第14話 気付

そろそろ寝ようと準備をする。そういえば昨日寝落ちをしてしまってお風呂に入れていなかった!

今日はちゃんとお風呂に入ろうっと。浴場に向かう。浴場はさすがに普通のものかと思っていたんだけど戸を開けると大理石の床が広がっていた。お風呂までこんなに広いのか。さすが如月家。シャワーの台座まで光り輝いている。

体と髪を洗い、お湯で流す。このシャンプーとてもいい匂いがする。あっ!これは金木犀の香りだ。小さい頃近所に金木犀の木があったな。懐かしく思う。


お風呂から出て部屋へと戻る。パジャマに着替えないとね。クローゼットの中を見る。

どれがパジャマなんだろう。どれもこれもきれいで、パジャマになりそうなものは無いんだけどなぁ。これかなー。クローゼットの中にある服の中で1番落ち着いたものを着てみた。

これがパジャマなのかなって思って。

ふわぁぁぁー。眠いよー。もう寝ないとね。

ベッドにころがる。

布団がふわふわしていてとても気持ちがいい。布団に包まれている気分になってくる。

だんだん瞳が閉じていく。

あれ?今日すみれさんとの教養の勉強していないんじゃない?

まぁいいか。明日またすみれさんが誘ってくれるだろう。

わたしの先延ばしにしてしまう悪い癖が出てしまう。

いつの間にか深い眠りにさいなまれていた。


小鳥の鳴き声が聞こえてきて目が覚めた。すごい優雅な朝を迎えられたように感じる。

今日は土曜日だ。学校の授業はない。もちろん部活もやめてしまったため学校に行く用事もない。だからといってなにか予定があるかと言ったらない。

今日は特にすることがないな。

そう思っているとはっとした。

なにもすることがないならこの屋敷を探険してみようっと!

またどこかに行くときに迷ったりしちゃったら申し訳ないし。

そういえばこの屋敷には翔也とわたし、すみれさんと、深山さん以外は住んでいなかったんだっけ。

それなら自由に探険してみようかな。

そう思い、部屋から出る。

まだ朝の6時半。朝食を食べるには早い。


屋敷の中を探険してみる。まずは廊下から。わたしの部屋を出るとながーい廊下がある。そして廊下の左右に部屋がある。このフロアはわたしと翔也、すみれさんと深山さんの個室がある。

この廊下を北へと進む。そうすると大きな扉が見えてくる。ここが食堂だ。

左手に見える階段を下りていく。実はこの屋敷は3階建てでわたしたちの個室はその最上階である3階にあるのだ。

2階には学習室や応接間、客室、防音室、芸術室など普段はあまり使わないような部屋がある。

2階の面白いところはその部屋によってテーマがあり扉や壁紙がテーマに沿った模様が施されているところだ。たとえば、防音室にはオーケストラをイメージした、ヴァイオリンや音符などの模様が施されている。この2階の廊下は屋敷の中で1番華やかな場所と言っていいだろう。

そして銅像や、壁画、彫刻までもある。

また階段を下りる。次は1階だ。1階には玄関や水回り、外に出ると広い庭がある。

庭のほうに目をやる。庭には色鮮やかな花が咲き誇っていて、お茶ができるよう机やいすが並べてある。そのなかに翔也の座って紅茶を飲んでいる姿を見つけた。

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