誰かの記憶 ②

 姉妹が10歳になる頃。姉はその明るい性格から学校でも人気があり、成績優秀でもあった。しかし、妹は内向的な性格のためか、あまり友達が出来なかった。かと言って一人もいなかったわけではないが。

 妹は悩んだ。姉のようになれない自分を恥じていた。しかし同時に、姉を尊敬していたし、愛してもいた。だから、彼女は努力することにした。姉のような素敵な人間に自分もなるのだ、と。


「努力すれば姉さんみたいになれるんだ」


 妹は自分に言い聞かせた。でも、姉のようになるにはどうしたらいいんだろうか? 彼女は考えたが、答えは出なかった。しかし諦めなかった。いつか必ず、姉のようになりたいと強く願ったから。

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