第8話 滅亡 城塞都市

「マモンを止めるんだーーーっ」


「軍人の名に懸けて、必ず倒して見せる」


「出し惜しみなしだ! 全てのゴーレムマスターはマモン討伐に参加せよ!」


「市民を守るんだ!」


此処は城塞都市ギルメド、過去の魔族との大戦で一度も落ちた事はない。


もし、此処が落ちたら人類は希望を失う。


どんな敵からも確実に守ってくれる、防衛都市でもあるんだ。


「相も変わらず、そのガラクタをけしかけて来るのか?」


M13の時はまだマモンがゴーレムについて知らなかった。


だから、多少は苦戦したが、今はもう普通のゴーレムじゃおもちゃだ。


まだあれがある。


「あれを出してくれ…」


「統括、あれを出すのですか? あれを出すと教会や聖教国への謀反を疑われます!」


「構わない、この市街地に入り込まれたらもう終わりだ市民が大勢死ぬ位ならマシだ…それに儂が死んでも、他の者が統括をすれば良いだけだ…儂が乗る。儂が戦っている間にこの街のゴーレムマスター全員集めるんだ。もし儂が負けたら…総攻撃それしかない」


「統括…ご武運を」


「…」


機械神Z 身長28メートル 体重40トン。


魔道エネルギーで動くミスリルのゴーレム。


ドラゴンや魔王、果ては対邪神ように開発中の最強のゴーレム。


但し、開発中で20分しか戦えず、左手も無い。


人である我れらが勇者を頼らずに生きる為に作った最強兵器だ。


「行くぞーーZーーー」


◆◆◆


『マモン、強い奴と戦いたいんだろう! このZが相手してやる』


「ほう、随分と大きな物を作ったものだな…」


『対魔王ようの決戦兵器だ行くぞマモンーーっ』


「受けてやる来い!」


『Z、必殺クラッシュパンチーーーっ』


重さが違う。


40トンのゴーレムが繰り出すパンチ…竜すら軽く殺せる。


「ぐわぁぁぁーーーっ」


初めてマモンがうめき声をあげた。


いける、いけるよこれは…勝てる。


『ゼットーーーっソードーー』


Z専用武器の巨大な剣。


これなら…マモンの首をとれる。


背中に背負った巨大な剣を抜きマモンに斬りかかった。


「俺は逃げぬ!」


『これで終わりだファイナルグレートZスラッシューーッ』


ガキィィィィ――ン。


何が起きた…超重量で作ったミスリルの剣がふり抜けない。


「今のは凄かったな…俺でなければ四天王、いや魔王様にも通用したかも知れぬ…だが、このマモンの体はミスリルよりも固いのよ!つまりミスリルでは斬れぬ!」


『だが、お前だってZは壊せぬ…行くぞ』


お互いが殴り合い戦いは長引くと思っていた…だが、違った。


『…ハァハァ』


「そのゴーレムは耐えられてもお前は耐えられぬようだな」


嘘だろう、40トンのZを軽々放り投げやがった。


『…』


駄目だ…肺が潰れたのか息がしずらい。


それに腹に計器が刺さっている…ここは腎臓。


ふっ…Zは負けていない…負けたのは儂だ。


◆◆◆


その後、全ゴーレムを使った一斉攻撃もマモンには通用せず、全てのゴーレムが破壊された。


「俺は強い者との戦いが好きだ…非戦闘員のお前等に興味はない!3時間だけ待つ…その間に出ていけば手を出さない!虫けらはとっと消えるが良い!」


魔道化学を駆使した城塞都市ギルメドはこうして滅ぼされた。


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