第2話出発!

神田と真美は、古いミラに乗り込み神田はエンジンを掛けた。

「お客様、シートベルトを。安全運転で参ります」

と、神田が言うと発進しようとした。

「トシ君、シートベルト!運転手がシートベルト忘れてどうするの?」 

「ま、まぁ、こう言う日もあるさ」

神田は、クラッチを踏み1速に切り替えて出発した。


ブルルッ!


車がエンストした。クラッチから足を離すタイミングが早かったからだ。

「ゴメン、ゴメン」

「ダッサ〜」

「こう言う日もあるさ」

次は上手く繋ぎ、車道に出た。4速で走り出した。

交差点に差し掛かり、右折をするため、ギアを落とした。

横断歩道で一時停止して、

「横断者なし、右、左確認、巻き込みヨシ!」 

神田は、自動車学校の時に習った指差し確認でドライブを続けた。

「……トシ君。今の所、運転姿がかっこ良く無い」

「僕は、君の命を預かってるんだ。カッコ良さより、安全だよ!」

暫く、静かな時間が2人の心理に大丈夫だろうか?と、言う不安感を湧かせた。

「真美、ラジオつけて」

倉橋は、ラジオのスイッチを押した。色々いじりAМだった。

「真美、FМだよ」

「う〜ん、この車、AМしか受信しないの」

ドライブしながら、NHK落語独演会を聴きいた。

たまにかかる音楽は、民謡だ。

「トシ君。この先、高速道路を走ろうよ。時間短縮になるし」

「こ、高速道路?」

「うん」

「別に急ぎのドライブじゃないから……」

「高速道路、もしかして怖いの〜?」

「わ、分かった。高速に乗る」

宮崎のえびのインターから、高速道路に乗った。

神田は、本線に進む為に方向指示器をつけたが、ワイパーが作動する。

「あらっ、あら〜」

「トシ君、ふざけてるの?」

「ま、ジョークだよ」 

死ぬ気で、本線に合流した。

ギアは5速。飛ばす必要は無い。時速80kmで走行車線を走った。

倉橋は、どんどん追い抜かれるのが気に入らないらしい。

追い越し車線を走れ!と、言う。追い越し車線をずっと走ると、走行帯違反で覆面パトカーに捕まる。

それを説明して、2時間の高速道路走行は終了した。

阿蘇目指して山道を走る。

信号で、停車した。そう坂道で。

神田は心配でバックミラーを確認すると、この車の後ろにはBMWが停車している。

神田は額から脂汗を流し始めた。

その頃、倉橋は寝ていた。神田は深いため息をついた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る