キラキラグループ

皆は月曜日は好きだろうか?友達と話したり、部活動があったり、学校生活が充実しているような人だったら休み明けの学校は好きかもしれない。


「ねっむ...」


僕は月曜日はあまり好きじゃない。友達もいる訳でもないし、部活動もやっているわけじゃない。もちろん部活動とかもやってみたりしたかったけどね?たいして運動が得意でもなければ文化系の部活に興味もあるわけじゃないからやらないことにした。

今思えば最初から部活動とかに入ったりしとけば友達が出来たかもしれないが──


ガラッ


そんな事を考えているとクラス、いや、学年でも有名なグループが登校してきた。


「皆おはよ~!」

明るい声で最初に入ってきたのはムードメーカーで茶髪の少しギャルっぽい見た目の柊優香ひいらぎゆうかさん


「皆さんおはようございます」


お嬢様気質でおっとりしている両親が有名企業の社長で有名な相川あいかわつぐみさん


「皆おはよう」


ウルフカットが良く似合うクールな印象を受けるこのグループのまとめ役な早瀬夕さん


「おは~」


女子によくモテると噂のイケメンで運動神経抜群の、藤川幸樹ふじかわゆうき


「よ~っす!」

常に元気で基本的に全員に明るく接し、これまた運動神経抜群の東堂誠とうどうまこと




このラブコメの創作物のような超モテモテ美男美女グループ【キラキラグループと僕は呼んでいる⠀】が来ると他のグループの人達も集まり1つのグループとなり話し合いが始まっていく。


(すげぇなぁ)


そんな、グループを遠目にスマホを弄っていると──


ふと早瀬さんと目が合った


(え、な、なに?)


お互い目を逸らさず見つめ合っていると


『おはよ』


と、口パクで早瀬さんが言ってきたので僕も困惑しながらも


『おはよう』


と返すと早瀬さんは少し笑みを浮かべてグループの会話に戻って行った


(え、ほんとに何?)


若干、挙動不審になっていると授業のチャイムがなりクラスの皆が席に着いた




─────────────────────

4限目の授業を終わりを告げるチャイムがなり訪れたお昼休み、皆が一緒に食べるために席を繋げたり、食堂でご飯を食べるために席を立ったりする中、僕は若干固まった体をほぐしながら弁当を持ち余り人が来ないであろう中庭へと向かう。


「~♪」


周りに人がいないので鼻歌を歌いながら中庭へ向い誰もいないことを確認し隅の方にあるベンチに座る


「やはりここが僕のベストプレイス...」


少々移動が面倒臭く肌寒いが人が来ることが余りなく、日陰もある穴場スポットである。本当は移動しなくていい自分の教室で食べたいが教室で食べているのはグループで集まっているような人達なので一人で食べていると悪目立ちしそうなのでやめた


(うん、我ながら面倒臭い性格をしている)


そんな事を考えながら弁当を食べてると


「ねぇ!たまには中庭で食べてみない?」


(え、待って?なんでいるの??)


廊下の窓から3人の女子の声が聞こえてきた


「中庭ですか...?私は別に構いませんが」


(待って、構って!?)


「私も別に構わないよ」


あのキラキラグループの女子達である


(あれ?もしかして詰んだ?てか、向かいの渡り廊下から見られたりしない?)


そんな事を考えながらどうするか考えていると早瀬さんが渡り廊下に出ながら


「私、お弁当取りに行くから優香達は先に行っ───」と言いかけると


早瀬さんと目が合った


(いや、このやり取り何回すんねん)


一人でツッコんでいると


「あ~ごめん、やっぱりちょっと肌寒いから教室で食べない?」


渡り廊下から戻り早瀬さんが慌てて柊さんにお願いをした


「そう?ん~、でも確かにちょっと肌寒いかも。いいよ~!」

「私も構いませんよ?それじゃあ、行きましょうか」

「ごめんね?後ちょっとお花摘みに行ってくるから先に行ってて」

「りょうか~い!」


というやり取りをしながら2人は教室に戻って行った。


(...助かった?)


まさかの展開に安心していると


「大丈夫だった?」


渡り廊下の入口から早瀬さんが話しかけてきた


「っ!?う、うん。大丈夫だったよ」

「本当?それならよかった」


安堵の笑みをを浮かべる早瀬さん。


(綺麗だな...)


その綺麗な顔に見とれていると、早瀬さんが


「坂本くんはいつもここでご飯を食べているのかい?」


と質問してきた。


(どうしよう...。正直に教えるか?助けてくれたし。)


「うん、基本的にはここで食べてるかな。というか、ごめんね、気を遣わせちゃって?」

「いや、全然大丈夫だよ気にしないで。そうか、ここで」


何かを考えている早瀬さん

そんな彼女を見ながら既に食べ終えたお弁当をしまい、席を立つ


「早瀬さんもそろそろ行かないとまずくない?」

「.....!あ、ああそうだね。坂本くんはどうするんだい?」

「僕はどこかで時間でも潰そうかなって」

「そう...。それじゃあ私もそろそろ行くよ」


その言葉で会話が終わり僕は図書館にでも寄ろうとした時


「坂本くん」

「?どうしたの早瀬さん」


少し顔を赤らめながら早瀬さんが


「も、もし、私が坂本くんと今度お昼を一緒にすごしたいと言ったら過ごしてくれるかい?」


(な、何そのセリフ。勘違いしちゃうって!)


「う、うん。もちろん」

「!そ、そうなんだ。引き止めてごめんね、ありがとう」

「え~と、どういたしまして?」


そんなやり取りを最後に早瀬さんは足早に戻って行った。彼女の後ろ姿を見ながら僕は思った


(昼休みなのに色々ありすぎだろ!)

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