第3話セーブポイント:マンションでの絆
使わない頭か…ん…そういやスマホで、救助呼べばいいんじゃないか?
混乱してるから、思い付かなかった。
俺は、ポケットを調べた。が…なかった…どこにも。
しまった、家に置き忘れた! 仕方ない、またやられるか。痛み嫌だな。
まてよ? ロードすれば、わざわざやられる必要ないんしゃないか。
やれやれ、自分の頭の回転の悪さが嫌になるぜ。
よし、ロードだ。俺は目の前にセーブ&ロードの表示を出してボタンを押した。
いいぞ、家のベットからだ。
俺はスマホを、取る前に、せめてお母さんを助けれないか、それを確認しに、ゾンビのいる部屋に、急いで向かった。
結論を言うと…駄目だった。もう、ゾンビに喰われていた。俺はすぐにロードボタンを押した。
せめてあと少し前に戻れれば…ちくしょう。
俺はスマホを取り、一気に外に出た。そして、すぐさまセーブボタンを押した。
さて、まずはロードする。きちんとセーブされているか確認の為だ。上手くいけば、SNSで救助を呼ぶ。そしたらまたセーブ。
親を失ったショックから、混乱している…俺はまだ実感が湧かない。
ロードボタンを押した。するとベットではなく、セーブした場所にいた。
セーブ成功…だけど、セーブした時に、すぐ殺される場所で気づかずにしたら、積みゲーになるな。
そう思うと簡単には、セーブ出来ないな。
さて、救助呼びかけるか。
俺はSNSのアプリを起動して、すぐに救助を呼びかけた。
良しセーブだ。これで、やられても、また救助を呼びかける面倒なことは、しなくて済む。
それから俺は、SNSで情報を集めることにした。集めたあと、ロードすれば、現在の環境が悪くなることはない、そう思った。
もちろんロードしないで救助を待つ手もあるが。待って助かるかは、未知数だ。
なら自分で動いた方が、マシかと思ったからだ。
ゾンビで検索。
大変だ、ゾンビが俺の家族を襲った。もうこの世の終わりだ。
ゾンビ僕は見かけないけど、見かけたら、終わりだね。
凄い騒ぎ。ゾンビ? ゾンビが出ても人間のが結局怖いよ。
救助求めても無駄みたい。もうみんなゾンビにやられてる。噛まれるとゾンビになる。それを隠していく人間がいるから、もうお終い。
ゾンビの嘘の情報が出回りそう。今のところ危機感があるから、そんな酷い奴いないだろうけど。
ゾンビがいないって書き込み見て行ったら、いっぱいいた。俺は、もうゾンビになる。書いた奴、必ず…食べて…や
情報収集したけど、安全って書き込みあっても、そこが安全かは、分からないか。
これじゃ、何も信用出来ないし、役にたつ情報なのかも、分からない。
普通なら。が…俺にはセーブ&ロードの力がある。これを使えば、真偽を簡単に確かめられる。
まぁまずは、このマンションから脱出しないと、話にならないが。
さてまたロードするか、そのあと、俺の好きな子が無事か、チャットしてみるか。
チャットID交換してて良かった。してなかったら、連絡取りようないからな。
よしロード。そして、晴香にチャットだ。
「よく聞いて欲しい。ゾンビがこの世に現れて、俺のお父さんがゾンビになって、お母さんを食べた。」
「晴香は、無事かな? 心配だ。もし無事なら、返事して欲しい。それと、スマホの音は消した方が良い。ゾンビに気づかれる恐れがあるから。」
良しとりあえずセーブだ。もう一回送るの面倒だからな。
辺りを見ま回してセーブした。素晴らしい能力だが、無限ループ地獄にならないよう、慎重に押した。
さてと、階段降りるか、まずは2階から調べるか。
俺は、階段を降り3階まで降りた。そこで啜り泣く声が微かに聞こえた。
前回降りた時は気がつかなかったな。
4階からか? 俺は階段から、4階のマンションに行った。
すると、女の子と思われる子が、1人体育座りをして泣いていた。白のTシャツと青の短パン姿だ。
夏休み中だからな。そりゃ涼しい格好するよな。
夏だから、ゾンビの悪臭も目立つ。これは、逆にゾンビがあることを示しているから、助かる。
女の子が俺に気がついて、俺を見た。
14歳ぐらいだろうか? 多分中学生か。かなり、可愛い顔をしていた。
「ひっく…お兄ちゃん、私のお母さん、見かけなかったですか?
お兄ちゃん? 俺は君のお兄ちゃんじゃないが。まぁ名前知らないからそう呼んだのか。
「誰も見かけてない、ゾンビしか見てないよ。それと、君の名前は?」
「そっか、私、神楽望って言います。お父さんがゾンビになって、お母さんと一緒に逃げて、お母さん一階に様子を見に行くって言って、戻って来ないんです。」
とりあえずセーブしておくか。
この子のお母さんを、まずは探してあげるか。まぁ、もう死んでるだろうが。それか、ゾンビになっているかだ。
「俺、都丸政樹って言います。君のお母さん俺と一緒に探さない? とりあえず2階のマンション部屋に隠れてないか、確認しよ?」
俺は彼女にそう提案した。
「ありがとう、えっと…都丸さん、よろしくお願いします。」彼女は、少し笑顔を見せた。
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