第17話 勉強

まだまだすみれさんからの教えは続く。

「桃菜お嬢様、次は歩き方です。さくらさんを見ていてください。」

すみれさんの隣にすみれさんより少し小柄な女の人が出てきた。入口の方でずっとわたしを見ていてようだ。

「はじめまして。早川さくらです。すみれさんとともに桃菜お嬢様のお手伝いをさせていただきます。よろしくお願いします。」

かわいらしい人だな。ってかわたしに2人もお手伝いさんがつくの!?びっくりしてしまう。

「よろしくお願いします、さくらさん。」

「それでは桃菜お嬢様、歩き方についてお教えしますね。」

さくらさんが言ってくれた。

「まずはさっきすみれさんに教わった姿勢から確認してみましょう。」

してみる。そこでさくらさんの目つきが変わる。

「背中が丸まってる!」

さくらさんの口調が急に変わった。

「目線が落ちている!」

さくらさんはすみれさんと違って厳しいらしい。

だからすみれさんからさくらさんに交代したのかな。すみれさんも用事があるだろうし。

姿勢を直してみる。

さくらさんがうんと頷いた。姿勢は合格らしい。

「では歩き方です。歩幅は大きすぎなく小さすぎなくおしとやかに歩きます。ゆったり落ち着いた感じで。大股や早歩きはお下品ですので。」

さくらさんの見様見真似でやってみる。背中をなにか棒でピシャリと叩かれた。

「姿勢が崩れています。そして、歩幅が小さすぎます。みっともないです。」

さくらさんから罵声がとぶ。

まだまだ時間がかかりそうだ。

頑張らないとね!

「ではそろそろ今日はお終いです。桃菜お嬢様、お疲れさまでした。」

そう言い、さくらさんは広間から出て行った。

まだまだだな…

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