第28話 甘い夜※
とうとうその日がやってきた。
何となくその日は朝からそわそわしてしまっていたんだ。
夕暮れになってきたとき、荷物の入ったバッグを片手に階段を下りて行った。
「
「行ってきます」
わたしはすぐに家を出て
後部座席に荷物を置いてもらった。
「それじゃ、シートベルトしてね」
「うん。したよ」
「了解。それじゃあ、出発しようか」
そう言いながら奏さんは車の動かし始めてから、彼の運転をじっと見ていた。
自分が教習所で苦戦しているところを、いとも簡単にこなしているのを見て経験者だなと思う。
夕方は帰らないといけないという思いが強かったから、何となく罪悪感がぬぐえないような気持ちが強く出ている。
ときどき流行の曲がリクエストされているけれど、その世代に特化しているのかもしれない。
「美琴は何かご飯を買う?」
「買う! ご飯、どこで買うの?」
「いいね。明日からはとても楽しそうなことをしているかもしれない」
それからご飯を奏さんの家に近くにある笑顔で話していることがあるんだろうなと思う。
「奏さん、これを食べない?」
「食べようか。それと……これにするか」
適当に話していることがわかるんだけど、楽しそうなことをしているんだ。
日菜の家に泊まるということではなくて、恋人の家に泊まることはしたことがない。
それは当たり前だけど……緊張する。
「美琴、不安?」
「違うよ、ただ……久しぶりだから」
奏さんの家に行くのは六月くらいに行っただけ、そのときに音羽さんに会ったんだ。
でも、何となく変な緊張感が体にあるのはなんでだろう。
しだいに一緒にご飯を食べたりして色んな話をして、緊張感が残らずにご飯を食べたりすることが終わっていたんだよね。
ご飯を食べてから一度お風呂に入ることにしたんだよね。
その後に適当なことをしているのが話していることが話しているんだよね。
シャワーを浴びているのが見えるんだけど、とても楽しそうなことをしているんだ。
「大丈夫かな?」
これから初めて、と思うと少しだけ怖くなってきた。
シャワーを浴びてからはすぐにタオルを拭いてから、奏さんは少しだけ顔を赤くしていたように見えた。
少しだけ気にしてしまうことがあるんだけど、まだ決めていることはないんだよね。
わたしは適当に持ってきた高校の文化祭のトレーナーにジャージの長ズボンを履いていた。
「美琴、待っててね」
「うん」
それからすぐに奏さんもシャワーを浴びてから隣に座って話すことしていた。
普通にすることがとても緊張していしまうんだよね。
そのあとにソファであぐらをかいてクッションを抱えて映画を一本見ることにしたんだ。
「どれにしたの?」
「え、俺が好きなやつ」
「あ、『タイタニック』じゃない?」
「これがちょうどいいかもしれない」
ドキドキしてしまって映画を見ても上手く集中することができないんだよね。
隣をチラッと見ると、濡れている髪と風呂上りで頬を火照らしているのが見えた。
それが大人の色気を漂わせているせいか、こっちもドキドキしてしまうんだ。
「奏さん」
「どうしたの?」
「え、その……あの」
「うん。まだ早いかな」
まだ時間的には早いなと思っているんだけど、少し本気になってきているのかもしれない。
新しい関係になりたいと考えてるって話してからは話すことが無かったんだよね。
「キスより、先に行っても良い?」
「なんとなく言おうと思ったけど、もういいかな?」
「ううん。いいよ、奏さん」
「そうか」
柔らかい笑みを浮かべてから真剣な表情を浮かべて、そっと唇を重ねるとしだいに熱を帯びてくるような形になっていくんだよね。
「俺は本気だから」
ただ一言告げて彼の手が腰に置かれているけど、さらに強く引き寄せてきたんだ。
わたしは奏さんの肩に腕を置いて、立膝になるような形でソファに座っている。
「ん……」
ときどき漏れる声は自分の声じゃないような感じがする。
しだいに体の力が抜けてきてあのときみたいに、やんわりとソファに押し倒されてしまった。
でも、キスの雨はまだ止むことはないし、わたしも拒むことはせずに受け入れていた。
しだいに首筋にキスをすると、そこに熱が移されたように熱くなる。
「んっ、奏さん」
「どうした?」
「ここじゃ、ちょっと……恥ずかしい」
「そうだな。それじゃあ、ちょっと失礼」
そう言って奏さんはお姫様抱っこをしてきて、部屋に向かおうとしているのがわかる。
漫画で見たようなシチュエーションで少しドキッとしてしまう。
軽々と持ち上げられてびっくりしてしまったけど、それ以上にドキドキが止まらなくて信じられない。
「美琴、ちょっと待っててね。電気、消してくる」
リビングとかの照明を消してきて、さらに部屋の電気も消して少し暗めに照らすことができる間接照明だけがついているのが見えた。
薄暗いなかで奏さんが耳打ちしてきた。
「もう、大丈夫?」
「うん。怖いけど……奏さんだったら、良い」
そう言うと奏さんもそう聞いてうなずいて、こっちに抱き寄せてきたのがわかる。
「わかった。俺もそんなにしたことがないから、優しくするよ。できるだけ」
そう言うと再び甘くてしびれるようなキスをしてから、着ていた服はもう奏さんの手でベッドの下に落ちていた。
自分の緊張している体は彼が触れたり、キスをした場所からしだいに熱が帯びて行く感じが伝わる。
ひんやりとした空気に触れているはずなのに、体のなかが熱くなってきているの。
しだいに甘い声が漏れてしまうくらいになってしまうのを我慢してしまう。
「美琴。声、聴きたい」
「でも」
「ダメ、聴きたい」
思わず声を出してしまうようになって、いままで知らなかった自分を見るのにびっくりしている。
奏さんは色気が漂っているのが見えているのがわかるし、とても心がドキドキしている。
キスをしてからお互いに呼吸を荒くなってきた。
それ以降の記憶はあまり覚えていない。
ただ甘くて、しびれるような感覚だけが体に巡っているのがわかった。
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