第7話敗戦のラクトア国兵が数万の難民とともにやって来た。が兵士は信用出来ないから追い返す。
まだ戦争は始まってないのだが来た者は仕方ない。去る者は追わず、来る者は拒まずである。
こちらの獣人国のフォクス城に向かって来る者で、まだ奴隷の首輪を付けているものの解除を行い、コロポックル城と半々になるように振り分けるのであった。
人族がフォクス城とコロポックル城は互いに戦争時援軍として駆け付けることができるように道が整備され一日で来れる距離に作られていた。
ラクトア国と獣人国、小人国の間には魔物が多く出る魔の森があり、ラクトア国から逃げてきた人達を守る為、ゾンビ達やスケルトン達に、夜の間だけでもいいからと魔物討伐をお願いしたのだった。
ゾンビやスケルトンは、昼間の明るいうちは土の中に隠れる事ができる為、死霊倉庫に戻らなくても、大丈夫なようだが、その際は負傷した所とかは治らないらしい。
それでもやっと来た出番に張り切って出ていくのであった。
ゾンビ達の親玉ゾンビキングの元騎士一番隊長ゾンゲやスケルトン達の親玉の元勇者の盾の勇者スケルトンキングのタクヤが言う「主様、例のごとく、魔物の討伐部位と魔石や素材は、主様のアイテムボックスに転送しますので、食糧となる肉はこちらで、もらってもいいですか?」と聞いてくるので、それでやる気が出るならとOKを出したのであった。
レイマからラクトア城が気になるので、偵察隊の許可が欲しいと言うので許可し
「ついでに侵略状況、周囲の状況3つの国の進行状況の確認とその他の気になることがあれば調査、報告をお願いします。」
「はっ!主様お任せ下さい。ついでに獣人国、小人国から追い出した2つの城の兵士の現在の動きも細かく調べさせます。後、フォクス城の北西の崖に仕掛けた罠の配置の状況等も調査します。」
「ハイ、お願いします。」
戦争が起これば避難民もまだまだ沢山来るかもしれないのでその対策も必要だった。
基本として、2つの国の内フォクス城はセリア姫とガルシアが国と城を納め、宰相にエルフ族のエロさん(年齢は非公開だが450才を超えているらしいがすごい美人でグラマーな人でそれが名前の由来なのではと思っていまう)が国をまとめ、セリア姫を女王とした。
コロポックル城は属国扱いとしてランドが城主、宰相として、幽霊が見える元小人国のポロン国ホビットの元王子ポックルさんと補佐役にヘズマさんと幽霊のミサキさんが納めることになった。
エルフ族の人達は、元々小人国の森の方に住んでいた為、そこで暮らす事になった。
小人族には体調20cmのコロポックル族と体調30cmのホビット族がいて、仲良く地下にて街を作り、魔道具作成のプロ達なのであった。
コロポックル城の管理、運営、情報処理や書類作成等はミサキさんに任せ、ヘズマさんとポックルさんが他の獣人族や小人族やエルフ族を使い立て直しに躍起になっていた。
セリアを自立させねば元の世界に戻る時、戻れなくなるからここは、心を鬼にして決別しょうと考えたのだが、なぜだかセリアはコロポックル城に入り浸り、ベットで寝るときも入って来て一緒に寝るし、風呂にも一緒だし、食事の時は自分の膝に座って一緒に食べるのであった。
「セリア、お前の城はフォクス国の城だぞ、お前がここにいてはガルシアさんが困るだろ。」
「いいの、セリアはココがいいの、お兄ちゃんと一緒に居るの。」と頑として戻ろうとはしないのである。
セリアがいるので、ついでだから、読み書き、算数を教えるのだが、苦手なのかイヤイヤ、渋々勉強をするのだった。
休みながら、魔法の訓練、獣術の反復訓練も実地して、どうすればセリアをフォクス城に行かせるかを考え、フォクス城に慣れていないのが原因かと思い、俺が暫くはそっちで暮らしてセリアに慣れさせようと思う。
「ポックルさん、ヘズマさん、ミサキさん当分はフォクス城に行って来ますので、ここは皆さんに任せていいですか」
ポックルさんが代表で応える。
「はい、ランド城主様任せてください」
そう言われたのでセリアを連れて、ランドの魔法の身体強化、獣術の身体能力upを掛けてからフォクス城に行くと、30分程で付くのだった。
ガルシアさんが慌てて出てくる。
「セリア様、ランド様申し訳ございません。お迎えが遅くなりました。」
本当はセリア姫と呼ばねばならないのだが“セリアはセリアなのセリア姫じゃないの”と言ってセリア姫というのを嫌った為、セリア様と呼ぶようになっていた。
そう言いながら、城の国王の間に一緒に通される。
ガルシアさんは山のような書類の中でエルフ族の宰相のエロさんと、一緒にキツネ族やイヌ属ネコ属ウサギ族等の人達を使い、書類整理、城内整理、情報管理を朝から夜遅くまで頑張っていた。
「ガルシアさん、色んな書類整理やら何から何まで押し付けてしまって申し訳ないです。セリアもお前の仕事なんだから覚えなければ行けないんだぞ。(自分の事は棚に上げるのだった)」
「えっえ~、やだぁそんなことより、お兄ちゃんと一緒にいるの」
「ランドさま、今のセリア様には無理というもの、少しずつ教えて行きたいと思います。それよりも、ランド様とセリア様は、獣術の隠蔽、身体能力up、疲労度軽減、動体視力up、反射神経up等を簡単に覚えられたとか、さすがで御座います。
獣術は獣族でも精神Pと精神力が無いと覚えることが難しいとされてます。
通常の獣人でさえ、多くて2つ~5つ程度しか覚えることができません。
それを1日で簡単に5つ覚えられたと聞いております。才能の塊だと思いますので更に沢山覚えられる事でしょう。
獣術には更に沢山の技があり、私でも本でしか知らない技もあり、奥義などもございます。
獣族の種類によって覚えやすい物、覚えられない物等もありますが、それらを使える者を呼んで訓練されては如何ですか。
更にランド様は獣変化が出来ますので、獣術の奥義が会得できるはずです覚えてみますか?」
「興味がありますので、教えて頂けますか。秘密なんですが、セリアも獣変化が出来ます。ランドのステータス操作で見えないように、隠してるだけですので普通に使えます。
セリアは本当は妖狐九尾族という種族です。
一緒に教えて頂けますか。セリア兄ちゃんと獣術を覚える競争だぞ、いいな。」
「お兄ちゃんと競争なの、やるー、一緒に覚える。」
セリアは自分と一緒にやることには、負けん気を出して、凄い力を出して物覚えがいいのだった。
「何と、セリア様はもしかして、伝説の九尾の狐の獣変化が出来るのですか?、それなら獣術よりは、それを覚醒させたほうが良いです。それを覚醒させたほうが無敵の存在となります。ぜひ、それを訓練しましょう。」
「いや、絶対イヤお兄ちゃんと勝負するの」
一度言い出したら聞かないセリアの為、説得をするのだが、ガルシアさんは、説得疲れをして、折れて先に獣術の訓練を教えてくれるのだった。
「セリアの獣変化の九尾の狐への覚醒は、やはり月を見せればいいのか?」
「キツネ族の人から聞いたことがありますが、覚醒の獣変化は感情が作用しているそうです。」
「俺はやはり黄色い満月を見ないと金狼には変化しないのか?」
「いいえ、ランド様の父上ガンド様は、黄色い丸い球を常時お持ちになり、それを見て変化していました。ただ、効力が長続きはせず、10分程の変化でした。」
「やはり親父も、変化が溶けるとフリチンになったのかい?」
「イエ、ガンド様は小人族が作る魔道具の伸び縮みがして破けない服を身に着けていたのでそういうことは、無かったです。
ランド様の服と疑似の黄色い月を小人国に発注してますので、この前のようなフリチンには、なりませんので大丈夫です。」
それを聞いてホッとしたのであった。金狼への獣変化のたびに、フリチンになったら、笑い者だからだ。
「まず、今覚えている獣術の技のおさらいをしましょう。隠蔽は敵又は味方に悟られずに透明化し見えなくすることが出来ます。
身体能力upには、全身を均等にupさせるのとは別に個別に腕力や筋力や脚力、俊敏、感覚、味覚、嗅覚、視覚等を上昇させることもできます。
疲労度軽減は疲れを軽くすることが出来、それにより、2、3日休まずに連続で走り回ることができます。
動体視力upは物の早い動きにも、スローで見ることができます。
それに伴い反射神経upはそれに対処することができます。
更に獣術には、
索敵=敵を見つけることができます。
咆哮=敵を威嚇することで、動けなくすることが出来ます。
見切り=敵の動きを前もって予測し攻撃を回避することができます。
回復=怪我を早く治すことが出来ます。
身体硬化=身体を岩石のように硬くすることができます。
瞬歩=敵との距離をアッという間に縮める事が出来ます。
生命力up=生命力を一時的に上げることができます。HPが1の時からの生命力が半端なく上がります。
全異常耐性=全ての異常への耐性を持ちます。
俊足、俊敏=素速く動き、速く走ることができます。。
魔力感知=魔力を感知することができます。
魔素感知=魔素を感知することができます。
魔素は魔族が濃く持つ者のため魔族の判別ができます。
気配遮断=気配を完全に断つことができます
その他にも色々ありますが獣変化が出来る人しか覚えることができない奥義、秘技、秘奥義というものがあります。その奥義の一部として
分身=自身の分身を一時的に作ることが出来ます。
金剛=身体を鋼鉄のように硬くします。
空間跳躍=空間を蹴ってジャンプを続ける事により何も無い空間の移動ができます。
秘技として
身体伸縮=身体能力はそのままで身長を3倍に大きくしたり、縮めたり出来ます。
絶対防御=魔法も物理攻撃も完全にふさぐ事が出来ます。
秘奥義として
息破動砲=威嚇とは違い超音波のようなものを口から出して敵を殲滅します。
この攻撃は魔族が一番嫌がり、魔王を倒したと言う伝説ではこれで倒したそうです。
拡散で放てば多数の敵を倒し、集約して放てば岩山をもくり抜くほどの威力を出したそうです。
その日からセリアと競って覚えるのだった。
獣術は獣気を使う為、日本の武術と似た感じがあり、自分ことランドは2日で瞬く間に全ての獣術を覚えることができたが、セリアはまだ、LVが低いせいか、獣変化ができないからか、精神P、精神力が足りてないからか奥義、秘技、秘奥義の修得は出来なかった。セリアは勝負に負けたことが悔しいらしく、悲しそうであった。
そんな時慌ただしく念波が入る。
『主様、大変です。北にある神聖国家のコンロン国は北東から獣人国と小人国にも20万の軍勢を進軍させていました。魔族の地とも接しているので魔族のハッピー族がこの軍に対して、攻撃を仕掛けていますがほぼ互角の戦いをしています。』
念波でミサキさんにこの話をすると、
『神聖国家コンロンは人間至上主義の為、人以外は認めていないので、侵略しに来たのでしょう。でも、戦闘中なら食糧輸送隊も油断しているかも知れません。つまり”鴨がネギしょってやってきた”ようなものです。今のうちに輸送隊の食糧を回収しましょう。食糧が無ければ引き返すでしょう。』
『分かりました。自分が行きましょう』
例のごとく従属のシルバに身体を任せて幽体離脱をして北東に進むとかなり激しい戦闘が繰り広げられている。
夕方近くになっていて、輸送車の近くには兵士はいるが、戦闘が気になるらしく、そちらの方ばかりを見ているので、遠慮無くドンドン気づかれる様子もなくアイテムボックスに入れていく、全て入れ終わった頃、兵士たちが気付き(輸送車がない、いきなり消えたぞ)とパニクルのだった。
礼ではないが帰り掛け覚えた獣術の試し打ちをして、落ちている魔族のハッピーをほとんど回収してから戻ったのだった。
フォクス城に戻ると、セリアがランドの身体に入っているシルバに詰め寄っていた。
「お兄ちゃんじゃない!あんた誰なの?お兄ちゃんを返して、戻して」と歯をむき出して怒るのだった。
シルバと交代してランドの身体に入ると、
「良かった、お兄ちゃんが帰ってきた」という。セリアは感覚的に人の魂が分かるようだ。そういや、まだセリアには言ってなかったなとシルバのことも言うのだった。
「セリア、俺は仕事でこの身体から抜けることがある。その際の身体を守ってもらうためにシルバという人にこの身体に入ってもらっているからシルバの言うことも聞くんだぞ」
「セリアにもその技を教えて、セリアもその技を覚えたい。お兄ちゃんお願い。」
というがコレばかりは命に関わる為おしえることができないのであった。
困っているとミサキさんから、念波が入り『小人族のポックルさんがランド城主に一度地下の小人の街にお招きしたいと身体を縮める事ができる魔道具をお預かりしていますどうしますか?』助かったと思い
「セリア、小人の街に招待されたけど一緒に行くか?」
「小人の街、行きたいどうやって行くの?」
「何でもコロポックル城の地下にダンジョンが有り、その中に街を作って住んでいるそうだぞ。
その中に入るには身体を縮める魔道具が必要で用意されているそうだから、一緒に行くか?」
「行くー、セリアも行く、お兄ちゃんと一緒なら行く。どういう所か楽しみだなー」ミサキさんに今から帰ってセリアと一緒に小人の街に行くことを言い、急いで戻るのだった。
城の南側の城壁近くに10m四方囲まれた壁があり頑丈なドアの前には小人の兵士と獣人の兵士が10人づついて上にも弓隊が常駐しているようだ。厳しく管理しているのがわかる。
ポックルさんが案内をしてくれるようで、自分とセリアの後ろに小人の兵士5人が付いてくる。
入り口は50cm程で小さくそこで
「セリア様、ランド様こちらが身長を縮める指輪型の魔道具です。普通は魔力を流すのですが、精神pでも使えるように改造してあります。」そう言って渡してくる。
「大きさも精神pの量で高さを自分で調整出来ますので、やってみて下さい。」
そう言うので身長をポックルさんと同じにするとセリアも真似て同じ高さにする。自分と同じ目線がセリアには嬉しいらしく、自分の手に抱きついて来る。
「うふふふふ、恋人同誌みたい、嬉しい」と気分はルンルンのようだ。
多分小さい子供がよく言う戯言だと思うから無視しておく。
10分程の下りの階段を降りると体育館を30個並べたような物凄く広い空間に出た。商店街には色んな物や魔道具や武器や防具や食糧、本や服や見た事も無いものまで売っている。
商店街を通ると集まっている住民から大歓声が起こり祝福されたのだった。
城のようなポックルさんの家に招かれ食事を振る舞われていると、
「ポックル様、大変です暫くは鳴りを潜めていたダンジョンの地下の奥からスタンビート(魔物の大量発生)が起こったようです。早くお逃げください。」
「セリア様、ランド様申し訳ありません。そういう事ですので、地上に戻られて下さい。モテナシもろくに出来ず申し訳ありません。」本当に悪い事をしたと思っているようで、落ち込んでいるので
「フォクス城で獣術を2人して学んできたところですので、丁度いい訓練と実戦をやりたかったので、私達がやりましょう。
任せてください。セリア2人で魔物を倒すぞ。いいな」
「分かった。お兄ちゃんと一緒に戦う」
小人の兵士が30人付いてくるが最初は手を出さずに私達に任せてください危なくなったら手伝って下さいと言っておく。
急いで地下奥へと向かうと弱い魔物がウヨウヨやって来るが、今の身体の大きさは30cm程の為、スライムやゴブリン等が怪物のようにデカい。小さくなったとはいえ身体能力は大きい体のままなので獣術も使わずにドンドン倒して進んで行く。
「セリア、魔物が弱いな拍子抜けだな、これじゃ訓練にもならないや、面倒くさいだけだからまとめて倒すからチョット離れていてくれ、」そう言って皆を俺の後ろに下がらせて獣術秘奥義の息破動砲の拡散でまとめてふっ飛ばすのであった。その時、
“ズンズン““オオオ~ン”地響きと唸り声が奥からして来て段々近づいて来る。大きな斧を持った3m程の大きさのミノタウロスで冒険者ランクDの魔物だ。10体程が来る。ここは元の体の大きさまで戻って戦うことにする。セリアには荷が重たいだろうから「セリアは危ないから見てていいぞ」というがセリアも同じく、元の大きさに戻り、
「セリアも戦う。」と言うのであった。
身体強化の魔法を2人に掛けて獣術の身体能力upをそれぞれ使い、先ずは先に自分が剣を持ち行く。
思いっ切り斬りつけるとミノタウロスが斧で剣を止めようとするが、斧の刃ごと簡単に身体を断ち切れたのであった。
「エッ、何こんなに弱い魔物じゃないはずなんだけど。」と思いながら向かって来る3体を同じく剣の一振りで倒すのだった。
後ろからセリアが別のミノタウロスに向かって行く。ミノタウロスの攻撃を避けながらセリアも攻撃をすると、10回程で倒したのであった。自分には弱すぎるので
「セリア、このミノタウロスは全部お前が倒してみろ、いい経験値稼ぎができるはずだから、危なくなったら助けるから」
「うん、分かったセリア一人でやる」残りをセリア一人で倒しセリアは息を”ハァーハァー”言いながらやりきった感で満足している。
兵士の一人が「凄いあの強いミノタウロスをあっと言う間に10体も倒してしまった。一体でもこちらに死傷者が沢山出るのに何て強いんだ。」と噂していた。
兵士が近付いて来て「出来ましたら魔物の素材はこちらで買い取らせてください。その素材を使って魔道具の作成で生計を立てている街なので」
「良いですよ、魔物の素材をまだ沢山持ってますからそれもお譲りします。」
丁度いい、ラミア等の素材も全部この際だから売ってアイテムボックスの整理をしようと思う。ミノタウロスの体と斧をアイテムボックスに入れていく、身体の小さな小人には、重すぎるから運んであげることにしたのである。
街に戻り、街の買い取り専門店に行くと物凄く大きな倉庫に案内されて、そこで素材を出すようにお願いされたのでアイテムボックスを見ると、数百万の魔物の素材やら魔石やら魔物の討伐部位が入っていた。
(????これは何だ、何故にこんなに沢山の物が入ってるんだ???、そうか、そういえば、ゾンビやスケルトン達に魔物退治をお願いしてました。ビックリしました。)と独り言をツイ言ってしまった。
フト、ステータスを見るとLVが26まで上がっていた。
この前まで低いLVだったのにと思っている側でLVが27に上がるのだった。
ゾンビやスケルトン達が頑張っているようだ。後で酒とツマミの差し入れをしようと思う。
倉庫に入りきれない程の魔物の素材と魔石を出すと口をあんぐり開け、信じられないという顔をしている。
まだ出し切れていないので「後、半分程あります。どちらに置けばいいですか」と聞くと
「イエイエ、当分はこれで事足りてますのでアイテムボックスに余裕があるなら暫くはそのままにしてもらえますか」
「分かりました、必要なら何時でも言ってきてください。」
「買取代金なんですが、大変申し訳ございません。今すぐには用意出来ません。物を作り売ってから出ないとお金が有りません。」
「お金は何時でもいいですよ。今は困ってませんから」自分が魔物を倒して取ったものじゃないから執着心はない。
コロポックル城に戻り、身体をシルバに預けて魔の森で魔物討伐をしてくれているゾンビやスケルトン達のもとに行く。
大分激しい戦闘があったらしく、殆どが負傷している為、死霊倉庫に入ってもらい回復してもらう。
「皆さん、ご苦労さまです。死霊倉庫に入って癒やして下さい。酒とツマミも沢山置いていきますので、休まれて下さい」
「「「「オオオオーッさすが、主様、分かってるー。今日は飲むぞー、倒れるまで飲むぞ」」」と嬉しそうであった。
ホンの数名が残り、街道の警護に当たるそうだ。命令しなくても、率先して動いてくれるので助かっている。
城に戻りかけると、レイマから念波が入る
『主様、ラクトア国の兵士5万とコンロン国の兵士20万の戦いが北西の方で始まりました。ラクトア国の5万の兵士は、食事もしてなく、疲労でほぼ戦う気力もなくラクトア国方面に逃走中です。
コンロン国は北西の罠の方から、獣人国に向かうようです』ならばと、カモネギ作戦を実行に移す。
罠はラクトア国の兵士様なので、それを使いコンロン国を粉砕するのは気が重いが、向こうから攻めてくるので心を鬼にして、罠の発動を許可する。
その間に食糧輸送隊の方へ行き根こそぎ奪ったのだった。
目の前の食糧を積んだ馬車が行き成り消えてなくなるのだから、兵士は皆パニクッてウロウロするばかりである。自分が見えていないので反撃もできず、慌てて、馬車に抱き付く者もいるが、アイテムボックスに収納すると生きている馬や兵士だけがその場に取り残されるのであった。
その頃、負傷した兵士が大多数戻って来る。
「治療を頼む」と輸送班に言うが、何も無いので皆狼狽えるだけで、それを見て帰るのであった。
フォクス城で寝ていると朝方、レイマから念波が入る。
『主様、ラクトア国に三国が同時に攻め込みました。最早ラクトア国は反撃らしい反撃も出来ずに大半が武器を捨てて降参しています。城から多量の兵士と難民が獣人国に向かってます。もしかして、獣人国と小人国が我々に占拠されているのを知らないのかもしれません。』
『分かった全ての難民は獣人国に受け容れるが、兵士の方は駄目だ、アイツラは信用出来ない追い返せ。今からゾンビやスケルトン兵をそちらに連れて行くが明るいうちは戦えないから獣人族や小人族、エルフ族で対応する。』
『ハッ、分かりました。敵の兵士数が多い為、奇襲をかけて敵の兵力を削ぎ、体力の消耗をはかります。』
『うむ、任せましたよ。ヘズマは幽霊が見える為、総指揮をヘズマさんに任せます。』
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