元旦那は勇者 不倫相手は聖女...そして私はモブ...だけど気にしないわ!

石のやっさん

第1話 蘇った二つの記憶

私の名前はシャルロット…普通の村の村人の娘に産まれた。


まぁお転婆な普通の女の子だ。


そんな私には二人の幼馴染が居る。


一人は同じ女の子でマリア、綺麗な女の子で皆から可愛がられている。


そしてもう一人はゼル。


なかなかの美男子で人気者。


2人は人気者で、隣の村からも態々無理して見に来るような可愛らしいと評判の子だった。


私は…モブだ。



◆◆◆


10歳の誕生日に私は昔の記憶を取り戻した。


昔の私は日本という国でライトノベルが好きな只のバツイチ女だった。


私は気が付いてしまったのよ…此処が「白銀の勇者」という物語の世界だという事を。


その物語の中で、マリアはヒロインで将来、聖女になる。


ゼルは『銀嶺の勇者』という勇者で二人は魔王討伐の旅にでる。


私は…多分、物語には参加しない。


恐らくは只のモブなのかも知れない。


物語り通りに進めば14歳の誕生日に行われる成人の儀式でゼルは勇者、マリアは聖女のジョブを貰う。


そして、その1年後に、15歳の誕生日に旅立つ。


…そんな物語だったのよね。


◆◆◆


それだけなら良かったの。


本当にそれだけなら良かったのに…


まさか、ゼルが前の世界の哲也で、マリアが前の世界の陽子だったなんて…どういう冗談なのよ!


記憶を取り戻した、私は異世界で恒例のマヨネーズを作ってご飯を食べていたのよね…


偶々遊びに来た時に食事を振舞ったら…


ゼルが「なんでマヨネーズをつくれるんだ、美味いね」と言い出しマリアが「このオムレツまるで前世で食べた味みたい」そう言いだしたの。


ほら、昔からある異世界物のライトノベルの定番。


『同じ転生者に気をつけろ』って言うじゃない?


まして、相手はこの世界で勇者と聖女になる主要人物。


私は、恐らくモブ。


咄嗟に誤魔化した。


「以前この村に来た黒髪のおじさんから教わったんだよ」


そう言って誤魔化したのよ。


「そうだったのか? その人多分転移者か転生者だな」


「会えば面白い話が出来たかもね?」


やはり、ゼルもマリアも転生者か転移者だったんだ…


「転生者?転移者?2人ってそうだったの?」


自分の事は誤魔化して二人の事を聞いてみたのよ…


そうしたら、ゼルが哲也でマリアが陽子だと言う事が解ったのよ…


本当に世の中は狭いわね。


この二人が私がバツイチになる原因だったのよね。


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