授業中の教室に入るのって緊張するよね

ピピピピ


朝の陽射しが窓から差し込み一定のリズムになるアラーム


「んん.....」


まだ完全には目が覚めておらず目を半開きにしながら手探りで音の元凶を探す


「ん~」


ピピピッ


やっとの思いでアラームを止めゆっくりと体を起こしていく


「ふぁぁ~」


欠伸をしながら体を伸ばし今の時間を確認する


7:30


「ねっむ...」


余裕を持って8時には家を出たいので少し急がなければならない。いつもは7時30には起きているので若干寝坊してしまった。

昨日は某動画サイトでshort動画を無心で見続けていたのでつい夜更かしをしてしまったのが原因だろう。みんなもあるよね、そういう時。

夜更かしをしてしまったことに若干の後悔を感じながらも母親のいるであろうリビングに向かう


「あら、颯おはよう」

「ん、おはよう」


やっぱりいた。どうやら先程までお弁当の用意してくれていたらしく使い終わったであろう食器類を洗っていた。

いつもありがとうございます


「ほら、早く朝ご飯食べちゃいなさい」

「わかった」


机には先程作ったであろうほんのり暖かい朝ごはんが置かれていた。先に顔を洗ったり少し身支度をしたらテレビをつけ席についてご飯を食べる


「颯~」

「ん~?」


ご飯を食べていると母親が唐突に


「お友達出来た?」

「ブッ」


まさかの想定外の質問に吹きかけてしまった。汚いと思うかもしれないが流石に許して欲しい


「え、なんで急に?」

「だって楓ったら、中学生の時からお友達いなかったじゃない。さすがのお母さんも心配になるわよ」


余計なお世話である

と言いたいところだが母親からしてみれば実の子が中学生の時からボッチだったら親も心配になるだろう。現に今も友達がいない僕をとても心配してくれているし。


「いやぁ、まぁ、ねぇ?」

「全然出来てないと」

「まぁ····はい····」

「はぁ」


友達が欲しくない訳じゃない。僕だって友達をつくってみんなとワイワイしたい、ただ自分の性格的にそもしも大勢から視線を浴びるという事に抵抗があるしコミュ力が高い訳でもない、何より


(う~ん。やっぱ無理!)


母親と話していて若干センチメンタルな気持ちになったところでお母さんは仕事に出かける用意を始めた


「まぁ、颯ならお友達ぐらい出来るわよ。なんだって私の子なんだから」

「あーもう、わかったわかったから!行ってらっしゃい」

「ふふっ、はーい行ってきます」


母親から謎のお墨付きを貰ったところで朝ごはんの食器を片づける。食器を洗いながらふと


(あれ?そういえば僕と早瀬さんの関係ってなんだ?)


僕が唯一割と話せる早瀬さん。彼女と僕の立ち位置って何なんだろう。

ただのクラスメイト?機会があれば喋る位の関係?それとも気軽に話せる友人?


「う~ん、わからん」


そんな事で悩んでいると


「~🎶」


独特な音楽と共に8から始まるニュース番組が流れ始めた。最近は早くに家から出ているから聞くこともなかったので水道を止めニュースを見る。あれ、8時?


「あ、授業····」


そういえば今日ちょっと寝坊してたんだった!





─────────────────────

「初めて遅刻なんてしたかも」


どうも。絶賛、小走りしながら学校に向かっている颯です。時間に気づいた瞬間に家を出ようとしたけど授業の途中から教室に入室したら目立ちそうなので、程よい時間から家を出て授業終わりの休み時間にしれっと入ろうとしています。


「ふー。到着っと」


息を上げながら学校の校門に着き、スマホで時間を確認する


9:30


中々に良い時間だと思う。9時40分に次の授業が始まるのでしれっと教室に入ろう。大丈夫、多分クラスの人達はキラキラグループを中心に固まってだべっているはずだ。

下駄箱に行き靴を置き自分のクラスに向かう


「それでさー」

「分かるー!」


ほらやっぱり

案の定クラスの人達はキラキラグループ達と話しているようだ


「それじゃあ·····」


余りドアの音を立てないよにドアを開けしれ~っと自分の席に座る

横目でこちらを見た人もいるがクラスメイトの大半はそこまで気づいていないらしい


(mission complete!)


いや、ほんとに良かったよ、マジで。これでみんなに注目されながら教室に入って《え、何あいつ、なんかムカつくんですけどー》とか言われたら目も当てられないからね


(まぁ、そんな人はこのクラスにはいないんだろけど)


入学当初の頃から今までそういう事を言う人はこのクラスには見てきた感じはいなさそうなのでそこは安心である


ガラッ


そうこうしているうちにチャイムが鳴り先生が入ってきた


「よーし、授業始めるぞー」


みんなが席に座り授業が始まる


(今日は、平和に過ごせますように)


何となく、本当に何となくだが今日も何かが起こるようなそんな気がして祈ることにする僕だった




















「ねぇー、夕」

「ん、どうしたんだい?」

「さっきの休み時間の最後らへんずっとどこか見てたけどどこ見てたの?」

「········気のせいじゃないかい?」


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