はい、ズドン!
穢れ沼――それは一目でわかるほどの瘴気を放っていた。
確かにこんなのがいくつも産まれていったら、人が住めなくなるだろう。
まだ遠くだというのに、この辺りまで異臭が漂っていた。
「それで、偽聖女。 何かお前にできることがあるのか?」
ガーランドは私への不快感も隠さずに、そういった。
「その偽聖女ってやめてくれません? 私はだれも聖女だなんて言ってませんし」
「ほーん。わかったよヒジリ様」
うーん相手するのは無駄そうだ。
グレイは特に面白くもなさそうに静観している。
もう面倒だ。とりあえず一回吹き飛ばそう。
私はそう思い立ち行動する。
所詮は魔力の吹き溜まりだ。
その規模が割と大きいだけな気がする。
これは私の世界にあった怪異と本質的におなじもののような気がしたのだ。
魔法の言葉を紡ぐ。
私が
「眩い黄金の光、その光をもって闇を払わん! プリズムチェンジ! マジカルデヴィジョン!」
そして私は金色の魔法少女に変った。
二人は呆気に取られている。
私は二人に少し離れるようにいうと、杖を取り出し地面と水平に構えた。
「さて、いきますか。 我が黄金の輝きが! 光の化身となりて、闇の憂いを切り払わん! サンライズシャワー!デストーション!」
すると杖の先から強力な熱線が迸る。
その衝撃に、二人は吹き飛ばされていくの横目に見えた。
光が消えると、瘴気の沼はきれいさっぱりえぐれて消えていた。
どうやら、魔力は霧散したようだ。
浄化という聖なる行為ではないただの単純な破壊の光でも効果はあったようだ。
私はすぐに変身を解く。
あんまり変身してると疲れるのだ。
「今のは……君がいや、あなた様がやったのですか?」
「え? 見てませんでした? そうですけど?」
すると、グレイは跪いて私への非礼を詫びた。
「申し訳ありません。ヒジリ様、いえ聖女様! これまでの無礼をどうかお許しください」
ガーランドは吹き飛ばされ気絶している。
どうやら、なにか私はやってしまったのかもしれない。
グレイの態度の急変は嫌なものを感じざる負えなかったのだ。
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