第6話獣人国と小人国を取り戻し国を作る
昼まで寝て、食事をしてから獣術の隠蔽を使い、まだ見張っていた不死者捜索隊の目を掻い潜り、集合場所の古い使われてない教会へ向かう。
セリアを見て、獣人は片膝を付き、臣下の礼を取り涙を流して
「セリア姫、お会いで来て光栄です。セリア姫に忠誠を誓うことを約束します。」合う獣人全てがそう言うが、セリアは行き成りのことで何をこの人達は言ってるんだろうという顔をして怖がって自分の後ろに隠れるのだった。セリアにこの人達はセリアの味方だからなと言っておく。
獣人族、小人族、エルフ族の頭が揃って会議を行う。そこに、自分とセリア、人族代表としてカズマ改め、ヘズマさんに参加してもらう。
人族のヘズマさんを見て、他の人は歯をむき出して今にも飛び掛からんばかりの殺気を放っている。
ガルシアさんが皆を諌めて言う。
「今は協力して、我が国を取り戻す為に、恨み辛みは忘れてくれ。私はこのヘズマを信頼でき、作戦には必要不可欠の人だと思ったからここに呼んだ」
進行役は自分ランドがやり、幽霊の従属の元勇者ミサキに影の参謀兼頭脳として作戦を立ててもらう。
ミサキさんが言う事は幽霊の為に皆に聞こえず見えない為、ミサキさんを真似て自分が続けて言う。
「時間がない、これより立てた作戦をいう。兵隊経験者や傭兵経験者、冒険者など戦闘経験者を優先的に奴隷の首輪を解除して、占領されている獣人国と小人国に攻めてもらう。その為に、この人族の冒険者ヘズマの力が必要になってくる。」そう言ってヘズマさんを冒険者として紹介する。
その後、地図を広げる。
地図には北東に元の獣人国、南東に元の小人国があり、ラクトア国と獣人国に山脈があり、同じく小人国とラクトア国の間に山脈がある。
山脈と山脈の間に魔の森があり、そこに街道の道ができており、ラクトア国と獣人国、小人国の境目に巨大な渓谷があり、巨大な倒木の橋ができていた。
今まではそれで分断されていた。街道は侵略後ラクトア国によって作られたようだ。
「作戦はこうだ。まず今入っている情報だと、獣人国と小人国に1つづつ巨大な城塞が築かれているそうだ。
1つの城が攻撃を受けたら、もう1つの城が後ろから挟み撃ちにして迎撃するつもりのようだ。
壁の高さ10m、縦、横の長さ4KM、中にはそれぞれ約5万の兵士が駐留している。
それに対して我らには良くても今の所、1000人の主力しかない為、このままでは戦争にすらならない。
よってそれぞれの城塞の兵隊を騙して外に誘い出す。
先ずは獣人国の城からだ。
人族がラクトア国の兵士に化けて、王様からの緊急援軍要請を”全軍出撃せよ“と先ずは、獣人国に居る軍隊に届け、北西の20km離れた荒野の山岳地帯に誘い込む、その地には切り立った崖の中腹に3m幅の道が5km程続いている。
そこを渡りきったところでその道を破壊して戻れなくする。
迂回して戻って来るには5日程掛かるから戻って来たら、疲労困憊のところを叩く。
戻って来るにせよ、崖沿いの道を通って来るだろうから、そこに罠を仕掛けておく。
崖の上に落石の罠と弓矢部隊を配置する。夜は魔物のティマーしてある奇襲部隊に宛があり、敵は全滅すると思われる。(どうも、ミサキさんは、ゾンビやスケルトン、ゴースト等を言っているようだ)。
だが、指揮者がまともなら、ここへ戻らずにラクトア国の北西の辺境要塞都市へ行くはずだ。そこには北西から戦争を仕掛けてきたキンナリ国が占領している頃だろう。
更に北から神聖国のコンロン国がラクトア王都に向かっている為、どちらかと戦争になるだろうから、5万の兵は全滅するだろう。
同じ様に小人国にも同じ手を使い、南西の渓谷に全軍を誘い出し、20kmはある渓谷の1つしかない天然の岩石の橋を全軍5万を渡らせた後にその橋を破壊する。
その5万の軍は南西にあるラクトア国の南西の辺境軍事要塞都市へと向かわざるを得なくなる。だがそこもマルサ国が侵略しており、戦争になるか、ラクトア王都へと向かわざるを得なくなる。兵の少なくなった2つの城は我らが奇襲をかけ我らの城となる。ここ迄で何か質問がある人はいるか?」
「ラクトア国の軍が簡単に信用するとは思えませんが」
「問題無い、ラクトア国の軍隊の装備一式を数万人分持っているし、ラクトア王の印も持っているからな、封蝋にその印を押せば命令に従わずにはいられない。
背けば反逆罪になるからな。(エッ、俺持ってないよ、どういうつもりと念波で聞くと、寝ている王様が指にしてた指輪がそうだという)人族のこのヘズマに兵隊の変装をしてもらい手紙を届けさせる。」
「奇襲部隊というのは、何人で何人いるんだ?こちらと戦争にはならないのか?信用できるのか?魔物と言っていたが大丈夫か?誰がティマーしてるんだ?」
「ゾンビやスケルトン、ゴースト等の不死者5万以上になり、私がティマーして、従属しているから問題はないが、それらは夜しか動けない。」
「奴隷だった人族も含めた全員を獣人国と小人国に連れて行くというが、食糧はどうする?人族には食糧を渡して俺等が腹を好かせるのは嫌だぞ」
「それも問題ない今、城で全ての物資が盗まれてパニックになっているが、あれは、私達がやって、アイテムボックスに保存してあるし、輸送中の荷を全部かっ攫ったのも私だ、数十万の兵士が数年食べていける量がある。」
「スッゲー、かっけーやるじゃん、なら問題無いあんたに付いていくよ」
それからの質問も無いので、奴隷の首輪の解除を行い、3000人程を自由にしてあげたが奴隷の首輪は外さずに付けたままで5日後まで我慢するように念を押す。5日後に合図とともに獣人国へ向かうようにというのだった。その中にはセリアと同じくらいの年の子供も何名かいて一緒に遊ぶのだった。
自分とセリアは時間のある時や、休憩時には色んな獣人から獣術の身体能力アップ、疲労度軽減、動体視力アップ、反射神経アップ等を教わったのだった。意外とスンナリ覚えることができたのだった。
奴隷の首輪には下級、中級、上級、超上級が有り、簡単には他の人が外せないように数字のパスワード設定がなされていた。
パスワードが分からないと奴隷解除魔法が使えないのだ。
下級には、一桁或いはソレすらもないものもあった。中級には二桁、上級には三桁のパスワードが有り、自分の鑑定ではそのパスワードが書かれていたので直ぐに奴隷解除ができるが超上級は鑑定妨害がなされていた為、調べようがなく、カズマさんが付けていたのがこのタイプであった。
そのまま戻らずに一緒に過ごして、食事をして、夜中にかけて300人程の奴隷の首輪を解除したがほとんどが人族であった。
人族の帰る場所のない人、親に売られた人、騙され裏切られた人、生きる希望もない人、盗賊団に家族を殺され家を焼かれ人に酷い仕打ちをされた者達でここから出ていきたい、獣人国に来たいという者ばかりであった。
明け方からラクトア国から兵隊が万単位で出ていくのだった。
それを好機と見て、獣人族500人や小人族400人、エルフ族200人、人族100人と自分とセリアで獣人国へ向う。
セリアには残るように言うのだが頑として聞かないのだった「絶対にセリアも行く!お兄ちゃんと一緒に行く!」
「足手まといだから残れと」言っても聞かないのである。
「付いてこれないなら置いていくぞ」そう言ってから、身体強化の魔法を全員に掛けてセリアには、何度も重複で掛けておく。
その後、獣人は獣術も使って獣人国を走って行く。ほぼ一昼夜走りっぱなしでもセリアは音を上げずに付いてきた。
馬車で5日掛かるところを1日で来て、元の獣人国との境目にある幅300mはあるであろう渓谷に来て巨大な倒木の橋を渡りきったところで、休憩となったのだった。
深いジャングルのような場所であった。
食事を終えた所で念波でミサキさんが
『今日はキレイな満月の3連月夜で3つの月が見えてるわね』と言う。
異世界には魔族が住むという黒い月、精霊が住むという黄色い月、死んだ魂が行く白い月があるというが初めの頃は珍しさに良く眺めていたがランドの身体に入ってからは忙しくて見てなかった。
その月を見ようと黄色い月をみたときだった身体の奥底から力が湧き上がってくる。
制御不能でドンドン溢れ出してくる。
それと同時にランドの身体が狼の様に変化してドンドン身体がデカくなって金色に輝く、溢れるパワーに我慢できなくなり、ツイ月に向かって思い切り吠える。
「ウオオオオーン」と吠えたときだった獣人の殆どが同じく身体が光、バフ効果が発動したらしく2~3倍の身体強化され、犬族は約5倍、オオカミ族はなんと10倍のバフ効果があったのだった。
ヘズマさんが驚いて「ランド、意識はあるか」と聞くので
「ああ、なんか身体から力が沸き起こってくるよ。ヤベー身体がデカくなったから服が破けちゃったよ。
どうするべ、困ったなー、元に戻ったら丸裸だよ」5m程に身体がデカくなっている。鑑定で軽く見ると身体が光っているのは魔法無効の輝きらしい。
「お兄ちゃん、カッコイイ凄いすごい」と身体が光っているセリアは、大はしゃぎで抱きついて来た。
ガルシアさんが「伝説の金狼だ、魔王を一人で倒したという金狼だ、勝てる獣人が全てを制圧できる。人族等最早相手ではない。」
「ガルシアさんコレを元に戻すにはどうすれば良いですかね?」
その時だった森の至るところから遠吠えが引っ切り無しに起こり、いつの間にか周囲には獣人が3000人程集まり、膝を付き臣下の礼を取る。
「我が王の呼び掛けに呼応し、馳せ参じました。何なりとご命令ください。」と自分に向かい言うので
「ゴホン、ああでは、私達は獣人国と小人国を取り戻す為に、来ました。
皆さんにも協力して頂けると助かります。」
「「「「ハッハー、仰せのままに貴方様にこの命を捧げ忠誠を誓います。」」」」
何か大事になって来たが、仲間が増えるのは素直に嬉しい。
作戦の内容を話し、人族とも仲良くすることを話し、これから獣人国と小人国の奪還に向かうから合流するように言う。
その後もドンドンと集まって来て1万人程になったのであった。
セリアを前に出して言う。
「フォクス国のセリア姫だ、我が父から守るように言われている。セリア姫を立てて建国するぞぉー」
「「「「おおー、セリア姫が生きていた朗報だこれで世界は我等のものに」」」」
「イヤイヤ、私はそこまではしたくない、これ以上血を流さないようになるべくしたいから皆さんそのつもりでいて下さい。」
他の人をなだめるのに時間を取られたのだった。その日はその場でキャンプをして身体を休めたのだった。
昼一に作戦を結構する。ミサキさんが援軍要請の文書を作る。
”北西20kmの地にて敵軍に囲まれている、全軍5万の兵で出撃してこれに当たれ“ラクトア国の王の封蝋印を押す。
ラクトアの兵士の装備をヘズマさんに変装させ馬に乗って獣人国にある要塞にて、大声で言う「開門、ラクトア王からの緊急要請、今直ぐに全軍の出動の書簡あり開門!」直ぐに城主の所へ案内され、文書を手渡して
「急ぎ、全軍にて援軍を出して王を助けて下さい。今まさに戦闘中です!」
「分かった。全軍出撃せよ!」
100人程の守りの兵士を残して全軍出ていく。ヘズマさんは案内役として同行するのだった。
北西の20km離れた荒野の山岳地帯に誘い込む、その地には切り立った崖の中腹に3m幅の道が5km程続いている。
最後の歩兵達が渡りきった所で夕日も落ちていた。
カズマさん事ヘズマさんは崖を戻りながら崖の道を魔法で破壊する。
それに付いていったミサキさんも爆裂系魔法をバンバン放ち5kmの道を完膚無きものにした。
その頃ランドの身体をシルバさんに預けて、幽体離脱をした私シタロウが場内を周り兵士にスリープを掛けて眠らせて行き、門のところまで来たときに、門を開け念波でシルバに合図を送り、兵士は縄で拘束するように指示する。
獣人の兵士5,000人が一気になだれ込んで来たので残りの兵士は武器を捨てて降参したのであった。
無血開城したのであった。兵士を地下牢に入れて、場内にいる人族に、ラクトア国に戻るかここで暮らすかの選択を迫り、出ていくものはそのまま行かせたのだった。
夜中にヘズマさんが帰ってきたので休憩をしてから次の小人国の作戦に切り替える。
この城を獣人フォクス城と名付けた。
翌日城に1000人の獣人兵を残して、小人国にある城に向かう。
同じ様にヘズマさんに変装をさせて、文書をもたせ、南西の渓谷に全軍5万人を誘い出し、20kmはある渓谷の1つしかない天然の岩石の橋を全軍5万を渡らせた後にその橋をヘズマさんは戻ってから破壊する。
行き成りの爆発音に軍隊は右往左往したがはめられたことを知り、戻れないならと5万の軍は南西にあるラクトア国の南西の辺境軍事要塞都市へと向かわざるを得なくなって進軍して行くのだった。
小人国も無血開城させたが、小人の人曰く、「この城は全てが自分達には大き過ぎて使い勝手が悪いのでランド様がお収めください。我らは元の地下の我が国へ戻ります。何がありましたら馳せ参じます」と言って膝を降り臣下の礼を取るのだった。
それを了解して収めるのであった。
これで、自分らの拠点となる城を2つも持つことが出来たのであった。小人国にある城をコロポックル城と名付けたのであった。
散らばっていた獣人や小人、エルフなどが集まってきてキチンとした街ができたのだった。
でもこれで終わりというわけではなく、これからが始まりとなるのだった。
ラクトア国までの、街道に関所と小さな城を作り、ラクトア国の反撃に備え、ラクトア国から逃げ出して来た人達を迎える準備も抜かりなく勧めていくのであった。
ラクトア国にいる獣人にどうやって合図を送ろうかと考えていたら、ドンドン奴隷の首輪を掛けられていた者達が向かって来た。
どういうことかと聞くと、合図の遠吠えを皆聞いて来たらしかった。金狼の遠吠えを聞いたようだった。
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