第5話死んだ勇者を救う。他の城からの輸送物資を奪う。そんな中ラクトア国が戦争を仕掛けようとした国々から侵略を受ける。

今日は外へは出ず休日として、部屋でセリアに勉強を教えていると、従属の元勇者の賢者ミサキから念波で報告を受ける。

『主様、例の地下牢がダンジョンの魔物討伐の休憩地となっているのですが、カズマが奥の牢屋に移動させられました。まだ生きており私が付き添ってお世話しています。

出入り口、手前に休憩室を作り討伐隊は休んでいるようです。

新しい勇者達なんですが、時おり頭を抱えて倒れたりしてます。頭痛が酷いようで直ぐに魔道士と神官が来て4人に呪文を放っていますが、治ったあとも暫くすると又同じようになるみたいです。』

『実は勇者の4人は洗脳魔法と精神魔法を掛けられているのです。その魔法が溶けようとしているのかもしれません。何かあれば報告をお願いします。』

勉強に飽きてきた頃、昼ごはんを1Fの食堂で食べると朝日亭のオーナーから

「すまんな、さっきは役人が入って来て」

「役人は何を探しているんです。」

「最近入ってきた人で、金遣いの荒いやつとか見たり、聞いたりしていないか。又は軍の装備品を身に着けているやつは見てないか、そういうやつの話を聞いたら直ぐに教えるように言われたよ。金貨1枚の報奨を出すってよ。」

やはり、城から取ってきたものは全部封印するしかないな。

「ギルドで噂を聞いたんだが、城の中はあらゆるものが無くなったらしいぞ」

「そうらしい、いま早急に2つの都市から緊急物資が運ばれていて、明日には届くらしい」

結構早く届くらしい。そのことを従属の賢者ミサキに念波でいうと

『それを、ラクトア国に入れさせてはなりません。全て徴収しましょう。』というが問題がある。

ランドの身体を抜けるとこの前みたいに、ランドの身体が持たずに死んでしまうかもしれない事を言うと

『大丈夫です、主様の従属の誰かに主様の身体に入ってもらえばいいのです』

それならばと今夜決行することになった。

部屋に戻ってセリアに獣術の隠蔽のやり方を教えるとあっさり出来てしまった。

セリアの頭を撫でて

「すごいぞ、セリアは頭が良いな」と褒めるとモフモフフワフワシッポをパタパタとすごい勢いで振り、

「うん、エヘヘへへお兄ちゃんの教え方が上手いんだよエヘヘへへ」という。

部屋のドアがノックされ、出ると1人の獣人がいて、

「今夜もお願いします。後で迎えに来ます」というが今夜は用事があって不味い、明日にしてくれと言うと

「かしこまりました。そう伝えます」と言って出ていくのだった。

晩飯を食べたあと、セリアをベットに寝かせ、白魔法のスリープを掛けるとグッスリ寝るので、死霊倉庫に居る従属の女冒険者のシルバにランドの身体に入ってもらい、セリアを守るように言って、他の人を近付けない様に言っておく。シルバは生前、元冒険者ランクBの剣士の人である。腕前は剣術LV6の強者だ。

自分もベットに横になり、幽体離脱で身体から出てシルバに代わり、自分に身体強化魔法を掛けてから、死霊倉庫に入っているゴーストの従属達に念波で

『空を飛べるゴーストの皆さんにやって頂きたい事があります。街道に散らばって輸送隊を捜して頂きたい。2つの輸送隊がこちらに向かっているはずです。見つけ次第念波で教えて下さい。

特に何もしなくていいので、監視だけをお願いします。』そう言ってから壁抜けで屋根に上がり、従属達に捜索してもらう。

従属達は『ウオッシャー』と気合を入れて、張り切って一斉に四方八方の空に飛び散らばっていく。暫くすると

『主様、北西の山間で3千人程の輸送隊を発見しました。輸送馬車は50台程です。今はキャンプの準備をしています。全員かなり、疲労が見られます。』

『主様、南の谷間で4千人程の輸送隊を発見しました。輸送馬車は60台程です。コチラはキャンプの準備が終わり晩ご飯も済、皆疲れて交代で寝るようです。』

皆さんご苦労さまです。他にも何か変わったことがないか夜だけで構いませんので周辺を念入りに捜索をお願いします。

ミサキに輸送隊の事を念波でいうと絶対に輸送を阻止せねばなりませんという。

輸送隊は、南の谷間のほうが近い為、そちらの方へ飛んでいく。近いと言っても直線では20km、それを馬車で運搬となると凸凹道、迂回やらで、50km以上に相当する道のりだ。

20分程で探し当てると、起きているのは2百人程で監視をしている。その監視役たちも木の切り株や岩等に座り疲れ切っていた。

輸送の馬車を監視している者に白魔法のスリープを掛ける。騒がれてはやりづらいからだ。

全部の監視員を眠らせてから、馬は外されている為、車ごとアイテムボックスに収納していく、気付かれずに全部を収納し、キャンプのテントの中で寝ている者達の中へ入り、全員にスリープの魔法を放ってから、テント以外を全部収納し、寝ている者もパンツ一丁にして、ドンドンと他のテントを周り誰にも気づかれずに、あら方回収が済んだので、今度は北の山間のキャンプ地へと向かう。

50分程でつき、先程同様、誰にも気付かれずに殆んどアイテムボックスに収納したのだった。

従属達を死霊倉庫へ戻して、お礼にお酒を5樽配っておく。

ー ー ー ー ー ー ー

監視役が交代が来ないので、起こしに行くと、テントの中にはパンツ一丁で寝ている男達がいるが、他には何もない。

皆をお越すと、目覚めてからは凄いパニックになったのだった。あんなに苦労して急いで運んできたものが、後1日で運び終わるところでいきなり、全てが盗まれたのだから、幸い監視員の武装している武具は残っていたので魔物との戦いは、問題無く王都までは行くことはできるらしい。

輸送隊がそれぞれの城から持出したものは、城に保管していた半分の食糧や、お金や武具一式だったそうな。

監督者、責任者は死を覚悟して王都へ向かうのだった。

ー ー ー ー ー ー ー

王都へ戻ると空が明るくなりかけていた。

少し眠り、昼近く起きるとセリアが、側でジ~ット自分を見ていたので、セリアの頭を撫でて「お早う朝ご飯を食べに行くか。」と言うとシッポをパタパタ振り、

「うん、でももうお昼になるよ、昨日は何処かに行ってたの?今度はセリアも一緒に行く。」バレているようだが、コレばかりはどうしょうもない。

「そうだな今度な、朝ご飯間に合うかな、駄目なら昼ご飯だな、セリアは朝ご飯は食べたのか?ご飯は何だった?」

「ううん、お兄ちゃんと一緒がいいからまだ食べてない。」

「セリア、宿代に朝と晩ご飯のお金は入っているから、遠慮せず食べていいんだぞ」

「うん、でも一人で食べるのはイヤ」

仕方ないので急いで1Fの食堂に行くと、オーナーは、朝ご飯を取っておいてくれていた。

オーナーに礼を言い遅い朝ご飯となった。宿の契約を3ヶ月分延長し代金を払っておく。

まだ、街中では、不死者捜査く隊がウロウロしてるため、カナン神官と合わないように、今日は下水道の魔物退治は止めて、ギルドへは行かずに薬草採取で王都の外へ出て、薬草を取っていると、南の街道と北の街道から早馬が王都へ入り、暫らくすると王都から兵隊2千人程が北の街道と南の街道の方へと千人づつ別れて走って行く。

夕方まで薬草採取をしてから、肩掛けバックに薬草20束と毒消し草20束をいれ、大きな麻袋2つと小さな麻袋1つに前回倒したアタビチャーというカエルの討伐部位舌を456匹分と、その魔石225個(この魔石は小粒ながら水色の色付きの為、水魔法が使える。普通よりかは高値で買い取ってくれる)

それを持って冒険者ギルドへ向かい、受付のミミーの方へ歩いていくと、左側の食堂兼酒場の方から、声がする。

「ほらアイツラですよ、行き成り強くなって、大稼ぎしているやつ、絶対怪しいですって妙な技も使うし、犯罪者の匂いがプンプンしてますぜ」とハイエナ族の兄弟達が不死者捜索隊を連れて来ていた。その中にはカナン神官もいる。

ヤバいとは思うが、今更どうしょうもない、

不死者捜索隊が自分のところまで来て、カナン神官が、自分を上から下までジロジロ見ている。開き直り、

「なんかヨウカ、俺は忙しいんだが」そう言って持ってきたものを受け付けのカウンターに置き精算をお願いすると、ミミーは

「昨日来るものと思い、待ってたんですよーギルドマスターのバルドーさんがお待ちです。こちらへどうぞ」と言うので付いていく。

後ろの方からの話し声をスキル聞き耳で拾うと

「どうです、怪しいでしょ。通報代の金貨1枚を下さいよ」

それに答えたのはカナン神官で

「微かに不死者の面影はあるけど、生きている人じゃないの、ハズレねお金は払えないわ。でも彼は監視したほうがいいかもね。」

目を付けられたようである。

でも私シタロウとは、気付かれていないようだ。ギルドマスターからブーンの残りの討伐代と羽根の素材代と今持っていったアタビチャーの討伐代と小さいけど水色の魔石代、薬草採取代をもらい、残りのブラックバードとオークとゴブリンの討伐証明部位と魔石は明日持って行くというと、

「オメエラのパーティーはよほど優秀だな、でないと、そんなに低いステータスでこれ程の成果は挙げられねえ。パーティーの名前だけでも教えてくれねえか。下水道の魔物退治じゃ勿体無い。」という。

ギルドマスターには、自分のステータスが見えているようだ。明らかに鑑定持ちのようだ。話をはぐらかして

「下の連中は何なんだ、人をまるで犯罪者みたいに、見てきやがって、胸くそ悪い」

「そう言うなって、あいつ等は国の役人だ怒らせるのは不味い、何でも王都で盗まれたお宝から何らかの全ての捜索を行っているらしい暫くすれば諦めるだろう」

ギルドを出てアパートへ戻るのだが、20m程離れて、後ろから騎士の装備が”ガチャガチャ“と音を立てて付いてくる。そんな時、脇道の影から小さな声がする。

(先程のギルドのやり取りを見聞きしておりました。暫くは接触は避けるつもりです。後ハイエナ族には制裁を加えておきます。)

獣人族の人であろう。

(その方が今はいいでしょう。後、暫くは王都内がバタバタしますので、旨く隠れていてください)そう言うと、セリアは、不安そうな顔をして自分のズボンを握っているので、

「大丈夫、セリアの味方の人達だから、怖がらなくて良いよ。でも今は内緒だよ」と頭を撫でると

「私の味方なの?嬉しい。うん分かった。誰にも言わないエヘヘへへ」とフワフワモフモフシッポをパタパタ嬉しそうに振るのだった。

日が落ち、アパートに付く頃、門の外から沢山の兵隊の足音が聞こえ、王宮へと向かって行く。9千人程の大軍だが、皆見すぼらしい格好をし、疲れた顔で下をうつ向いて元気なく歩いて行くのだった。

晩御飯をセリアと食べていると、

『主様、大変です北西からキンナリ国が約20万の軍勢でラクトア国の北西の辺境要塞都市に進攻を始めました。キンナリ国が優勢です。予想としては、本日中には、陥落し約10日後にラクトア国に着くと思います。』

『主様、南西のマルサ国がラクトア国の南西の辺境軍事要塞都市に攻めてます。約25万の軍勢で侵攻しています。マルサ国が優勢です。間もなく陥落するものと思われます。その後ラクトア国に向かい、約10日後着くと思われます。』

『主様、主様大変なことが起こってます。北側から神聖国、コンロン国が約20万の軍勢で進攻中、ラクトア国に向かってます。今の速さでは10日後に着く模様です』

ラクトア国が他国に間者というスパイを送り込んでいるように、他国もラクトア国にスパイを送り込んでいるのは当然のことだ。

ラクトア国がキンナリ国と、マルサ国に戦争を吹っ掛けるというのを、1兵士でさえ知っている。それがスパイの耳に入らない訳が無いのである。

3つの国はラクトア国に愛想を尽かし、頭にきて、同盟を結び示し合わせて、戦争を仕掛けてきたのだろう。だから、ラクトア国に10日後に同着するのだろう。しかも今は結界が無く、攻める絶好のチャンスなのだ。

晩御飯を急いで食べ終わり、このことについてレイマとミサキと今後どうするか相談しょうと思っていた矢先、地の底から響くかのような振動と地震、それと物凄い爆発音が街中を襲ったのだった。”ズズズぅぅーん“”グラグラ“”ドドオオオーオオオン“

行き成り外から大きな爆発音と振動が起こった為、火山噴火かと思った程であった。周囲から悲鳴が聞こえて来た。

何事かと急いで外に出ると、街中の人も皆出て来て城の方を指差して見ている。その方向を見ると城が半壊し崩れて壊れていた。

「何が起きたんだ、魔物でも出たのか?中の王様や兵士や騎士や働いている従業員はどうなっているんだ。生きているだろうな」と皆が口々に噂をしていると、従属のレイマから念波が入る。

『主様、残念な知らせです。元勇者のカズマが殺されました。それを見ていた賢者ミサキがブチ切れて、爆列系の魔法を放ったようです。

その為に城が半壊した模様です。』人々や冒険者や兵隊等が城へ向うが門は瓦礫で埋もれて入れない様だ。

自分は、アパートの部屋へ戻り、セリアにスリープの魔法を掛けて眠らせてから、従属の元女冒険者のシルバにランドの身体を頼み、急いで空を飛んで王城へと向かった。

城は瓦礫の山で、壁抜けをして地下3Fの地下牢に行くと、2mの空間ができており、その中に身体に槍と剣が刺さったカズマの身体を見ながら、抱き泣きじゃくるミサキがいた。それ以外のキズが見えないし、ホコリさえ付いてない。バリアでも張ったのだろう。

カズマが死んだからだろうか?奴隷の首輪が外れて側に落ちている。

両手で顔を覆うミサキが黒く変わりつつある。邪霊や悪霊化しょうとしている。

不味い仲間からそういった魔物は出したくない

「ミサキさん、いつ頃カズマは亡くなったんですか?」

「グググアァウゥゥ、ウゥゥウウ、30分ググゥ程前グクァです。グゾォ~オ、許さんグスングスン」

「落ち着きなさい。まだ間に合うかも知れません。自分に任せてください。」

そう言ってカズマの身体に刺さった槍と剣を抜き、ハイヒールを掛けてからカズマの身体に憑依する。死霊術の蘇りに期待をしてのことである。

しかし、死人にはハイヒールは効かずに傷はそのままだったので、死霊術の死霊治療に切り換えて治しておく。

出ないと激痛が自分にダイレクトに来るからだ。

餓死寸前の為、アイテムボックスからスープを出して飲むと、暫くして身体が”ビクンビクン“と生き返るのだった。

死霊術のネクロマンサーの死霊召喚でカズマの魂を呼び寄せ自分と交代でカズマに入ってもらう。

生き返ったカズマには幽霊を見る力が備わっていた。

1度死ぬと、霊的な繋がりができるらしく、ミサキさんを見て泣きながら

「ミサキ、ミサキなのか?会いたかった。ゴメン助けられなくて本当にゴメン、俺は死んだのか?ここは、地獄か」周囲の瓦礫を見てそう言うのであった。

「いいえ貴方は生きてます。私の主様が貴方を生き返らせてくれました。」そう言われて私を見て

「何故生き返らせたのです。ミサキの居ないこの世には、いたくなかった。死にたかった。」

「ありがとう、でもあなたには生きていて欲しい、それが私の願いなの」

城の上からパラパラと瓦礫が落ちて来たので急いで避難しようとするが、出入り口は塞がれて通れない。どうしようかと考えて、下水道がこの近くを通っていることを思い出し、壁抜けで確認すると、壁一枚の向こうに下水道がある。

時空魔法の転移をカズマに使い下水道に転移させる。

カズマさんは歩ける体力がなかった。

そこで待ってもらい、下水道を通りながら、魔物を倒して行きアパートへ戻る。

シルバと交代してランドの体に入り、出ようとすると騎士が2人ウロウロしているので、獣術の隠蔽を使い、急いで下水道の鍵を持ち屋根伝いに向かい、ミサキ達と合流したのだった。

カズマを自分が背負い、下水道を歩いているとミサキがどこへ向かっているかを聞いてくる。

「下水道を通って出て街はずれの古い壊れかけの教会が獣人の溜まり場となっているから、避難すべく、向かっている」そう答えたのだが、ミサキが

「しかし、獣人のフォックス国を滅ぼした元勇者の私達を許すわけがない」と言う。

確かにその通りの為、自分が獣人と一度話し合わなければならないなと思い。

壊れかけの教会近くで待ってもらい、1人教会へと行き、そこにいる獣人にランドが来たとガルシアさんに伝える様に言うと、慌てて走って来るガルシアさんがいた。

「ランド様、今日は来れないと聞いてましたが、それよりも城が倒壊したのをご存知ですか?

その為に我ら獣人族、小人族、エルフ族の同盟が人族に戦争を仕掛けるチャンスだと、会議で決まり、これより決起します。」それを聞いて、止めねばと思い。

「ダメです、実は人族のキンナリ国、マルサ国、コンロン国の三国同盟軍65万の大軍勢が、途中の城に戦争を仕掛けながら10日後にこのラクトア国に戦争を仕掛けます。

人族は人族に討伐を任せるんです。

獣人が関わってはいけません。

獣人達の連合が今この国を占拠すれば、大規模な人族との戦争になって負けるのは目に見えてます。

今は、この混乱に紛れて、占領された獣人国や小人国を一丸となって取り戻すのです。

そして国を立ち上げ、起点となる場所を作るのが先です。

元々は我々の国のため、人族はそこまでは、攻めてこないでしょう。

もし来ることがあるなら、その時は反撃しましょう。今は奴隷の首輪をハメられて苦しんでいる全ての人の救済に走るべきです。

戦争の被害者になる前に奴隷の首輪を俺が解除します」

「分かった、さすが、ガルド様の息子だな言う通り急いで奴隷をこちらに集めよう」

「ハイ、獣人や小人だけでなく、人族の虐げられている人も連れてきてください。」

「何故、人族も助けるんだ?アイツラに苦しめさせられたんだぞ。」

「いえ、その人達も犠牲者なんです。だから新たな国で助け合って生きていくことができます。

獣人は狩猟が得意ですが農業や物の売り買いの商売、果物の栽培、牛や豚などを飼育するのが苦手です。それではこれからの社会ではダメなんです。

お金を稼ぐことも人族から学び使い方も学び、それらを取り入れて獣人国を豊かな国にしましょう。」

「分かった、じゃ会議室に戻って皆んなを説得しょう。ランド様も来て今の話をしてくれ、きっと分かってくれる。」

「ハイ、分かりました」そう言って付いていきながら、念波でミサキさんに事情を話し少し遅れることを言うと

『主様の話を聞いて主様の考え方を知りたいので念波で聞いていていいですか?』

『分かりました。okです』と承諾する。

教会の礼拝堂内部には所狭しと100人程の獣人族や小人族やエルフ族が興奮状態で

「人族を殺せ」

「今までの借りを数倍にして返してやる」

「家族の仇を取ってやる」

「恋人を殺された恨みを晴らしてやる。」等の怨恨の恨み辛みを口にしている。

ガルシアさんが「皆、聞いてくれ作戦を変更する。このラクトア国に人族が戦争を仕掛けてきた。人族は人族に任せて我らは自分の国を取り戻すのだ。」

「ふざけるな!これまでの恨みこの手で人族をやっつけないと気が済まねぇ」

「そうだそうだ、人族の我らへの仕打ちを忘れたのか。同じ目に合わせてやる。」

皆、相当頭にきているようだ。

ガルシアさんが俺を前に出して「先程の話を皆に聞かせてやってくれ。」

分かったやってみよう。

「俺はガンドの息子のランドだ。

今亡き獣人国フォックス国のセリア姫と一緒だ。

亡き父からセリア姫が覚醒すれば魔王だろうが、何だろうが敵わない。獣人国を再興しろといわれている。今がそのチャンスなんだ。

ラクトア国に65万の大軍勢がラクトア国を潰すために向かっている。後10日後に戦争が起こる。

それまでに全ての奴隷の首輪を付けられて苦しめられている人を救い。

獣人国へ戻り国を今のうちに作るんだ!。

俺らの国を!。人族の戦争に巻き込まれたら今度こそ本当に獣人族や小人族やエルフ族は皆殺しにされるぞ。ラクトア国は諦め自由を手にする方が良くないか」

「そう言うことなら、賛成だ獣人国を再興するぞ。良いなみんな!」

「「「「オオオォーやるぞー俺らの国を作るぞ自由を取り戻すぞ」」」」

その後、人との共存の利を諭し、人族の奴隷も含め全て奴隷の首輪を外すからここに連れてきてほしいことを言うと分かってくれたのだった。

今この場にいる奴隷の首輪を付けた人の奴隷解除を行ったのだった。

人族の奴隷も含め1000人程を解除し、自由にしたあと、夜が明け始めたため一旦戻り昼過ぎに集まり、獣人国や小人国の今の現状の調査隊を組んで偵察を出すことになった。

10日後に戦争が始まるので時間がない。

やるべきことが山積みで沢山あるのだった。

帰りにガルシアさんを元勇者のカズマさんの元へ連れて行った。

獣人国が滅んだ元凶だからか歯をむき出しにして睨み付けている。

そこで自分のシタロウの事を言っておかねばならないだろうと思い。

「ガルシアさん、実は私もこの勇者カズマさんと同じく異世界人です。私は人族の為、人を殺したくないのです。

ラクトア国によって無理やり召喚させられてしまいました。ラクトア国は、召喚勇者に精神魔法や洗脳魔法を掛けそれが溶けると奴隷の首輪を掛けていのままに操ろうとしました。

今召喚されている勇者もそうです。

私は幽体離脱中に異世界へ来たものですから、召喚者達には幽霊のような私が見えず何とか難を逃れました。私も他の召喚勇者もラクトア国の犠牲者なんです。

色々あって城の地下のダンジョンのラミアの夫婦を倒したのも自分です。

その後城の宝や食糧等全てを回収したのも自分です。今度来る予定だった輸送中の荷の全てを回収したのも自分です。戦争を回避する為でした。

その後、城を出て死にかけていた、ランドとセリアに会い、セリアを助けるために死んでいたこのランドの体に憑依して、セリアを助け今に至ります。

このカズマさんもその犠牲者なのです。王城が半壊したのもカズマさんが少し、関わっています。

出来れば獣人国で保護をお願いしたい。」

「信じられない、お前がランド様の身体を乗っ取っているだと、ランド様の魂はどうした。

それと、あのラミアを倒しただとぉ、俺等でさえ酷い傷を負い逃げ帰ったというのに、証拠はあるのか証明できれば、そのカズマと言うやつも俺が面倒を見て何とかしょう。」

「残念ながらランドの魂は、天国へと旅立ったようです。

今から幽体離脱をしてランドの体から抜けてもいいですが、私自身は生きている人には見えないし、声も聞こえないのでその後でランドの手ないし脚に、ナイフを差し確かめて下さい。

その後治してから身体に入りますので」

「いやイイ、主の息子に刃を立てる訳にはいかない。ラミアを倒した証明が見れないか?」

そう言うのでアイテムボックスからラミアの夫婦2体を出すと

「嘘だろう、本当かよ、見ていなかったら絶対に信じられなかった。

分かったカズマは俺が何とかするが、暫くは名前を変えたほうがいいな」

カズマも「本当にすまん、俺が悪い許してくれ、こんなこと頼める筋ではないが、よろしく頼む。」

「ああ、分かった納得するには時間が掛かるが、まあいい。」

「良かった分かってもらえて、ならランドのスキルの鑑定妨害とステータス操作をちょっと使って名前とかも変えるか。」

そう言って操作するとガルシアが聞いてくる

「もしかしてランドのステータスも変えているのか?」

「ああ、面倒なことになるのが嫌だったからな。

でもドップリ面倒事に巻き込まれているがなアハハハ。」

ラミアをアイテムボックスに戻してカズマ改め、ヘズマと名前を変えガルシアさんに預けて帰ったのだった。

アパートに戻ると、ベットの上で自分を待つセリアがいた。

「ただいま、セリア」と言うとプイとそっぽを向く。シルバに何があったかを聞くと

『主様、セリアは夜中に目覚め、主様を探してまして、見つからず先程まで泣いて窓を開けて主様が帰るのを待ってたんです。

私が慰めたんですが、私の声も姿も見えないのでダメでした。

セリアは先程まで窓辺で泣きながら見ていて、主様が帰ってきたのを見て、ベットの上でああしてます。』悪い事をしたなとセリアの頭を撫でると、

「お兄ちゃんの嘘つき、私も連れて行くって言ったのに一人で行くんだもん大嫌い。」

そう言って頭を撫でていた右手を思いっきり噛むのだった。

「イデデデデ、分かったゴメンゴメン、昼からまた行かなきゃならないから、セリアも行くか?」噛んだ手から口を離し

「うん、行くー」と嬉しそうに言う。

歯型がくっきり付いた右手にヒールを掛けるのであった。

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