日常続編

若と姫。平凡な日常生活に、予期せぬ試練と刺激を与えてくれる、南山之寿の宿命の強敵こども。『わたしは一向にかまわんっっ!』という気概で戯れるが、足元を掬われて深い痛手を負うこともしばしば。


本日は、若と姫との日常を振り返る一時。古いアルバムSDカードの中には、想い出が一杯な状態。若と姫が無邪気な笑顔の下に隠しているのは、悪魔の笑顔。ここから始まる、いつもの南山之寿の一人芝居。感情のないアイムソーリー。


秋の運動会シーズン。陽射しが弱いからと油断した南山之寿。夏に使い切ってしまった日焼け止め。もう、購入する必要無しとたかをくくった結果、眼鏡&マスク焼け。夏の日焼け再来。絶妙に気持ち悪いコントラスト。いっそのこと黒くなるかと日焼けサロンのサイトを覗くも、違う、そうじゃないと言いながら、閉じる南山之寿。


部屋でうつ伏せになり、休息をとる南山之寿。スマホの写真を確認。若の運動会、姫の運動会。日時が違うので、混ざらぬ様に仕分け。見せてほしいと近寄る姫。闘いのゴングが鳴る。南山之寿の背中に座り、頭を腕でロック、そして後方に引っ張る姫。首と背中に走る激痛。


『○姫 VS ✕南山之寿 (キャメルクラッチ)』


姫に空手を興味を持たせ様と企てる南山之寿。先ずは基本の正拳突き。自宅のリビングで、正拳突きの形を教える南山之寿。なかなか様になる姫。褒められて喜ぶ姫。闘いの狼煙が上がる。突きを手に当てさせていた時、急に指に走る激痛。正拳を開き、指を掴んでいた姫。これ以上は曲がらない方向に加わる力。


『○姫 VS ✕南山之寿(正拳突き→指固め)』


若に肩揉みを依頼する南山之寿。闘いの火蓋が切られる。肩を揉む若。力が足りないと感じる南山之寿。うつ伏せになり、背中を踏むように若に依頼。南山之寿の背中の上で足踏みする若。丁度良い重みに喜ぶ南山之寿。褒美小遣いをあげると言うと、背中で飛び跳ね喜ぶ若。直後に、足を滑らす若。体勢を崩し、若が倒れる瞬間、背骨に感じる激痛。


『○若 VS ✕南山之寿(エルボードロップ)』


大人の階段を登る、若と姫。この先も続く、闘いの日々。想い出が一杯になることを祈り、記録をバックアップ。この作業中、仰向けに寝転んでいた南山之寿。うたた寝をしかけ、手元からスマホが顔面に落下。やはり、睡魔にも敵わない。


南山之寿は、今日もまた、気が抜けない日常を過ごしている。

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