第11話 心配
「どうされましたか?桃菜お嬢様。」
すみれさんがそう言う。
「なんだか翔也さんとぎこちないような感じに見えましたが。学校でなにかがあったのですか。」
わたしはうつむいてしまう。
さすが、すみれさん。翔也さんを小さいころから見ているだけある。
「実は…」
そう言うとすみれさんは静かに聞いていてくれた。
「翔也さん、今日クラスの箕輪さんたちに付きまとわれていたんです。そして廊下で助けてほしいと言われたんです。ですが、わたし翔也さんに強く当たっちゃって。どうしたらいいんでしょう。悪いことをしちゃったのはよくわかっているんですけど。」
そうすみれさんに伝えるとこう返してくれた。
「翔也さんが学校に行かれたときに話しかけてくださらなかったことに嫉妬?してしまったのですか?」
嫉妬、その言葉が正しいとはわからないがすみれさんが言っていることは合っているような気がする。
「翔也さんは初めての学校で緊張されていたのだと思います。そのため、桃菜お嬢様にお声をかけるのとができなかったのでしょうか。一度、翔也様とお話してみませんか。機会は
そうすみれさんが言ってくれた。
すみれさんのお陰でなんとか翔也さんと和解できそうだ。本当によかった。
でもまた話せるようになれるのかな。今まであまり話したことなかったのに今回のことでまた溝が深くなってしまった。本当にわたしは大丈夫なのだろうか。
とても心配になってしまう。
でも、すみれさんが機会を設けてくれるみたいだから頑張ってみようかな。
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