召喚された異世界で（知らない奴が）魔神を退治したら日本に送り返された俺。向こうでは役立たずだった祝福、『異世界商人』で日本初のダンジョン攻略者になる！

第008話 【初めての迷宮探索！……の、準備！】

　トイレでキラキラ（ゲ○）してきたら既にクラスメイトがグループを作っていて、担任の誘導によりキラキラ（男前）のチームに押し込められた俺。

　『ハーレムパーティに入れるとか……この担任正気か？それとも結婚出来ない当てつけか？』とも思ったんだけど、メンバーが思ったより取っ付きやすい感じだったので結果オーライかもしれない。

「本日の目的はみなさんが『ダンジョン・カード』を入手することです。

　そのためには最低でも一人一体の魔物を倒す必要があるのですが……もちろんまだ迷宮に入ったことのないあなた達だけで、魔物を倒すのはとても危険で困難な行為となります。

　ですので、四月いっぱいは案内役兼指導役として現役の『迷宮探索者（ダンジョン・シーカー）』の方に付いていただきます。

　各自、その方達の指示に従い、全員怪我のないように戻ってきてください」

　一段高い場所に立つ、それなりの年齢の男性教師の説明のあと、その近くにいたシーカーと呼ばれる、二十代～三十代の男女が組分けされたグループに一人ずつ配属される。

　俺たちの所に来たのは二十代前半のやや地味な女性。

　てか、シーカー全員機動隊が使うような透明のデカい盾を持ってるんだけど……みんな盾職（タンカー）なの？

「うわ、何このルックス偏差値が八十超えてそうなグループ……。

　ええと、本日この班の引率をしてダンジョンに一緒に入ることになりました千代田（ちよだ）千歳（ちとせ）です。

　まぁ今回はカードの入手だけ、それもEランクダンジョンの一番浅い部分での行動となりますので先程センセイが注意されていたほどの危険はないと思います。

　て言ってもみんな初めてのダンジョンだもんね？緊張するとは思うけど、お姉さん、これでも中級探索者だから大船に乗ったつもりでついてきてね？」

　全員揃って『はい！』と元気よく返事をする！……ようなこともないメンバー達。

　だってここにいる学生、『男前（マゾヒスト）』、『超美少女（猜疑心の塊）』、『隣の席のやつ（自意識過剰）』、『人見知りヤンキー（人見知りヤンキー）』、『無気力（元異世界勇者）』だから仕方ないね？

　まさかの一人も返事をしない状況にジミナカオノ・ネーサン、物凄い困惑である。

「あ、あれ？どうしたのかな？元気がないぞー？

　えっと、気を取り直して……レッスン・ワン！まずはダンジョンに入る前に全員で装備品を整えることから始めようと思います！

　みんな、迷宮科の学生さんだとはいえ、まだ新入生だし自分で装備品なんて持ってないよね？だから今回は『迷宮事務所装備部』ってところで貸出してもらうことになります！

　ちなみに今回倒してもらう予定の魔物は『ジェリー・スライム』です。

　有名な魔物だし、その倒し方は入試の問題にもなってたよね？」

　『よね？』とか言われても……俺、そんな試験なんて受けた記憶はねぇんだよなー。

　まぁジェリースライムの相手は異世界で既に経験済みだから倒し方は知ってるけどさ。

　むしろメインの討伐モンスターだったまである、因縁の相手だからな！

「というわけでファースト・ミッションです！

　みなさん、ジェリー・スライムを倒すのに適した装備品を装備部からレンタルしてきてください！

　ちゃんと借りた装備品を着用してから、ダンジョンゲート前スペースAの空いてる場所に集まってね？

　集合までのタイムリミットは三十分！それじゃあレッツゴー！」

　彼女の掛け声で全員が走り出す！……ようなこともないグループの面々。てか、某氏のテンションがちょっとウザいんだけど……ちょっとスベってるよね？

　てことで、のんびりとした感じであるき出す俺たち。だってほら、倒す相手が分かってるんだからさ。

　それに合わせた装備品を借りてくるだけなら、そんなに時間の掛かるものでもないじゃん？

「あ、あれー？みんな、元気が無いぞー？

　もしかしてだけど私……嫌われてるのかな？」

　たぶんだけど、やる気がないとかじゃなく、全員落ち着いて行動してるだけだと思うし？そんなに気にすること無いと思うよ？

　……と、グループ内でも一番無気力な俺が言ってみるテスト。