第4話 お使いをするにゃんこ族

 今日の仕事は首都エキスに御主人様の日記を届ける日です。移動時間を考えるとかなりのハードスケジュールです。これが毎週続くかと思うと気がめいります。


 お屋敷から馬車で移動してそのまま魔導列車に乗ります。特急に乗って二時間、首都エキスに着くとまた馬車で移動です。官庁街に向かい政府の施設に入ります。


「あ、あのー」


 受付でモゾモゾしていると警備員に連れていかれます。着いたのは政府高官の部屋であった。


「君かね、新しいメイドは?」

「はい」


 ああああ……威圧感マシマシの偉い人だ。旅人の私とは絶対に仲良くなれないタイプだ。


「ゴホン、では、早速、日記を見せて貰おうか」


 咳払いをする偉い人に御主人様の日記帳を手渡す。


「なになに、〇月×日、にゃんこ族の新人に膝に入ってもらう、温かく幸せな気分だ」


 何故、声に出して読む、ここには秘書官も居るのに!!!


「このにゃんこ族と言うのは君のことかね?」

「はい!」


 私は三毛猫姿に成って見せる。すると、関心した様子で更に日記を読み続ける。

「〇月×日、今日はにゃんこ族の君がベッドの中に入ってくれた、久しく味わっていない気持ちになる」


 キイイイイイ。


 御主人様のプライバシーを読み上げるなんてなんて陰険な。


 私は猫の姿で思わず政府高官の顔をかじります。


「こら!何をする」


 すると……。


 頭の上に有った髪の束が落ちます。


 ぷぷぷ、ズラだったか。


「この無礼者、出て行け!!!」


 私は日記帖と共に部屋を追い出されます。政府高官のズラを落としてやったので上機嫌で帰る事ができました。

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