第3話 口移しでクッキーを食べさせられる※性癖が歪みそう

「いいよ。普通に座って食べるから……」

「ダメですっ! お膝のほうが、椅子より柔らかいですからっ!」


 たしかにセリスの膝は、柔らかくて座り心地がすごくいい……っ!


 だけど、食べる時ぐらいは降りたいというか。


「はーい。クッキー、食べさせてあげますね」


 セリスはクッキーをひとつ、俺の口へ持ってくる。


「自分で食べられるよ……」

「またそんなことおっしゃって! アルバート様に、自分で食べさせるわけにはいきませんっ!」


 この世界では男は自分で食べない。


 女に食べさせてもらうのが【普通】らしい……


 この風習に慣れないから、俺は自分で食べるようにしているが——


「今日こそ【普通に】食べてもらいますっ! あーんしてくださいっ!」


 セリスの真剣な表情。


 もうこれは、逃げられない。


「あーん……」


 俺は口を開けるが。


「あっ……忘れていました」


 セリスは自分で、クッキーを食べてしまう。


「……?」


 俺は理解できず、戸惑っていたが——


「柔らかーくしてあげました」


 俺の頬を両手で掴んで、


「うっ……!」


 俺に、口づけした——


「じゅりゅるるるるるるっ……」


 甘く溶けたクッキーが、口の中へ流れてくる。


 セリスの唾液もたくさん……


「ぷはっ。おいしいですか?」

「……おいしい」


 セリスは顔を赤くして、熱ぽっく俺を見つめる。


「ふふ……とっても嬉しいです。もっと食べさせてあげますね♡」


 セリスはクッキーを口に入れて、


「ぐしゅぐしゅぐしゅしゅしゅゅ……」


 ゆっくり咀嚼した後、


「じゅりゅりゅりゅ……」


 ゆっくり、口移し。


 俺の中身がおっさんじゃなかったら、


 確実に性癖が、歪みまくってる——



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