第3話 失ってしまった絵空事
私はしばらく枝野郎と話をしているとすでに夕暮れになっていた。
枝野郎はまだ、時間があるようだが帰らないと親が心配してしまうので私だけ帰ることにした。
公園から家は近く、30分ほど歩いたら着くところだ。
帰ってくると母親が心配しに来ている。
母親「大丈夫だった?今春だから体調を崩したりしやすいからね…」
そう言って私のことをかなり心配してくれているようだった。私は大丈夫なのに。
友香「大丈夫だってー!」
そういいながら私は部屋に戻った。
久しぶりに人と関わると怖いな…。でも、懐かしい感じがしたな。
ずっと大きな夢を追いかけていて、もう疲れてたのかもしれない。
だって、仕事のこと考えると泣いちゃったし。
そういえば私何歳だろう…気にしたことなかったな…。母親に聞いてみよう。
トントンとノックが鳴り響き、
母親「ご飯できたよー!!」
という声が聞こえたので私はリビングに向かった。
ご飯と味噌汁などがいつも通り並べられていた。私は緊張しながら母親と話す。
母親は洗いものをしながら
母親「ん、どうしたの?」
と聞いてきた…。とても緊張する。
友香「あのね、私、何歳だったっけ?」
友香「んー忘れちゃってさハハハ…」
これで違和感はないだろうか。
母親「そうねーたしかもう22歳になるんじゃないかしら?」
えっ、マジ?そんな年齢でずっと私働いてなかったってこと?ヤバくない?
友香「あ、え、ホントだよね…」
母親「大丈夫よ…ユウカはユウカのペースでいいから…」
そっか…。あと何十年かで取り返しがつかなくなるのか…。
私はご飯を食べまた部屋に戻る。
携帯の【Ashiato】というアプリからの通知が気になる…。枝野郎は何かメッセージを送ってくれているだろうか。
携帯を見ると、通知が来ており枝野郎のDMを開く。
枝野郎「今日は少し話せてよかったよ」
枝野郎「また、明日の昼話したいことがあるから」
とメールが来ている…。
なんか嫌だな…。メールは来ていることはいいけどでも、もう次の予定たてるの?
私は無職だから時間はあるけどさ…。私が子供すぎたんだろうか…。
とりあえず日時だけ決めて寝よう…。
はぁ…。こんなはずじゃなかったんだけどな…。
アイドルやってー
人気になってー
そしてー
みんなからチヤホヤされてー
そんで私は歴史に名を刻みたかったんだけどな。
そううまくはいかないか…。
大人の思考が染み付いてしまっていたが、
まだ諦めたくはない!
有名になって!みんなに届く歌を…。
届く歌って…。子供の頃はよくそう言っていたな。
私の子供の頃ってどうだったんだろう…。
絵空事…ばっか言ってたのかな…。
寝よう…そして明日江田さんと話そう…。
続く
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