第13話 常々
食事をする。
今日はお魚がメインなようだ。白身魚のムニエルに野菜のスープ。スープの温かさが体にしみる。
美味しすぎてパクパク食べられてしまう。翔也のほうを見る。翔也もよく食べている。こんなに美味しい料理を食べられるなんてわたしはどんなに幸せなんだろう。そう思うとニヤニヤしてしまう。翔也と目が合う。
「桃菜、そんなにニヤニヤしてどうしたの?なにかあった?」
そう聞いてきた。
「シェフの方が作ってくださった料理がほんとうに美味しくて、これが毎日食べられると思うと幸せな気持ちになってしまったの。」
そう言うと、翔也は微笑ましく思ったのか
「よかった。毎日食べられるのだから楽しんだらいい。」
幸せな時間を楽しむ。
食事後に翔也が一緒に勉強するように誘ってくれた。そこで今日宿題が出ていたことを思い出した。
学習室へと向かう。翔也と話しながら。お互いのことを話してみる。
「桃菜の好きなものは?色や食べ物や動物、趣味は。」
いろいろ聞かれる。
「好きな色はねー。ももなの名前のとおり桃色かな。食べ物はねー。オムライス!ふわふわの卵が好きなんだ。動物はー。パンダ。あのふわふわしていておっとりしている姿。見ていて癒されるでしょ。趣味はピアノを弾くことかな。ピアノを弾くことが好きでずっと弾いていられるの。ところで翔也は?」
翔也はうなずいて聞いてくれえる。
「僕は、緑かな。自然の色で力強さを感じるんだ。そして好きな食べ物はビーフシチュー。うちのシェフのビーフシチューはこの世で1番だと思っている。動物はやっぱり犬だな。それも特にパピヨン。耳が大きいのが愛くるしい。趣味はテニスかな。基本からだを動かすのが好きなんだ。屋敷の裏にテニスコートがあるからまた一緒にしてみないか。そういえばピアノを用意できていなかったな。父に言ってグランドピアノを用意してもらう。」
そんなことまで。申し訳なさそうにしていると
「気にしなくていい。僕が用意したいんだから。」
学習室にたどり着く。
宿題をしないと。集中して宿題にむかう。
今日の宿題は数学だ。とても苦手だから手が止まってしまう。そうしていると翔也が身を乗り出してきた。
「どこかわからないことがあるのか。見せてみろ。」
そう翔也の顔が近づく。近い、近い、顔が近いんだけど。ふいにどきどきしてしまう。
「ここをこうしてー。この公式を使ってこの値を代入したら…ほら!解けたでしょ。」
翔也に教えてもらったお陰で宿題はすぐに終わった。
もう寝ないといけない時間!
急いで自分の部屋に戻る。
そして床に就く。
今日はまた1歩翔也に近づけたような気がする。
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