誰かの記憶 ③
彼女らは18歳になった。二人とも立派な女性に成長し、誰もが認める素敵な姉妹になった。しかし、妹の心には姉と違って陰りが出てきた。姉のようになることを望み続けた結果、自分に自信を持てなくなってしまったのだ。
「私は姉さんになれない」
妹は呟いた。あれから日々努力を積んだが、結局何においても姉を超えることはできなかった。その努力の甲斐あって周りからは賞賛されるようにはなった。しかし、妹にとってそれは無意味だった。姉を超えることだけが彼女の目標、生きる価値だったのだから。
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