第21話 経過
海と約束してからの10日間はあっという間に過ぎていった。
こうして考えると時間の経過は早いものだと思う。
小さかったころは10日はもっと長ーい時間だと思ってたのに、実際は1週間と3日。すぐに経ってしまう。
わたしもこの10日間は特に特別な出来事もなく過ごしていった。
平日は朝起きて学校に行く。そして学校から帰ってきたら宿題をしてマナーレッスン。ゆっくりとする暇もなく1日が過ぎていく。
休日は1日中マナーレッスンだ。たまに遠出をすることもある。たとえば乗馬やゴルフなど如月家の人間として必要とされるものらしい。
バレーボールをしていたからゴルフはできたが、乗馬はさっぱりだった。まず馬に乗るのから上手くできない。馬との信頼関係を築かなくてはいけないようだが、わたしが怖がってしまってその怖がりが馬にもちたわってしまったようだ。
馬の名前はステファニー。栗毛で毛並みがとてもきれいだ。歳は3歳。人間でいうとだいたい16歳。つまりわたしとあまり歳が変わらないということだ。
まだまだステファニーとは信頼関係が築けていない。
でもこれから何回もステファニーと仲良くなるチャンスはある。
だからこれからも頑張らないと。
そして、すみれさんとさくらさんに海と出かけることを伝えた。
もちろん海と行くということは伏せて友達と出かけるということでね。
すみれさんには深山さんが送り迎えをしてくれると言ってくれたが断った。
海と会っていることがバレたらどうなるかわからないからね。
また翔也と喧嘩しちゃうことになるかもしれないし。
明日は海と会う日だ。
海と会うことにわくわくしてどんな服を着ていくのかとても悩んだ。
スカートがいいかな。それともワイドパンツでもいいな。このブラウスもかわいいな。
どれがいいのか悩んでしまう。
クローゼットからいろんな服を出して、1人でファッションショーを始めた。
悩みに悩んでブラウスにロングスカートにした。
そして海が好きな黄色のブラウス。
海は喜んでくれるかな。
明日のことなのに今からわくわくが止まらない。
最近、深山さんに学校まで送ってもらっていたから電車確認しないと迷っちゃうかも。これまでは学校から家までの行き来だったから迷うことはなかったけど明日はいつもは行かない場所に行くんだから迷わないように気をつけないと。
明日、海に会うことを待ち遠しにしながら眠りについた。
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