キラキラグループとの邂逅
昼休みになった。
保健室で先生に見てもらい湿布を貼ってもらうことになった。鼻血はあの後すぐに治まりティッシュもいらないようになった。
あの後は体育に参加することはなくそのまま教室に戻った。参加したところで特にすることはなかっただろうしまあいいだろう。
早瀬さんはどうなっただろうか。授業が終わる5分前には授業に戻って行ったが結局参加したのだろうか。良くも悪くもクラスの、いや学年でも人気な人だ。最後だけでも顔を出したのかもしれない。
なんとなく心配になりつつも自分が気にしても仕方ない。そう思いつついつもの場所でご飯でも食べよう。今日は天気がいい、誰かが来ることもないと思うが念の為早めに行こう。
それに早めに行かないと·····
まだ来ていないキラキラグループが·····。
「いや違うんだって!加減したつもりなんだけどなぁ。」
「はぁ。貴方は全く·····。もう一度彼に謝っておきなさいな。そうしないと夕が·····。えぇわかりました。何も言いませんよ」
「私が何かな?」
「あはは!夕ったら顔が怖いぞ~!」
「おい、あんまりからかうなよ。後が怖いからな」
帰って来てしまった。
改めて説明しよう。彼らキラキラグループ(僕が命名した)は学年でとても人気だ。その人気っぷりはこのクラスとて例外では無い。
つまり何が言いたいか!彼らの周りには人が沢山集まるのである。あぁ!皆さん!そんなに押さないで下さい!落ち着いて!落ち着い下さい!!
·····そんな冗談は置いといて。私から始めた?うるさいうるさい。
つまり何が言いたいか。出口が完全に塞がれるのである。他クラスの人達もチラホラ見える。僕としては早く教室から抜けたいが出口が塞がれている以上、なかなか教室に出られない。
·····仕方がない。今日はここで食べるとするか。
着席。そして向こうをチラリ。おー、相変わらず人気ですね。
ん?キラキラグループが振り返りこちらを向いた。なんだ?僕を同じように振り向く。あるのは壁、視線を戻す。こちらに近付いてきた。周りを確認、人は特に居ない。
あれ?もしかして僕の方に向かってる!?
「坂本さっきはほんとにスマン!」
「へ?」
なんだなんだ!?
「はぁ、このバカは·····。誠が本当に申し訳ございませんでした。お顔はもう大丈夫でしょうか?」
あぁ、そういう。
「えっと。はい、もう大丈夫ですよ。意外とすぐに痛みは引いたので」
「本当ですか?それならよいのですが·····」
はい。本当なんです。本当にもう大丈夫なのです。それより僕は周りの視線が気になるのです。あぁ!止めてください他クラスの皆さん!『誰だこいつ?』見たいな目で私を見ないでください!
それと早瀬さん!どうしてそんなにムスッとした表情をしているんですか!?ちょっとカワイ·····。何とかしてくれませんか!?
「ボールが当たった時の音凄かったもんね~!驚いちゃった!夕ったら凄いスピードで振りむ
ッムグ」
「は~い、優香。少しお口チャックしましょうね~」
「お前ら、騒ぎすぎだろ·····。すまんな坂本、改めて謝るわ。誠もわざとじゃなかったんだ、俺も言い聞かせておくから許して欲しい」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
このやり取りだけでも分かる。この人達は本当に仲がいいんだろうなぁ。
その後、僕は何事も無かったかのように1人でご飯を食べた。彼らが離れていく時、早瀬さんが何かを言おうとしてたけど躊躇って戻って行った。一体なんだったんだろう?
そういえば柊さんは一体何を言おうとしたんだろう。話の内容的に早瀬さんのことだと思うけど·····。
そしてここからだろうか。僕とキラキラグループが関わるようになっていったのは。
まぁ、この時の僕は何も知らないのだが。
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