錬金術

ごぼごぼと音を立てる釜の中には、今まで苦労して集めた素材が入っている。


鹿の角、燕の糞、うしの糞、馬の糞。


どれも大変だった。集めることすらはばかったものばかりだ。人のいうゴミというものを、役立つ何かに変える。そんな試みを続けて、はや十年。つらい生活である。基本は人にゴミを分けてもらう。そして、錬金術師として、ものを作り替え、それを買い取ってもらう。


魔法の粉がなければ、うまくいかない。その魔法の粉をストックしておくだけでも大変だ。


連盟からは、なかなか分けてもらえないし。苦しいものだ。


おや、出来たようだ。

この瞬間がたまらない。

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