盗人
明かりがない。窓を消して、中に入る。食べ物なんかがあればいいか。欲しいものは奪えばいい。邪魔するやつは蹴飛ばせばいい。おれは今、なに不自由ない暮らしをしている。
家をうろうろしていると、いくらかパンなどが置いてあって、棚にはジャムなんぞがあった。飢えた身にはたいしたごちそうになる。
食べ終えたら、他にいくらか、人が買いそうなものを奪って逃げるとしよう。
ん、足音がする。誰かいたのか。
窓からさっさととんずらする。
おっと、ばれていたのか。
家のまわりには隣家の人間たちだろうか、人が集まって、出てきたやつを捕まえる手筈だったようだ。まあ、飛びかかられても、ひらりと跳べば、人の背丈など軽々越せる。捕まれようが、力付くでも、魔術でも、どうにでもなる。もっとも、おれは親切だから、わざわざ傷つけようなどとは思わない。勝手させてくれるなら、それでいいんだからな。
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