第7話 転入
「はじめまして。如月翔也です。よろしくお願いします。」
女子から歓声が上がった。イケメン御曹司と雑誌などで紹介されているからか女子はみんな知っているようだ。それに対し男子はポカンとしている。知らないのも無理はないだろう。
歓声が止むと、
「如月くんは佐藤さんの隣ね。」
と先生は言い、わたしの隣の席を指さした。
HRが終わると翔也さんの周りに女子が群がった。あんなイケメンがいたらひと言でも話したくなるのは当然のことだろう。
次は移動教室なのに、女子はまだ翔也さんの周りを取り囲んでいる。
次は物理で物理教室まで行かなくちゃいけない。もちろん物理は山田先生。山田先生は授業に少しでも遅れるととても怒る。ここから1番遠い教室なのに。
そう横目に見ながらわたしはあかりと物理教室に向かった。
わたしは物理がとても苦手だ。記号と数式で頭がごちゃごちゃになる。それに公式まで覚えなければならない。わからなさ過ぎて眠くなる。だが、寝ている場合ではない。それは山田先生に怒られるからだ。毎時間なんとか起きている。ふと翔也さんが座っている方向を見た。翔也さんは女子に囲まれて座っている。その中にはもちろん箕輪さんもいる。箕輪さんたちは授業そっちのけで翔也さんに夢中だ。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
次は数学だ。また理系教科だよ。理系教科は苦手なのに。
憂鬱だよ。
でもこれが終わったら給食だ!
頑張るぞー!
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