第3話 入れ替わるにゃんこ族
休日を控えた、とある夕刻のことである。
「ジャン、メイルさん、これを見て下さいよ」
ラメさんが手にしていたのは異世界の魔法少女のステッキであった。
「なんと、これでにゃんこ族に成れるのです」
「はあ?」
私は絶句します。何処をどうしたらにゃんこ族に成れるのか?
すると、ラメさんが魔法少女のステッキを使います。ラメさんは宙に浮き私の上に転がり落ちるのです。
「アイタタタ……あれ?私が目の前にいる」
良く見ると体がラメさんです。
『入れ替わってる』
「やった!成功だ、これでにゃんこ族だ」
ラメさんは私の姿で歓喜しています。すると、ラメさんは三毛猫の姿になると部屋からダッシュで逃げ出します。
「あわわわわ……」
これは緊急事態です。とにかく追いかけないと。私はラメさんの走って行った先に向かいます。
すると、秘書のシラセさんに会います。
「シラセさん!猫、じゃなくて、私……でもなくて。メイルさん見ませんでしたか?」
「あ、あのにゃんこ族のメイルさん?」
「そうです」
「はて……?そんな事より今日は夜勤でしょう、こんな所でウロウロしていいの?」
ああああ、今の私はラメさんでした。今日、一日、働いたのに夜勤とな!?
私は渋々、メイド控室に向かいます。夜勤の仕事は護衛の兵士さんに軽食を作ったり。その他雑用です。
メイド控室に着くと三毛猫姿のラメさんが座っています。
私が抗議すると。人の姿になり。
「やーメイル君、この猫の姿は止められないね」
「早く、私の体を返して下さい」
「バストの先端を舐めさせてくれたら元に戻ります」
ガチ百合か!!!そう、ラメさんはガチ百合なのです。
しかし、ここは安易な妥協は禁物です。
私が拒絶すると……。
ラメさんは、再び三毛猫の姿になり、逃亡します。
あ!重要な事を忘れていました。このままだと夜勤をしなくてはならないのです。
ああああ、体が重いです。私は今、ラメさんとして夜勤をしています。仕事は警護の兵士さんに軽食のサンドイッチを作るのです。この無駄にデカいバストとムチムチの下半身は働くには向かないのです。
旅人として鍛えた体が恋しい。弱音を吐いていても仕方がない。などと、ブツブツ言いながら仕事を続けます。すると……甘い香りが立ち込めています。
顔が火照り、体の芯が熱くなります。
「び、媚薬だ!!!」
こんな事をするのはラメさん以外に考えられません。ここは我慢、我慢……。
「おい、食べ物はできたか?」
その言葉と共に厨房に兵士さんが入ってきます。
あああああ、非常に不味い。
私は火照る体を押さえつけます。そして、サンドイッチを渡すと何とか耐えきりました。
それから、メイド控室に戻ると。三毛猫姿のラメさんが寝ています。
「にゃんー」
何が『にゃんー』だ、私がラメさんを押さえつけ様とすると。自然と服を脱ぎ始めます。魔力の入った言霊か!!!
媚薬で火照ったからだは正直に脱ぎすすめます。私は上半身が裸になり椅子に座ると。三毛猫姿のラメさんが膝に入りバストの先端を舐めます。
ひいいいい、猫の舌のざらざら感が凄いです。私は最後の力を振り絞り。ラメさんを取り押さえます。
「希望通り舌でバストの先端を舐めたでしょう」
私の言葉にラメさんが人の姿に成ると。魔法少女のステッキを用意します。
「えへへへへ、楽しかったよ」
その言葉の後で私の元にラメさんが倒れ込みます。
……あいたたた。
気が付くと元の体に戻っています。あー酷い目にあった。
ホント、このガチ百合メイドは何とかならないかな。
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