第7話 夏陽さんとのデート!

「夏陽さん、デートしてくれませんか?」

僕は夏陽さんをデートに誘うため、夏陽さんの職場である市役所の前に待ち伏せをしていた。夏陽さんは京馬さんと再会してから一度もカフェに訪れなかった。安易に踏み入ってはいけないということはわかっているが、ほうっておけないのだ。

「デート……?別にいいけど……なぜ?」

「よし!ありがとうございます」

夏陽さんに楽しんでもらえるような楽しいデートプランを何日もかけて考えてきた。

「まずは、おいしいものでも食べにいきましょー」

「そうだね、どこに行くつもりなんだ?」

「それはですね……ふふふ」


「おにぎり屋さん?」

「はい!おにぎり屋さんです」

ネットで評判だったおにぎり屋さんに夏陽さんを連れてきた僕にはある目的があった。 

ネットで大人気の食べたことのないおにぎり!

「夏陽さん!これ注文しましょう!」

「えーっと……やめたほうがいいんじゃないか?」

「何でですか?おいしそうですけど?」

「トマト納豆にぎりって……おいしそうか?」

「トマトと納豆は相性良いんですよ……それにですね……」

夏陽さんとおにぎりを食べながら僕はずっとトマトと納豆について語った。夏陽さんもなんだかんだトマト納豆にぎりを食べてくれた。トマト納豆にぎりは好みがわかれるようで夏陽さんは気に入って、すすめた僕は口に合わなかった。

「自分ですすめたのに…………ぷっ!」

「夏陽さん!そんなに笑わないでくださいよ!」


「次はどこに行くつもり?」

「遊園地です。デートといえばやっぱり遊園地……ですよね?」

「デートといえば遊園地か……デートなんてはじめてだからよくわからないけどね……そもそも誰とも付き合ったことないから……告白もされたことはあるけどしたことはないし……」

「夏陽さん、デートはじめてなんですか!実は僕もですよ!ちなみに告白したことはあるけどされたことはないです……逆ですね!」

僕は今まで好きな人はいてもなかなか告白できずに終わってしまった。だから後悔したくなくて舞雨さんに告白をした。舞雨さんに告白したことは後悔していない。でも夏陽さんはどうなんだろうか?告白したことないということは幼なじみで、ずっと舞雨さんのこと好きだけど想いは伝えてないということになる。そのままで良いのかな……でも僕は夏陽さんのことをまだよく知らない。過去のことも京馬さんとの関係も。

「藤都?大丈夫か?」

「へ!?あ、すみません……ぼーっとしてしまいました……さぁ遊園地にいきましょー」

「……そうだな」


いつか僕に過去のことを打ち明けてくれる日がきたら……僕は舞雨さんにもう一度告白しよう。京馬さんにも夏陽さんにも負けたくないから……

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