第7話 ?

「おっと、今日は当たりだ!」蒼也そうやが言った。

「え、何だって?」さとるが訊いた。

 蒼也は答えなかった。

 間もなく一番レジがいた。先頭の蒼也は悟の背中を押してそこに行かせた。

 そして蒼也は次に空いた真ん中の二番レジに向かった。

「いらっしゃいませ、こんにちは。店内でお召し上がりですか?」

「はい」

「では、ご注文をどうぞ」

「ヒューストンバーガーのセットで」

「お飲み物はいかがなさいますか?」

 ドリンクを訊かれた蒼也は、返事をする代わりに紙切れを女子店員に見せた。「これで」

 彼女は紙切れに目を走らせた。

「承知しました。お会計は六百円です」

 蒼也はそっぽを向くようにカウンターとは反対の方を向いてオーダーが揃うのを待った。

 一方、二番レジの彼女は三番レジの女子店員に紙切れを見せ、何かひと言ふた言囁きあった。

 三番レジの女子店員はドリンクを三つ用意していた。コーラ、オレンジジュース、そして最後のひとつにはウーロン茶を注いだ後にジンジャーエールを注ぎ足した。

 蒼也はよそ見をしていたからそのことに気づかなかった。そしてその特製ドリンクは蒼也のもとへ渡った。

「お待たせしました。ごゆっくりお召し上がりくださいませ」

 トレイを受け取った蒼也は蓋越しにドリンクを見つめた。そしてテーブル席に向かった。

 テーブル席ではバーガーにかぶりつく者がいる中、蒼也はじっとドリンクを見つめ、やがて意を決してドリンクに挿したストローをくわえた。

 ストローが茶色に変わった瞬間、蒼也は顔をしかめ、「……だよねー」と叫んだ。

「ん?」と悟が不思議そうに蒼也は見たが、はいつものようにポーカーフェイスを維持しつつも心の中では大笑いしていた。

 どんな味がしたのだろう。

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