第3話:兄に知られてしまった②
『それにしても、今回は大玉だな。』
『そうだな。あのルトランド侯爵の子供を捕まえられるとはなコイツは高く身代金を請求すればガッポだろうよ』
ひょんな事から私達3人は捕まってしまった。 壁に穴が空いており、そこから見たら外はもう夕暮れ時だ。正直言って相当ヤバい。
2人も必死に抵抗しようとするが名の知れた2人な為、縄がキツめに締められている。逆に、私はさほどキツくないのだ。
誘拐されて1時間ほど時間も経過したので私も流石に我慢の限界だ。
縄を少し緩めた後、ザウバア兄様が持ってきていた剣の鞘を片手に一気に誘拐犯の1人を気絶させた。その音で様子を見に来た仲間も次々の気絶させていく。そして、 もう仲間もいないと思い2人の縄を切る。
驚いたのか2人が何かを言おうとした時だ……。
『おいおい、コレはどういうことだ?』
『『『!?』』』
大柄の男が扉の前に立っていた。この組織のリーダーだろう。目元を怪我しており、今までの男達とは違う気配を感じさせる。
『おいおい、お嬢ちゃん。これはお前がやったのか?』
『……。』
『沈黙ということはあっているんだな』
『……。』
『おい、質問に答えろ餓鬼』
『……。』
『チッ……めんどくせーな。お前の雰囲気からそこのお坊ちゃん達よりつえーだろ? 護衛か? それにしては後ろのに似てるな。そして、服もご立派だ。まさか、お嬢様か? はっ、笑えるな。兄より強い妹がいるな……ん……て……』
リーダーであろう男の発言が目障りだったから殴ってしまった。その瞬間男も驚いたのか何が何だか分からないようで、そしてたて続けて私は殴ったので気絶してしまった。
その時の私の姿は狂気に満ちていたかもしれない。男が黙り、静まり返った途端に2人が駆け寄ってきた。『大丈夫か?』『怪我はないか?』などと声をかけてくれた。
私はそれを最後に意識を失った。
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