第2話セーブ&ロード

俺は目を開けた。すると…目の前には、いつもの光景が…俺はベットに寝ていた様だ。


はっはっは。なんだよ! 夢かよ。脅かしやがって。俺は、どうやら夢を見ていた様だ。


なんともはや。おっかない夢だった。妙にリアルな…ん?


目の前には、セーブ&ロードの文字が…見えた。


おいおい…なんだこれ? セーブ&ロードって? まさか俺は…そう思って、俺は手を確認した。


肌の色は…普通だ…良かった。ってことはゾンビには、俺はなってないってことか。


俺は息を呑んだ。タイムリープしたのかも。そう思った矢先、音がした。


その直後… ぐっあぁー。おぉう。

あの叫び声が聞こえて来た。


嘘だー嘘だ。俺は首を振り、汗が額から吹き出し、手汗が物凄いことになった。


なんで…タイムリープならせめて…親がやられる前にして欲しい。俺はそう願った。


どうする? ここは逃げる? それとも両親を倒して行くべきか? 俺の手でやる?


無理だ…俺は逃げる選択肢しかない。


ゾンビがいた、部屋を覗きこんだ。


やはり…ゾンビがいる。涎を垂らして、皮膚が捲れて、中は真っ赤な肉の様なものが見える。


俺はお父さんだったものを見て、ごっくんと唾を飲んだ。


お母さんの身体が抉れていた。ゾンビが食べたのだろう。お母さんもそのうち…ゾンビになるんだ。


ああっと嗚咽が出た。それに反応したのだろう。ゾンビが俺に、向かって来た。


俺はまた…やられた。


そしてロードした。やはり少し前に戻って来た。


俺はすぐに、玄関に向かい、靴を履き外に出た。

ドアを閉め、一目散にエレベーターに行った。


チンと音がして、エレベーターのドアが開いた。そこには…ゾンビがいた。


俺はゾンビから逃げ出した。はぁはぁ、運動不足が祟って、すぐに息が切れた。


逃げ場は無い。ここは、わざとやられて、階段から逃げるか? けど、階段にもゾンビがいたら? 


そう考えていると、背後からゾンビにやられた。



ロードしてまた最初の地点に戻った。

だが、簡単に戻って来た様に感じるが…痛みは、激痛を伴う。これを続けていたら、精神がおかしくなるだろう。


あまり何回も使いたくはない。俺はさっきと同じ様に玄関から外に出た。ここでセーブしておくべきか?


悩ましいが…ひとまず階段が安全か確かめるべきだろう。


それで駄目なら、片っ端から、マンションの住民のドアを叩いて、助けてもらうか?


ゾンビは、ドア開けられるのだろうか? 色々試してみたいが、やはり激痛がネックだな。


よし、ひとまず階段を降りる。俺は6回の階段を降りた。喉が渇く…恐怖から俺は渇きと、足の震えにも、立ち向かわないといけなかった。


いいぞ、階段にゾンビはいない。階段は登れないのか? 安心するのは…早いな。登れなくても、這いずって来ればいいんだからな。


マイナス思考が板についてる。さてどうするか…このまま一階に降りるか、はたまた、住民に助けを求めるか? 


多分…親がゾンビになってたことを考えると、他もやられてるだろうな。


あと気になる事が…はぁ、不思議な事が多すぎる。セーブ&ロードこれは、俺だけが使えるのか? 他の人間も使えるのか? 


考えたところで、答えは出ないな。とりあえず一階に降りて脱出するか。人とコミュ取りたくないしな。



それに俺だけセーブ&ロード使えるなら、他のやつ救うためにこの能力使う羽目にもなりそうだし。


俺は自分さえ良ければ良い。拠り所の親がいない今、もうそういう考えしか出来ない。


よし2階も安全。一階付近に降り始めた…俺はその光景に絶望した。


無数のゾンビがいるではないか。俺はすぐに2階に引き返した。


ヤバい…これ無理ゲーだろ。よく考えると、一階、つまり1番下が危険なのは、当たり前だった。


しかし幸運かは、現時点では分からないが、2階にはゾンビがいない。


階段を登ってこれないってことは、エレベーターで上がって来たのか?


それとも、登れるけど、登ってこないだけ?


疑問が沸々と湧き上がる。


しかしこうなったら、2階か3階の部屋から窓を壊して、そこから逃げ出す方法を取らねばなるまい。


白の外観のマンション、これが真っ赤な血で染まるのだろう。


そうだ…血の跡と、血の匂いで、ゾンビにやられたか分からないだろうか?


他にもゾンビの悪臭で…よし、すぐチャイムを鳴らさず、まずはそれで確認するのがベスト! 


普段使わない頭を使って、俺はもう、疲れ果てた。

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