冴えない僕がスクールカーストトップの幼馴染グループと仲良くなったら

ひろん

プロローグ

「暇⋯」


 人の居ない放課後の図書室、ぼ~っと窓から野球部を眺めている図書委員の冴えない黒髪の男子、1年の坂本颯がいた。


(話せる人とかと図書委員になれたら良かったんだけど...)


「はぁ·····」


中学の頃でもあまりコミュニケーションが得意でなく、それが原因で友達がおらず、基本的に1人だった颯には暇を潰したり、楽しく喋れるような人などを除いておらず基本的には一人ぼっちだった


(人も来なさそうだしそろそろ帰るか·····)


そう思い、重たい荷物を持ち帰ろうとした所...


ガラッ


「あれ、もう帰るのかい?」


鼻をくすぐるような香りがし、きめ細かな髪質の少女が息を上げながらドアを開けた。


「うん、早瀬さん。人も来ないし、もうそろそろ帰ろうと思ってた所だよ」

「つまり人が来たらまだここにいるつもりだったってことかい?」

「そりゃあ、まあ····」


持っていた荷物を下ろしカウンター辺りに座ると少女は当たり前のように少年の隣に座った


「あの、早瀬さん。ちょっと近いというか····なんというか」

「あぁ、すまない。君と近くで話がしたかったからつい。嫌だったかな····?」


不安そうに、少し期待するような目で僕を見てくる彼女。そんな風に見つめられて断れるはずもなく


「嫌なわけないよ。その、少し緊張しちゃって」

「...!! よかった。嫌がられなくてよかったよ」


お互いにどこか意識し合うような、少し顔を赤くしながら会話を進めていく二人


「ふふっ、それじゃあ、何から話そうか」

「それじゃあ、早瀬さんが昨日見た漫画の話を聞かせてよ」


そんな他愛のない会話をしながら過ごしていく


(ほんと、早瀬さんと喋る機会が出来るなんてなぁ·····)


これは、学校でも有名な美男美女グループの1人である彼女と冴えない僕の物語である

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