キラキラグループとの昼食
「うっし、それじゃあ今日の授業はここまで!来週はテストだから勉強忘れんなよ~」
午前の授業が全て終わってやっと一息つける。
「ん~!っと…」
午前の授業は周りの人目が気になり全く授業に集中出来なかった。やはり人気者の隣というのは目立つものなのだろうか。嫉妬の視線がすごいすごい。まぁ僕も同じ立場になったら見ちゃうかもしれないので強くは言えないのだが。
うぅ·····、今もチラチラ見られてたりするよ。
そんなに見ても面白くないでしょ!あって向いて!!
「うぉ、急に雨が降って来た。」
「おい!もしかして今日部活無くなるんじゃね!?」
「マジかそれ!あっつ!」
うわ、急に雨降ってきた。傘置いてあったっけな·····。
まぁとりあえず、帰りのことは帰る時に考えよう。うん、現実逃避じゃないからね。
弁当を持ち、中庭に。
「雨じゃん·····」
中庭に行けない。弁当を食べる場所がない。
まずい、どうしよう。
弁当を置き、少し考える。
いつもならひっそりと教室で食べていたけど。
今日からはそうはいかない·····。
それは何故か
「ねぇねぇ、今日は俺たちと一緒に昼食食べない?」
「あ、ずるーい、私達も一緒に食べた~い」
そう!僕の前にはキラキラグループ達がいる。
そうするとやはり、他のクラスメイト達は彼女らと仲良くしようと集まって行く。
あ、そこの男子!僕の机にお尻を乗せないで。
男子のケツに興味はありません!!
ワイワイ
ガヤガヤ
あ~、まさかこんな問題があるなんて~。
「·····みんな落ち着いて」
「皆さん、周りの人達に迷惑がかかってますよ。落ち着い下さい」
「まぁまぁ、せっかく席替えして1日目だから今日は各々で食べない?」
キラキラグループの女性陣の注意声。これには周りの人達、特に男子も狼狽える。ここで反論したらなんて彼女らに思われるかたまったもんじゃないからね。
「おう、そうだな。今日は一旦各々で過ごそうぜ」
「みんなごめんな」
男性陣からの一声。
女性陣も渋々頷く。
彼女らの声で固まっていた人達がぞろぞろと解散していく。
ふぅ、助かった·····。彼女達には感謝しないといけない。
せっかくだし、教室で食べよう。
弁当を手にかけようとしたところで
「あ·····」
弁当を落としてしまった。
急いで弁当を拾う。せっかくの弁当が勿体ない。
中身を確認するも大半が溢れてしまった。
あぁ、やっちゃった·····。せっかくの昼の楽しみが。
1人しょんぼりしながらお弁当の中身を回収していく。流石にこの中身は食べれない。せっかくの昼の楽しみが·····。
床の汚れを取るために拭くものがないか探す。
ティッシュ、ティッシュ·····。
「はい、これ使うかい?」
「え·····?あ、ありがとうございます·····」
早瀬さんがティッシュをくれた。
戸惑いながらもありがたく受け取る。流石に受け取らないという選択肢は無い。
数枚貰い、床を拭いていく。
「早瀬さんありがとうね。助かったよ。」
「いや、私は大丈夫だよ。でも颯くんは大丈夫·····?見たところお弁当の大半溢れてそうだけど」
「あはは·····。恥ずかしいところ見せちゃった。でも昼食ぐらい抜いても全然大丈夫だよ」
ここは強がっておく。これ以上情けないところは見せたくない。これでも男の子の維持というものがあるんだ!!
グゥ~
·····。死にたい。
「ふふっ、可愛い」
「·····っ~!!!!!」
あああああ!!!!!!
はっずかしい!!!!
「ちょうどいいや、颯くんちょっと来て」
「へ?あ、はい」
ちょうどいいや?なんのことだろう?
って早瀬さん?どこに向かってるの?
「ねぇ皆、坂本くんも一緒にご飯食べてもいいかな?」
「いいよ~!」
「私は大丈夫ですよ。個人的に私も彼のこと気になってたんで」
「おう!俺もいいぜ!」
「右に同じく」
え?なんで急にここに?
「ま、待って!?一緒に食べるのは嬉しいけど、今日は僕もうお弁当ないから別にいいよ!」
「うん、だから今日は私のお弁当を半分あげるよ」
ん?早瀬のお弁当!?
「え、いやいやいや。そんなの悪いよ!」
すっごい興味あるけど!めっちゃ気になるけど!!
「坂本くん、どうか気になさらないで下さい。夕ったら最近『颯くんに食べて欲しくて──』えぇ、もちろん冗談です。冗談ですから夕?その左手を下ろして下さい」
「·····全く。でも坂本くんは気にしなくていいんだよ。そうだな·····、君は運が良かったと思ってくれればいいんだ。どうだい?良ければ一緒に食べないかい?」
えぇ。どうすればいいんだ·····。でも本人は気にしなくて良いって言ってるし、相川さんの話的に僕の為に·····。いや、これは自意識過剰か。
でもちょっとお腹空いてるし、これで過剰に断るのもなんだか早瀬さんに悪い気がしてきた。
「それじゃあ少しだけ貰おうかな」
「あぁ!よし、それじゃあ机を持ってきて、私の隣に来てよ」
「う、うん。わかった」
それから彼女たちとご飯を食べた。
周りの目線は凄かったけど、それ以上に彼女達と食べるのご飯はとても美味でした。
P.S.
早瀬さんがくれた卵焼きは甘くてとても美味しかったです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます