第2話 前世で起きた事

「頼む、陽子との間に子供が出来た、済まないが離婚してくれないか?」


今でもあの事は鮮明に覚えている。


陽子や哲也とは中学の時友達だった。


陽子は昔『借りパクの陽子』と呼ばれ人から物を借りたら返さないと有名で、更に容姿が良いせいか、良く友達の彼氏を略奪したとかしないとか、喧嘩していたのは覚えている。


今思えば、私が被害に遭わなかったのは『オタク女子』で持っていた物が小説や漫画。


陽子の好みの物じゃ無かったからかも知れない。


「それで? どういう事なの?」


哲也はあの頃は地味で真面目な男の子だった。


でも今の哲也は…確かにあの頃と違い、派手な感じがする…そこに陽子が目を付けたのね。


「その、久々に会って懐かしさからつい話して…そのな」


「そう久々にあって火がついちゃったのね…」


「すまない」


随分尽くしてきた気がするんだけどな?


私って、使うお金って言えばスマホで小説を読む位しかない、お金が掛からない女だと思うんだけどな。


家事は全部私、共働きなのにお小遣いは昼飯代金込みで月2万円。


ふざけるな…そう言いたかった。


だけど、両親が居ない私と義両親が健在の哲也。


そして義両親は子供が欲しかった。


殆ど、慰謝料も貰えずに追い出される様に離婚された…


記憶が戻った時から、悪夢のように思い出す。


その二人が、勇者と聖女…この世界の女神は頭が狂っているのかしら…


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る