第28話 過去レポ
「それで?行きたい場所があるって言うから付いてきてみれば、ウチの高校の食堂なんだけどこれはどういう事なんだ」
宿泊要素なんてどこにあるのか理解出来ない部活の日。時刻は一八時半なので本来なら下校時刻を回っている。
「お前は何も知らねえのか?」
「ならお前はなんか知ってんのか?」
「
「そんな大層な事考えてないよ⁉先生に紹介されたのと、友達も彼氏と一緒に以前行ったことあるって言ってたから興味あっただけ。始業式くらい前からこの食堂に新メニューっていうか新コーナー?が増設されたんだって~。私その頃は居なかったから知らないけど」
「正確には春休みの頃だったと思いますよ」
元々
なぜこうも種類が少ないか。
理由は単純。ウチの食堂は
そんな風に簡単な料理しか出来ないため安価ではあるのだが、どうしても同じ食事ばかりになるため
「俺高校入ってから一回しか食堂に来たことないから、元がほとんど分かんねえんだよなあ」
「えー、そんなに来たことないの⁉おいしいのに」
「魚介類のグラタンとか最高だったぞ」
「そんなメニュー、ウチの高校にはねえ」
どこの店と勘違いしてんだ。
「それに俺は食べに来たんじゃなくて、学校にある教室とかの場所把握の一環で来ただけだし何もわかんねえわ」
「食べたことないなんて勿体ないよっ!私だってまだまだ食べてない料理も有るけど、今のところ一番はとんかつ定食かな」
「またベタなやつにいったな」
「だってほんとにおいしいんだもん。まず匂いから揚げ物特有の香ばしい香りが漂ってくるでしょ?それにお肉自体が美味しいのは当然のこととして、とんかつソースにほんの少しだけ混ぜてあるっぽいケチャップが、酸味と甘みをバランス良く引き立てていてとんかつと良く合うの。その上でね?そうやって上からソースを掛けちゃったら普通は衣がしんなりなって、揚げ物のサクサク感が楽しめなくなっちゃうんだけど、ここのはそんな風にならないの。あ、それとメインのとんかつだけじゃなくって周りの野菜も色とりどりで綺麗だったんだよね。大体の所ってキャベツをどーんって盛ってそれで終わっちゃうんだけど、ここはパプリカとかトマトとか色味の綺麗な野菜が添えられててね?それがメインをより引き立ててたんだよ。それでねそれでね?」
「もうお前食レポの仕事を探せよ」
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