応援コメント

ep6.画家と音楽家4」への応援コメント


  • 編集済

    こんばんは。

    本日はお捧げ二次創作を持ってまいりました。ご笑納ください。
    気に入らなかったら削除していただいて結構です。


      〜ラメンタの宝物・前編〜


     ステージに立つのが、アタシちゃんは好きだ。
     お客様へカーテシーで一礼する。
     そこからは、アタシちゃんの時間。
     ゆっくり、バイオリンを肩に置く。

     このバイオリンは特別。
     アタシちゃんは、もう、このバイオリン以外は弾くつもりはない。
     先輩がくれた、大切な絆。
     宝物。 
     これがあるから、アタシちゃんは生きていける。
     バイオリンが弾ける。

     弓を弦に添える。
     す、と場の空気が冷艶に澄み渡る。
     アタシちゃんは、大きく息を吸い、身体を仰け反らせ、目一杯ストロークを使った高音のビブラートを鳴らす。
     バイオリンは鳴く。
     音は光り。
     光りの粒。
     連なる星。
     もしくは虹。
     空から輝き落ちる雨。
     アタシちゃんの嘆き。涙。
     そして希望。
     喜び。
     先輩。
     大好き。アタシちゃんの大切な思い出……。




    「いらないなら貰ってもいいか?」



     あの日。
     アタシちゃんはコントラバスをベンチに投げ捨て、コントラバスを睨んだ。

    「もう、いらない。」

     つぶやいて、去ろうとした。
     そしたら、声をかけてきた若い男がいた。
     アタシちゃんは、そのあとすぐ、死のうと思っていた。気がたっていた。ろくに言葉を聞いていなくて、

    「は?! 話しかけてこないで。」

     と噛みついた。その男は、アタシちゃんの剣幕に驚き、戸惑ったような顔をした。

    「……いらないって聞こえたから……。」
    「そうよ。いらない。いらないわこんなモノ! 
     あんなに練習して。皆にあわせて。嫌われないようにして。全部無駄だった。くだらない。くだらない……! アタシちゃんも、この世にいらないのよ!」
    「なんでそんな事言うんだ……。」
    「……アタシちゃん、マナ欠乏症なの。わかった? あっちいって。コントラバスはあげるわ。もう捨てるから。好きにして。」

     男はマナ欠乏症と聞いて怯み、一歩下がった。
     
    (あっち行っちゃえ。そうやって、アタシちゃんのまわりから、友人はいなくなった。あんたも、行っちゃえ。)

     
        

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ご返信の順番が逆になってしまいましたが、昨日はありがとうございました!

    本日の更新で本編に組み込ませて頂きました!
    嬉しいな~嬉しいな~