第2話 不思議なマネージャーさん

マネージャー「お前は確か…」


マネージャー「流石に覚えていないか…」


マネージャー「それじゃ、初めましてだな!」


大塚 友香 「いや、どなた様ですか?」


はっきりとそういうとオッサンは哀しそうな顔で私を見てベンチに座って自己紹介をしてくれた。


私もベンチに座ろう。


マネージャー「俺は江田えだ 真一郎しんいちろうです」


(江田さん…ね…覚えにくいから心の中で枝野郎というあだ名にしておこうかしら)


枝野郎 「枝野郎とか裏から言われたことがあるがまぁ、よろしくお願いしますね」


(え?いわれてたの?まぁめちゃくちゃ細いしね…)


そういえば私は名前知られてないだろうから、名前だけでも伝えておこうかな…。


大塚 友香 「あの、私の名前は…」


枝野郎 「いや知ってますよ。何度も落ちてますんで…」


枝野郎 「あ、そんな鬼のような顔で怒らないでくださいよ友香さん!!」


友香  「は?なんなの?人のことバカにして!!」


(こいつ…枝野郎じゃなくて枝クソ野郎に改名してやろうかしら)


友香  「謝ってますし今回は許しますけど!ね!」


枝野郎 「ありがとうございます…ではここからは本題に入ります」


友香  「えっとなんの話ですか?」


アイドルとか難しいからやめろとか、過酷で厳しいからやめろとか、そういったことならキチンと断ろうと思っていた…。


しかし、江田さんから発せられる言葉は信じられないことだったのだ。


江田さん 「実は俺、アイドルのマネージャー辞めたんです…」


どうして…なんでいきなりそんなこと…でも私には関係ないけどさ…。


でも、やっぱり、仕事を辞めるなんて何かあったんだわ…。


そういえば私は仕事ずっと…してないな…なんでだろう…。


どうして私、思い出せないの?


毎日毎日アイドル事務所に何回も面接して、そして落ちたのに、


そのたびにアイドルになったときの自分が怖くなって…子供の頃も思い出せなくて


夜いつもいつも泣いてて私…親にまで心配かけたくないのに…!!


友香 「なんで私生きてるの!?」


大声で叫んでしまった…しかし涙を拭きとってくれたのは江田さんだった…。どうしたのだろう私。


江田さん 「泣いてますよ、友香!」


私が…泣いていたんだ…気づかなかった…。


ずっと心は正常だと思っていたのに自分じゃ気づかなかったんだ…。


江田さん 「少しずつ思い出していけば大丈夫ですよ…」


正直言って枝野郎のことはまだ信用ならないが、でもいつか


この記憶がすべて戻った時私はどんな人生を送るんだろう…。


そして私は私として生きれるのだろうか?





友香 「えだや…江田さんありがとうございます!」


江田さん 「・・・・・・・・?」


友香 「・・・・・・・・」


江田さん 「・・・・・・・・!」


江田さん 「枝野郎って今言いかけたな!!」


友香 「ごめんなさいいいいいいいい!」




続く


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