第26話 錯乱

ショックを受けたのか、よくわからないがわたしの心の中はかき混ぜられてしまった。海によるあるひと言で。

あるひと言といったら簡単に聞こえるかもしれない。だけど、わたしたちにとったらとても重大なひと言。そのひと言でわたしたちの関係性が全く変わってしまう。

そういう意味でも重大でもあったが、わたしにとっては

別の意味で重要でもあった。

それは海と翔也だ。

海の言葉を受け入れるとしたら翔也との話は白紙に戻さなくてはいけない。これを取り持ってくれたお父さんにも今までいろいろ教えてもらったすみれさんやさくらさんにも申し訳ない。

だけど、海の気持ちも無下にはできない。


なんで「少し待って。」なんて言ったんだろう。

告白で「少しまって。」なんて言ったら期待しちゃうじゃん。期待させといて断るって申し訳なさすぎる。

自分勝手な気持ちが頭の中を駆け巡る。

みんなが納得できる結果はないはずなのに。


あれ、これって

もしや三角関係??????

海と翔也でわたしを取り合ってる???

いやいや

わたし

パニックになりすぎてて他人事のように考えちゃってるじゃん。

やばいって

こりゃ

さすがに

現実見ないと。


まず状況を整理しないとね。

どうするかはそれから。

わたし佐藤桃菜は如月翔也の許嫁。

今は一緒に住んでいる。

そして翔也はわたしのことが好きらしい…

いやいや

うぬぼれているわけじゃないからね。

事実を述べただけだから。

そう思い自分を落ち着かせる。

今日、矢倉海に告白された。

とりあえずこれが今の状況。

それで、わたしはどちらかを選ばないといけないんだよね。

まあどちらも選ばないっていう手もあるけどね。

でもわたしにはできないや。

1人の気持ちを断るだけでなく2人も断らないといけないんなんて胸が痛すぎる。


そんなすぐには決められないや。

どちらの気持ちも大切にしたいし。

だれかに相談してみようかな。

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