第2話 ガチ百合に好かれるにゃんこ族

 翌朝、私の部屋は二段ベッドの二人部屋であった。気持ちよく寝ていると……。


 何やら胸を揉まれている。


 同室になったラメさんが私床に入り胸を揉んでいるのだ。


「よいではないか、よいではないか!!!」


 私はビックリして飛び起きる。


「起きたか?では、下の秘部を愛してあげよう」

「ダメです!」


 私が拒絶すると。


「嫌わないで、美味しそうなメイルさんが悪いのよ」


 意味のわからない弁解をされても困るがこの手のやからは厳しくしないといけない。


「ダメなモノは、ダメです」

「はーい」


 生臭い返事が返ってきて、これは手遅れの可能性を感じる。ラメさんは味をしめたカラスの様な目つきだ。


 とにかく、新しい朝だ。私達はメイド服に着替えるとメイド部長のファルさんの元に行く。


「えーと、今朝のミーティングを始める」


 このお屋敷でのメイドの数は三人だ、交代に休みを取って仕事を進める。料理長と副料理長の二人に護衛の兵士が三人。秘書が一人で合計九人の使用人がいるのだ。


「さて、メイルさん、昨日も話したけれど政府高官に日記帳を渡す仕事ですけど、週に一度は首都エキスに向かってもらいます。魔導列車で首都までの往復半日の仕事です」


 それで旅人の私が採用されたのか。確かに、私は魔導列車には乗りなれている。


「では、お仕事開始です」


 私は早速、御主人様の部屋に行き掃除を始めます。


「おはよう、にゃんこ族のメイルさん」

「ご、御主人様、おはようございます」


 あああああ、また、猫の姿で御主人様に甘えたい……。


 我慢してお仕事を続けます。御主人様が椅子に座りこちらを見てきます。


 私は緊張のあまり猫の姿に成ってしまいます。すると、御主人様は猫の姿の私に近づくと抱き上げてナデナデします。


 ああああ、このままでは私はダメ人間になってしまいます。


 イヤ、猫の姿だからダメ猫か……。


「頼みがある、君の見て来た世界の広さを教えてくれないか?」


 私は人の姿に戻ると窓を開けます。


「お仕事中なので少しですよ」


 北の国で凍え死にしそうになった経験を話す事にした。一日で二本の魔導列車に乗り遅れて無人駅で半日吹雪の中で魔導列車を待った話しをした。


「死にそうな時って本当に走馬灯が見られるのよ」

「凄いな……死にそうな寒さか」


 おっと、掃除のお仕事がまだでした。


「はい、今日のお話はこれでお終いよ」


 少し寂しそうな御主人様であった。

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