたら。
例の奈緒さんの家への専用口である、玄関の扉をノックする音が聞こえた。
恐らく、この様子からして、食事を作る前に電話した相手が、わざわざ家まで出向いて来てくれたんだろう。
話が話なだけに、電話口で済ます様な話じゃないし、相手方も、真琴ちゃんの姿を確認したいだろうしね。
……にしても、今さっき電話をしたばかりだと言うのに、相変わらず、行動を起こすまでの過程が早いなぁ。
そんな来訪者の為に、私は1言だけ真琴ちゃんに言葉を掛けてパタパタと玄関に向った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
なんか、この2人……お互いが初対面だと言うのに、ホント、仲の良い姉弟みたいな関係が成立しつつありますね♪
まぁ本心では、どう思っているか解らないですし。
倉津君自身が、女性である眞子に対して気を使ってる部分もあるのでしょうが。
眞子も眞子也に、今の倉津君との関係をシッカリ構築したいが為に、冗談交じりの言葉を発しているのかもしれませんね。
そぉ……この気遣いこそが『人間関係を潤滑に回す方法』
そして此処から、徐々に親密に成って行き。
今まで以上に冗談を言える様な関係に成って行けば、まさに『倉津君が求めてるであろう、眞子との関係が成立していくもの』だと思われます。
早い話『身内であっても、人間関係に近道はない』って話しでもありますね♪
まぁ、身内と言っても、この2人の場合は『かなり特殊』ですけどね(笑)
さてさて、そんな風に倉津君と眞子が関係を構築していってる最中。
どうやら、誰かが奈緒さんの家を訪ねて来たようですが……一体、どなたが来たんでしょうか?
そして、その人物の目的とは?
次回は、そんな来訪者を踏まえての話を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます