詩『プラネタリウム』

くずき憂人

『プラネタリウム』

遥か遠くに星が光るよ。

いつものように、いつもの場所に、

当たり前にあるよ。


ずっと、昔から変わらない。


何億光年遠くの星が、

何億年前と同じ光を送っているよ。


僕たちは星の光と生きてきたよ。

夜道に迷うときは、いつだって目印にしたよ。

いいときも、悪いときも、

どんなことがあっても光は届くと誓ったよ。


……


誰も星空を見上げなくなってしまったとしても。


……


近くの夜空に星が光るよ。

いつものように、いつもの場所に、

当たり前にあるよ。


ずっと、昔から変わらない。


手に届きそうなくらい近くの星が、

昨日と同じ光を送っているよ。


ベテルギウスのあの光は、

昔も今も、何億年先も、

ずっと、ずっと、ずっと、

僕たちに同じ光を届けてくれるんだ。


地球という天蓋の中で。

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詩『プラネタリウム』 くずき憂人 @kuzuki_yuto

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