ある秋の日
たんぜべ なた。
後夜祭の前に
「久しぶりにココアと
二人並んだ青年が談笑し、今まさに片方の青年がオペラの主役顔負けのように腕を中空に掲げ、愛おしそうな眼差しで空を見上げた。
ここは、とある大学の
学生たちが運営する露店が立ち並ぶ、『学園祭』会場だ。
「で、そのココアちゃんは今何処に?」
と話題を振る相方の青年。
すると、空を見上げていた青年は、すぐに肩をすくめ視線を向けて答えてくる。
「なんでも、
『一番好きなことするのが、今日は吉なの♪』
とか言って、出かけて行ってしまったよ。」
どうやら釣った魚は大きかったらしい。
二人は大笑いし、通りすがる人々の視線を集める。
「まぁ、今回のココアはビターな味だったようだね。」
魚を逃した青年を
「そうだねぇ、僕はどちらかと言えば
そう請け合う青年。
「まぁ、それでも惚れた弱みだ。
その娘が困っていたりイジメられていたら…」
相方が言葉をつなぎ
二人は右コブシをコツンとぶつける。
「「その時は、かしこみ カチコミ!」」
二人は口角を上げ、再び歩き始める。
「今日は道草して帰ろう。」
魚を逃した青年が言えば
「ああ。」
相方が答える。
そして、近くにあったたこ焼きの露店に入る。
「いらっしゃいませぇ~!」
明るい女性店員の声に絶句する二人。
そこには、ジーパンTシャツにエプロン姿の
今日は学園祭最終日、いよいよ後夜祭が始まる。
肌寒い風に乗って、足早に冬がやって来る。
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【『参考文献
蜂蜜ひみつ
てんとれないうらない
第113話 一番 好きなこと するのが 今日は吉 10点
第115話 久しぶりに ココアと
第118話 かしこみ カチコミ 3点
第119話 今日は 道草して 帰ろう 8点
作者了承済み』】
ある秋の日 たんぜべ なた。 @nabedon2022
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